ねぶたの家 ワ・ラッセで一年中「ラッセラー」

2017/3/16 15:00 Tak(タケ) Tak(タケ)


東北の夏を彩る青森ねぶた祭。地響きのように鳴り渡る太鼓の響きと跳人(はねと)と呼ばれる踊り手の勢いのよい「ラッセラー」の掛け声。

毎年8月上旬に開催される国指定重要無形民俗文化財指定のねぶた祭には県内からだけでなく日本中から(近年では海外からも)多くの見学者&参加者で賑わいをみせます。



一度は、生で鑑賞しそしてできれば跳人(はねと)として祭に参加したいと誰しもが思うはずです。ねぶた祭の大きな特徴のひとつとして、だれもが跳人として参加できることがあげられます。夏祭りの主役として青森市内を跳びはねたいですよね。

そして、祭りの主役であり、一番の見ものは大型のねぶたです。最も大きなもので幅約9m、高さ約5m、奥行き約7mもある巨大なねぶたが街中を練り歩く姿はまさに圧巻のひとこと。これに太鼓に笛、手振鉦による「囃子」が華を添え雄大な祭を一層盛り上げてくれます。

毎年8月2〜7日に開催されるねぶた祭に合わせ青森へ出かけその場の雰囲気を味わいのがもちろん一番ですが、中々この日程に合わせられないのも事実です。


ねぶたの家 ワ・ラッセ:http://www.nebuta.jp/warasse/

そんな生きている間に一度は観てみたいねぶたが一年中観られる施設が出来たのを知っていますか。それが青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」です。

2011年にオープンした「ワ・ラッセ」には前年度に「ねぶた大賞」を受賞した大型ねぶたがそのまま展示してあるのです。



本番の祭の時では近くで観ることの出来ない大型ねぶたが目の前にどーんと展示されている様子は迫力満点です。照明が落とされた展示ホールの中心に大型ねぶたが何台も暗闇に浮かび上がる姿を想像してみて下さい。

現在、六本木の国立新美術館にミュシャの超大作「スラブ叙事詩」が初来日を果たし多くの人を魅了していますが、「ねぶたの家 ワ・ラッセ」の大型ねぶたはそれに勝るとも劣らぬ迫力があります。



「ねぶたの家 ワ・ラッセ」では大型ねぶたがどのようにして作られるか、また中の仕組みはどうなっているかなども、実際のねぶたのパーツを使い説明展示がされています。

竹でねぶたを組んでいた時代に比べ、現在のように金具を用いるようになってからはより動きの激しいねぶたが作られるようになったそうです。



この他に、青森市内には大型ねぶたを想起させる奈良美智の作品「あおもり犬」が常設展示されている青森県立美術館や三内丸山遺跡や「わだばゴッホになる」で有名な棟方志功記念館など多くの見どころがあります。



本州最北端の青森県。とても遠いイメージを持たれているかもしれませんが、東北新幹線「はやぶさ」に乗ってしまえば3時間ちょいで到着します。

都会では味わえない雄大な祭やアート、そして東北ならではの美味しいものが待っているとあればほんとあっという間です。

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