ガッツが足りない? チャンバが走る?…「ファンシー絵みやげ」で振り返るサッカーブーム(2/2)

2017/6/30 12:00 山下メロ 山下メロ


■ ファンシー絵みやげの中のサッカー

サッカーブームによって観光地の土産店にも関連商品が並ぶということはありませんでした。しかしスキー場など、オフシーズンのある観光地の宿泊施設は、閑散期に部活動の合宿を受け入れているのです。そのため、合宿の部員たちが繰り出す売店には「部活動モノ」という商品が並び、そこに「サッカー部」というものも見つけられます。


↑エポック社の「シルバニアファミリー」、バンダイの「メイプルタウン物語」、タカラ(現・タカラトミー)の「3年2組のなかまたち」など、このようなフロッキー加工人形がブームだった。サッカー部のタグがついている。


↑サッカー部のキーホルダー。顔がどうなってんだかよく分からないキャラクターだが、大きいサングラスをしているらしい。「Ma-Sakka-!」というダジャレが書かれている。


↑みうらじゅんさんの『いやげもの』にて「ヘンヌキ」と呼ばれている、栓抜きキーホルダー。スパイクの描写も細かく、そしてなぜか巨大なサッカーボールの上でボールを蹴っている。


↑裏には「根性」の文字が唐突に書いてある。昔の土産物になぜかよく書かれていた「根性」ですが、部活モノに限っては現代でも使われている。

■ 清水の草サッカー

草野球ならぬ草サッカーを盛り上げたのが、今ではサッカーの町として知られるようになった静岡県清水市です。1987年、清水市で全国少年少女草サッカー大会が始まりました(第一回は男子の部のみ)。


↑SHIMIZU CUP~ は全国少年少女草サッカー大会の英語表記。大会キャラクターの恐竜が描かれたキーホルダー。


↑清水市の土産店で売られていたファンシー絵みやげテレカ。ホワイトテレホンカードに印刷されている。「サッカーの町清水」「全国少年草サッカー大会発祥地」と書かれている。しかしなぜ、服に「サッカー」と書かれているのか謎である。


↑清水市の土産店で売られていたファンシー絵みやげコーム。こちらも同じ文言に、胸に「サッカー」の文字。なぜそこに書くのか。背景には清水市の三保の松原からよく見える富士山が描かれている。

清水市の黄緑色のコームには、「めざせJ.プロサッカー」という文字が見えます。Jリーグという言葉をあえて避けているのでしょうか。恐らくJリーグ元年の1993年以降の商品でしょう。Jリーグ発足以前からサッカー振興において一役買っていた清水市に、いよいよJリーグという本格的なブームがやって来たのですね。

では最後にこちらをご覧ください。



フェルトで作られたファンシー絵みやげの手芸風状差し(ウォールポケット)。サッカー少年までがモチーフになっているとは、いかにサッカーの町なのかがよく分かります。

A4サイズのクリアファイルに挟んで展示されていたので、そのままにしてあります。フェルト状差しは、A4よりもっと大きいものが全国に存在する謎の存在です。それにしてもサッカーの町なのにボールの模様に自信の無さを感じますね……。

では、また次回。

(文と写真:山下メロ“院長”)

■ 保護のお願い

私は全国の観光地で保護活動を行っていますが、現地から消滅したファンシー絵みやげについては、皆様の家に残されたものが頼りです。もしご実家などの学習机の引き出しの中に眠っているものなどが見つかりましたら、是非ともご一報ください。ハッシュタグ #ファンシー絵みやげ での報告も待ってます。



《イベントのお知らせ》
7月21日(金)の夜になんば紅鶴にてトークイベントを開催します。

『旅好きが旅する日本の話』

OPEN 19:00 / START 19:30
前売¥2,000(1drink別)

【出演】
とみさわ昭仁(蒐集家) 山下メロ(ファンシー絵みやげ研究家)
B・カシワギ(なんば紅鶴)    


《イベントのお知らせ》
7月18日(火)の夜に大阪ロフトプラスワンウェストにて、関西で初のイベントを開催します。


『昭和遺産ナイト』

OPEN 18:30 / START 19:30
前売¥1,500 / 当日¥1,800(共に飲食代別)
来場者先着でキーホルダープレゼント有り

【出演】
山下メロ(ファンシー絵みやげ研究家)
ニポポ(団塊ジュニア世代グッズ収集家)
逢根あまみ(昭和遺産ラブホテル愛好家)
麟閣(パチモノゲームマニア)
あい(スピリチュアルカウンセラー)

【出張販売】雑貨屋ミケちゃん
    


《番組出演のお知らせ》
スチャダラパーBoseさんの番組『さきどりBose』に出演いたしました。GYAO!にて無料で視聴いただけますので、リンク先より是非ご覧ください。

さきどりBose #18(番外編) 
山下メロがやってきた ファンシー絵みやげをご紹介!


   
《グッズ発売のお知らせ》
卒業生代表さんの民芸みやげ風な通行手形ICパスケースに、私がファンシー絵みやげイラストを描いた最高なコラボ商品が完成しました!ヴィレッジヴァンガードのオンラインショップで購入できます☆
【卒業生代表×山下メロ】通学手形ICパスケース
    


《イベントのお知らせ》
7月13日(木)の夜に阿佐ヶ谷ロフトAで、旅するイラストレーター キン・シオタニさんのイベントにゲスト出演いたします。TVKの街歩き番組「キンシオ」でもおなじみのキンさんと、ともに全国を旅する2人がどんなトークをするのかお楽しみに!

キン・シオタニpresents「描き語り34」

OPEN 18:30 / START 19:30
前売¥2,100 / 当日¥2,600(共に飲食代別)
前売はローソンチケット【Lコード:34390】から ※5/27~発売
【出演】キン・シオタニ
【ゲスト】山下メロ院長(ファンシー絵みやげ研究家)

旅するイラストレーター、キン・シオタニのトーク&パフォーマンスライブ。
今回は前回に引き続き、1980年代に国内の観光地にあふれていたファンシーイラストのおみやげ「ファンシー絵みやげ」を収集している山下メロ院長がゲスト。前回参加できなかった方ももちろん大丈夫。2人の不思議なコンビネーションは必見です。 ドローイング・シアターも、もちろんあります。     


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