君は「吉岡徳仁」を知っているか?
パリ、オルセー美術館。
印象派の殿堂として連日大勢の人で賑わうフランスを代表する観光名所のひとつです。
オルセー美術館を訪れた人がまず真っ先に目指すのが印象派の展示エリア。お目当ての名画がそこかしこに展示されている空間にキラキラと輝くガラスのベンチが設置されています。
そのベンチを手掛けたのが今回紹介する吉岡徳仁(よしおか・とくじん)氏。ガラス製ベンチの名は『Water Block』。
オルセー美術館が展示室を大幅リニューアルした際に、吉岡氏のガラスのベンチが最もそこにふさわしいとして選ばれ、2011年より来館者を印象派の数々の名画と共に待ち受けています。
吉岡徳仁氏は、デザインだけでなくアート、建築など、幅広い領域において幅広い活躍をされています。吉岡氏に肩書を付けるとすると適当な言葉が見当たりません。それほどマルチな才能の持ち主なのです。
そしてまた、自由な着想と実験的なテクノロジーから生み出される作品により、世界に影響を及ぼす創り手の一人として、国内外で高く評価されています。ミラノサローネでは毎年注目の的となっています。
2011年に開催された「第54回 ヴェネツィア ビエンナーレ国際美術展」では、建築プロジェクト「ガラスの茶室 - 光庵」を発表し、その建築は、2015年に京都の重要文化財に指定される天台宗青蓮院門跡境内将軍塚青龍殿の大舞台に設置されました。
京都市内を一望する青龍殿の大舞台に建てられたガラスの茶室には、キャロライン・ケネディ駐日米国大使も訪問したことが話題となりました。
また最近では、2016年11月30日から2016年12月4日に開催されたDesign Miami にて LOUIS VUITTON と吉岡徳仁氏の初のコラボレーションと なる 新作 「Blossom Stool」を発表したことも記憶に新しいところです。
海外での活躍が忙しく、中々日本国内では展覧会を行う機会が持てない吉岡徳仁氏ですが、来年(2017年)1月13日(金)~3月26日(日)まで、東京、銀座にあるSHISEIDO GALLEY(資生堂ギャラリー)で開催されることが決まりました!
展覧会タイトルは「 吉岡徳仁 スペクトル ー プリズムの彫刻から放たれる虹色の光線 」
一体どんな展覧会になるのでしょう。案内状には「プリズムでつくられた彫刻から放たれる、虹色の光線による神秘的な光を体感する新作「スペクトル」のインスタレーションを発表」とあります。
”自然と科学、そしてテクノロジーによって生み出される無限の色が創り出す光が空間全体を満たし、神秘的な光を体感する新作「スペクトル」のインスタレーションを発表します。自然哲学者であるニュートンが、透明な多面体プリズムに太陽光を通して、光の中には様々な色の光が重なり合って存在するものだと示したように、私たちは日々、自然から学び、色を感じてきました。そのプリズムによって分光された光は、虹色の光線となってスペクトルが放たれるでしょう。”
吉岡徳仁氏の魅力のひとつに、ほかの人がやらないようなことを自然体でやってのけることがあげられます。そしてまた形のないものを扱わせたら右に出るものは見当たりません。
平然と成し遂げ、それを難解な言葉でなく、素人の自分にも理解できるようテキスト化してくれます。作品の前でまず美しさに惹かれ、そして咀嚼し味わう。
世界中で吉岡氏の作品やデザイン、建築が受け入れられるのはそんなところに理由があるのではないでしょうか。はっきり言ってしまえば彼の作品の前では言葉は陳腐化してしまいます。
JUJU「GIFT」
久石譲「WORKS IV-Dream of W.D.O.-」
芸術や言葉の壁を越え、普遍化した吉岡氏の作品は、CDジャケットにも用いられており我々の身近なところにまで入り込んでいるのです。
2013年、東京都現代美術館で開催された個展「TOKUJIN YOSHIOKA_Crystallize」以来となる待望の展覧会です。資生堂ギャラリーの空間をどう使い、何を見せてくれるのか。今から待ち遠しくて仕方ありません。
2020年に向け、日本人が世界に誇るマルチアーティスト吉岡徳仁氏からひと時も目が離せません!
吉岡徳仁
1967年生まれ。2000年吉岡徳仁デザイン事務所設立。
アート、デザイン、建築など幅広い領域において自由な着想と実験的なクリエイションから生まれる作品は、国内外で高く評価されている。
数々の作品が、ニューヨーク近代美術館(MoMA)、ポンピドゥー センター、ビクトリア アンド アルバート ミュージアム、クーパー ヒューイット国立デザイン博物館、ヴィトラ デザイン ミュージアムなどの世界の主要美術館で永久所蔵されている。
http://www.tokujin.com/
「吉岡徳仁 スペクトル ー プリズムの彫刻から放たれる虹色の光線」
会場:資生堂ギャラリー(東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階)
会期:2017年1月13日(金)~2017年3月26日(日)
開館時間:平日11:00~19:00(日・祝祭日11:00~18:00)
休館日:毎週月曜
URL:http://www.shiseidogroup.jp/gallery/
主催:株式会社資生堂
協力:株式会社吉岡徳仁デザイン事務所
『吉岡徳仁 クリスタライズ』