「見たことある!」ファンシー絵みやげで振り返るスキーブーム(1/2)

2017/3/3 12:00 山下メロ“院長” 山下メロ“院長”

はじめまして。
平成元年あたりのカルチャーを発掘調査している山下メロと申します。



80年代とも90年代とも違うその時代を、「平成レトロ」として愛好しております。

当連載では、80年代から平成初期に流行した「ファンシー絵みやげ」から、当時の流行を紹介していきたいと思います。「ファンシー絵みやげ」とは80年代からバブル経済期~崩壊を挟んで90年代まで、日本の観光地で若者向けに売られていた雑貨みやげのことです。

かわいいイラストが印刷されていることが特徴で、そのイラストには当時の流行が反映されたものがたくさんありました。まずは簡単にファンシー絵みやげを紹介していきたいと思います。

■ ファンシー絵みやげとは何か

80年代には、サンリオ、サンエックス、ソニー・クリエイティブプロダクツ、ユーカリなどのメーカーによる、かわいいキャラクターを印刷した文房具が人気でした。そして、それらを取り扱うファンシーショップと呼ばれるお店が全国各地にありました。ファンシーショップにはキャラクター文具だけでなく、鏡やコームなどのオシャレアイテム、それからお弁当箱にスプーン、Tシャツに帽子、……売られていたグッズの種類を挙げればキリがないほどに多種多様だったのです。


↑ ゴロピカドン、レッツチャット、レモンビレッジ、きどりっこ、オサムグッズ……どれも懐かしいですね。

一般的に「ファンシーグッズ」と呼ばれるそれらファンシーショップの商品群のように、色々なアイテムにキャラクターを印刷して売るという文化が、観光地の土産店にもありました。それがファンシー絵みやげです。


↑これが「ファンシー絵みやげ」です。実際に写真を見ると「見たことある!」「持ってた!」と、思い出す人も多いのではないでしょうか。

二頭身で幼く擬人化したキャラクター、ポップな色づかい、そして漢字や仮名よりも英文やローマ字表記でアルファベットを積極的に使うことなど、ファンシー絵みやげはファンシーグッズと共通する特徴を持っています。

■ スキー場で売られるファンシー絵みやげ

日本中のさまざまな観光地で売られていたファンシー絵みやげですが、特に多いと感じるのはスキー場周辺です。帰りに寄る近くの温泉地や宿泊するペンションを擁する高原など、その範囲はスキー場だけにとどまりません。


↑スキー場のファンシー絵みやげに描かれるキャラクターは、雪を連想させる雪だるまが圧倒的に多い。


↑少し大人向けとも思われる、きわどい内容の商品も。

ファンシー絵みやげは子供向けの内容が多いのですが、スキー場のものは大人向けの内容が多く、スキー場の主要な利用客層がファミリーよりも大学生などの若者だったことが分かります。ファンシー絵みやげ最盛期の1980年代後半に若者を中心にスキーブームが起こり、スキー場には多数の土産店が並ぶようになったのです。一体なぜここまでのブームが起こったのでしょうか。

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