公衆電話にコードレスホンにポケベル…「ファンシー絵みやげ」で振り返るラブ電話ブーム(1/2)

2017/6/16 12:00 山下メロ“院長” 山下メロ“院長”

お久しぶりです。平成元年あたりのカルチャーを発掘調査している山下メロと申します。80年代とも90年代とも違うその時代を、平成レトロとして愛好しております。



今日は久々に短ランで失礼します。

当連載では、80年代から平成初期に流行した「ファンシー絵みやげ」から、当時の流行を紹介していきたいと思います。「ファンシー絵みやげ」とは80年代からバブル経済期~崩壊を挟んで90年代まで、日本の観光地で若者向けに売られていた、かわいいイラストが印刷された雑貨みやげのことです。



「ファンシー絵みやげ」については連載第一回をご覧ください。

■ テレカで公衆電話からラブコール

前回テレホンカードを取り上げましたが、今回はそれを受けて、公衆電話からのラブコールについて紹介します。

1980年代はテレホンカードの登場で、緑色のカード対応の公衆電話がどんどん増えていきました。電話での愛の告白や、カップル同士の通話というのは以前よりありましたが、テレカの登場で一気に気軽なものになりました。テレホンカードにもラブコールを意識したカードが登場します。


↑このように少女漫画のアベックイラストを使ったテレホンカードも発売された。右下を見ていただきたい。


↑「愛しTELカード」である。「愛しTEL」なんて、今時もう時代遅れなダジャレである。そういえばリトルヴァンパイアという90年代のローカルなV系バンドが「愛しTEL」という曲を歌っていたのを知っている人がいるだろうか。私はいまだに知ってる人に会ったことがない。

せっかくなので、ついでにテレホンカードのキャラクターを見てみましょう。


↑これがテレカのキャラクター。当時はレーザーカラオケやビックリマンなど、やたらとオウムのキャラクターが多かったように記憶している。

■ ヤンキーとテレホンカード

以前の連載でもとりあげたヤンキーやツッパリ的な世界に目を向けて見てみると、1980年当時こんな陶磁器製の貯金箱が売られていました。


↑黄色い受話器なので1972年以降のテレカ対応前の公衆電話と思われる。

リーゼントに、3つだけのボタンなので超短ランですからこれはヤンキーなのでしょう。そして手に持っているのは、タバコやビール缶、コームなどの定番アイテムを差し置いて公衆電話の受話器なのです。決闘の申し込みでしょうか。

ケンカといえば、みなさんは折ったテレカを手の中に隠し、ボキボキと拳を鳴らすような音を出してオラついたりしませんでしたか?


↑このように幾筋も折り目を入れるとリアルなサウンドが鳴る。

↑Twitterで聞いても、けっこう知らない人がいたので動画を撮った。

■ ラブコール系ファンシー絵みやげ

前回はテレホンカードを模したファンシー絵みやげキーホルダーを紹介しました。今回は、電話を求めるタイプのキーホルダーを紹介いたします。


↑たぬきが「もしもし…」と言っていて「CALL ME」と書かれている栃木県日光のキーホルダー。10円玉が付いている。

私はなぜ10円玉が付いているのか理解できませんでした。なぜかというと、「ご縁がある」と言われる通り、おみやげキーホルダーにくっついている硬貨の定番は5円玉なのです。5円玉が付いていたり、モチーフとなっていたりするものは非常に多くみられます。


↑山形県庄内地方のキーホルダー。こちらも「CALL ME」と書いてあり10円玉がついている。さらに「KONO ”¥10” DE ”TEL” SHITENE」と書かれている。

こちらを見て分かりました。「この10円玉で電話してくれ」という意味なのです。1982年にカード式公衆電話が登場する以前は、10円玉や100円玉でしか通話ができませんでした。カード式公衆電話も硬貨での通話はできますし、おそらくこれらが発売されたのもテレカ登場後だとは思われます。

しかし10円玉付きのキーホルダーをおみやげとして渡して、その10円玉で電話をしてね…というのは、まさに「ぶっ飛び~」な、当時の感覚あふれる商品だと思います。

最初、たぬきが持っているアンテナ付きの電話は携帯電話かと思っていました。それで10円玉=公衆電話という感覚になりませんでしたが、よく考えるとこの時代の携帯電話はまだまだ巨大で、こんなに小さな携帯電話はまだ登場していない頃と推測されるため、これはコードレス電話の子機なのではないでしょうか。これぞラブコールに革命をもたらしたアイテムです。

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