OLがオヤジ化してゴルフに夢中!?…「ファンシー絵みやげ」で振り返るゴルフブーム(1/2)

2017/6/23 12:00 山下メロ 山下メロ


お久しぶりです。平成元年あたりのカルチャーを発掘調査している山下メロと申します。80年代とも90年代とも違うその時代を、平成レトロとして愛好しております。



当連載では、80年代から平成初期に流行した「ファンシー絵みやげ」から、当時の流行を紹介していきたいと思います。「ファンシー絵みやげ」とは80年代からバブル経済期~崩壊を挟んで90年代まで、日本の観光地で若者向けに売られていた、かわいいイラストが印刷された雑貨みやげのことです。



「ファンシー絵みやげ」については連載第一回をご覧ください。

■ ゴルフとホールインワン

先日、松山英樹さんが全米オープンを2位タイで終え、青木功さんの持つ日本人のメジャー大会最上位記録に並び、世界ランクも2位となりました(2017年6月現在)。今も昔も注目を集めるゴルフは、当連載でもとりあげたテレホンカードにおいても重要でした。


↑1打目でカップインするという奇跡的な「ホールインワン」を起こすと、達成した本人が他の参加者にご祝儀を渡したり、自費で祝宴を開くというしきたりがある。簡単に済ますためにテレホンカードに日付や名前を入れて配ることもあったが、急な出費が発生するため俗にホールインワン保険と呼ばれるものまで登場した。

■ 子供とゴルフ

1982年から児童向け漫画雑誌『コロコロコミック』にて藤子不二雄A『新プロゴルファー猿』の連載が始まり、1985年からアニメが放映され、ファンシー絵みやげのメインターゲットである子供にもゴルフというものが馴染み深くなりました。

1984年には任天堂ファミリーコンピュータで『ゴルフ』が発売。こちらは大人向けという雰囲気でしたが後にマリオをキャラクターとしてディスクシステムで『ゴルフJAPANコース』、『ゴルフUSコース』、ファミコンで『マリオオープンゴルフ』など続々と発売され、子供たちがゴルフに慣れ親しむことになりました。


↑にぎやかなBGMばかりのファミコンにおいて、この静寂。コースの外はどこまでも暗黒。そして国民保護サイレンのような音。不穏すぎるOBの音。はっきり言ってトラウマだった。

ゴルフをテーマにしたビデオゲームソフトはその後も各社から多数発売されましたが、『遥かなるオーガスタ』など本格的なものも登場し、子供達が『ワイアラエの奇蹟』だの『ペブルビーチの波濤』だのと、耳馴染みのない海外のゴルフ場の名前を口にするような状況でした。

■ オヤジギャルとゴルフ

平成元年に漫画家の中尊寺ゆつこが雑誌『SPA!』でOL漫画『スイートスポット』の連載を開始します。麻雀・競馬・ゴルフにハマるなど、中年親父化したギャルを指す「オヤジギャル」が作中に登場し、流行語となりました。ファンシー絵みやげ全盛期であるバブル景気の頃には「OLがゴルフを愛好する」という現象があったのです。


↑ミスタードーナツの景品にも、中尊寺ゆつこの『スイートスポット』は使われた。スイートスポットはゴルフ用語。


↑他にも色々なグッズが存在する。

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