鑑定団で話題の国宝「曜変天目」も観られる!特別展「茶の湯」がすごい

2017/1/31 14:30 Tak(タケ) Tak(タケ)


先月放送のテレビ東京「開運!なんでも鑑定団」で世界で4点目の大発見として大きな注目を集めた「曜変天目茶碗」。しかし後日専門家などから疑問視する声が多数あがり、現在ではその真贋についてネット上で議論をよんでいます。

「曜変天目茶碗」鑑定 県人所有品に真贋論争
「なんでも鑑定団」曜変天目の真贋が知りたい テレビ東京に再び聞いてみた

なにせ世界に3点しか現存が確認されていない「曜変天目」(3点とも日本にありすべて国宝指定)なのですから、たかが茶碗かもしれませんが注目を集めるのも当然です。

そんな「曜変天目」の中でも最も虹彩が美しく観た者の心を惑わせる静嘉堂文庫美術館所蔵の国宝「曜変天目 稲葉天目] が、2017年4月11日より東京国立博物館で開催される特別展「茶の湯」に出展されることが決定しました。


国宝 曜変天目 稲葉天目
中国・建窯 南宋時代・12~13世紀 東京・静嘉堂文庫美術館蔵
展示期間:4月11日(火)~5月7日(日)



そもそも現存する3点の「曜変天目」も目にする機会は非常に限られており、年に一度あるか無いかのまさに激レアな茶碗です。



特別展「茶の湯」 奇跡の開催! 名碗オールスターズ
会期:2017年4月11日(火)~6月4日(日)
http://chanoyu2017.jp/



ただし注意が必要です。国宝「曜変天目」の展示される期間は4月11日(火)~5月7日(日)です。展示期間後半はGWにあたり相当な混雑が予想されますので、できれば始まってすぐに観に行かれるのが得策かと。

鑑定団のせいで「曜変天目」ばかりに関心が向いてしまいますが、今回の特別展「茶の湯」は、奇跡の展覧会と呼んでも過言ではないほどの充実ぶりです。


今から37年前の昭和55年(1980)、今回と同じ東京国立博物館で名家秘蔵の茶道具を日本の美術としてとりあげた初めての展覧会として「茶の美術」展が開催されました。

流石に37年前となるとご覧になられた方も少ないはずです。


国宝「油滴天目」 中国・建窯 南宋時代・12~13世紀
大阪市立東洋陶磁美術館蔵


21世紀となった今開催するに相応しい中国、朝鮮、日本と異なる地で焼かれた第一級の名碗などが4月11日からの特別展「茶の湯」に集います。


そこで今回の「茶の湯展」で公開される名碗中の名碗をご紹介しておきますね。ただし画像だけでは何の変哲もない茶碗にしか見えずこれのどこが一体国宝や重要文化財なのかと首をかしげてしまうかもしれません。

茶碗は絵画作品と違い、その碗が持つ来歴(物語)を知ることも大きな見どころの一つとなります。


国宝「志野茶碗 銘 卯花墻」美濃 安土桃山時代・16~17世紀
東京・三井記念美術館蔵



国宝「大井戸茶碗 喜左衛門井戸」朝鮮 朝鮮時代・16世紀
京都・狐篷庵蔵

展示期間:4月28日(金)~6月4日(日)


重要文化財「黒楽茶碗 銘 ムキ栗」長次郎 安土桃山時代・16世紀
文化庁蔵



重要文化財「青磁輪花茶碗 銘 馬蝗絆」中国・龍泉窯 南宋時代・13世紀
東京国立博物館蔵



まだまだ他にも山ほど展示予定の名碗があります。また中国(南宋)から同時期に日本に伝来した絵画作品(重文 遠浦帰帆図 牧谿筆 展示期間:5月9日~5月21日)なども併せて展示されます。まさに「奇跡の開催! 名碗オールスターズ」の名に相応しい超充実した展覧会です。

かつて名だたる武将や茶人に愛され、時代を超えて人々の心をとらえてきた名碗たちが春の上野で待っています。

茶碗の良し悪し分からずとも、興味関心が全くなくてもこれは観ておいて損のない展覧会です。次に開催されるのは50年後?かもしれませんからね。




特別展「茶の湯」
会期:2017年4月11日(火)~6月4日(日)
会場:東京国立博物館 平成館
休館日:月曜日※ただし5月1日(月)は開館。
開館時間:午前9時30分~午後5時
※金曜・土曜は午後8時まで。日曜および5月3日(水・祝)・4日(木・祝)は午後6時まで。
※入館は閉館の30分前まで。
主催:東京国立博物館、NHK、NHKプロモーション、毎日新聞社
特別協力:表千家不審菴、裏千家今日庵、武者小路千家官休庵、藪内燕庵、遠州茶道宗家、江戸千家宗家蓮華庵、江戸千家、大日本茶道学会、茶道宗徧流不審庵
協賛:伊藤園、トヨタ自動車、日本写真印刷、三井住友海上火災保険、三井物産
展示協力:大光電機
公式サイト:http://chanoyu2017.jp/


茶碗と日本人