【倍率130倍】応募殺到の「帝国ホテルで楽しむ午後のティーパーティー」潜入レポート

2017/11/7 21:00 satomin satomin


11月1日の「紅茶の日」にキリンビバレッジ主催で「帝国ホテルで楽しむ午後のティーパーティー」が開催されました。
「午後の紅茶」のアドバイザーでもある、紅茶研究家の磯淵 猛先生を講師として招いた「紅茶の日」にふさわしい紅茶の楽しみ方を学べるイベントです。

キリンビバレッジ公式Twitterなどで「午後のティーパーティー」の参加者を募集したところ、抽選で25組50名様ご招待の枠に応募が殺到!

当選倍率がなんと約130倍に!!


そんな大人気のイベントを取材してきました。
限られた人しか参加できない「午後のティーパーティー」の潜入レポートです。

あの「午後の紅茶」のキリンが開くティーパーティー、しかも格調高い帝国ホテル!
もう期待感しかありません。





受付をすませてパーティー会場に入ると、大きな丸テーブルがいくつか置かれ、天井には眩しいシャンデリアが!!





倍率130倍という抽選で見事当選されたゲストの方々が、会場に集まっていました。

男女比では7対3で女性のほうが多い印象。30代からご年配の方まで参加されていました。
帝国ホテルでのティーパーティーということで、ちょっとお洒落した方が多かったです。中にはパーティードレス姿の女性も。


開会の挨拶の後、「午後のティーパーティー」がスタート!
「キリン 午後の紅茶」のアドバイザーでもある紅茶研究家の磯淵 猛先生の講演がはじまります。


▲紅茶研究家の磯淵 猛先生


当日は紅茶の日ということで、そのいわれから紹介されていました。
そう、紅茶好きならご存知の大黒屋光太夫(だいこくや こうだゆう)の話しです。

1781年、江戸時代後期、伊勢の白子(現在の鈴鹿市)の船頭だった大黒屋光太夫が、船で江戸に向かう途中、嵐に遭い8ヶ月間漂流し、アリューシャン列島の島に漂着。その後、1792年の11月1日にロシアのサンクトペテルブルクでエカテリーナ2世に謁見し紅茶を飲んだと言われています。
その逸話から11月1日が紅茶の日となったそうですが、実際には6月25日だったとか。




緑茶の発祥は中国ですが、福建省の山岳地帯、武夷山で1590年ごろ烏龍茶が作られ、続いて1630年に世界最初の紅茶「正山小種」が作られるように。大黒屋光太夫がいた当時のロシアでもすでに中国から伝わった紅茶をよく飲んでいたそうです。

他にも、セイロン、いまのスリランカで紅茶が作られるようになった話しなど、紅茶についての話しは続きました。
ちなみに、スコットランド人のジェームス・テーラーが紅茶をアッサムからセイロンにもたらして、今年はちょうど150年になる記念の年だそうです。



■磯淵 猛先生直伝の美味しい紅茶の淹れ方




講演の終盤、美味しい紅茶の淹れ方のレクチャーでは、会場前方のステージに参加者が集まり、磯淵先生が紅茶を淹れるところを見学します。

集まった参加者を前に、
「紅茶の美味しい淹れ方は、お湯の温度を見るだけ!」
と言いきる磯淵先生。

お湯の温度を「シューという音からゴーっという音に変わる」と、沸かしているヤカンの音で判別していました。
フタを開け、表面が泡だっていたら火を止めます。これで90度。

90度ないと紅茶の味と旨みのカテキンとカフェインが抽出されないのだとか。
80度だと生臭い紅茶に。95度をピークに水の中の酸素がゼロになるのでダメだそう。





酸素が充分に入ったお湯をポットの中の茶葉にかけた時に、茶葉のまわりにびっしり泡がついて、ふわふわと浮力で上がります。上にあがると泡がとれて、水分含んだ重い葉は下がり、熱対流でまた上がり、1、2回上下運動します。
これがジャンピングです。
上下して水中をくぐっている間に茶葉から味と香りと色が抽出されます。

「昔、30年前はずーっと湧かせと言われていました沸かすと塩素が飛び、カルキ臭がしなくなるから、湧いた後も3~5分沸かし続けて塩素を飛ばせすというのが定番だった」と言います。

しかし、沸かしすぎたお湯をいれると・・・

茶葉が上にあがってこない!
実際、紅茶の香りは出ずお湯の匂いがしてしまい、色もでないため水色も薄く…

磯淵先生がそれぞれの紅茶の入ったポットを持って参加者に香りを嗅いでいってもらうと、同じ茶葉と同じやかんでも、お湯の沸かし方で香りや色が変わることに参加者も驚きの表情を浮かべていました。


奥が深いです紅茶…



■紅茶のフードペアリング体験

美味しい紅茶の淹れ方レクチャーが終わり席に戻ると、テーブルの上には美味しそうな2つのプレートが!
会場のあちこちから歓声があがります。



盛り方や食器もエレガントで、さすが帝国ホテル!


1つはサンドイッチなどのお食事のプレート、もう1つはデザートのプレートです。
チーズとの相性が良いということで、チーズを使ったものが多い印象でした。


▲白い皿:サンドイッチ(ハムチーズなど)、三角のパイ(ミート入り)、コーン(クリームチーズ入り)、シュークリーム(チーズ入り)



▲シュークリームと思ったら中には香りが強いチーズとパセリがはさまれていました



▲ゴールドのお皿:カップに入ったスポンジケーキとチェダーチーズ、チョコレート、プチケーキ、マカロンとベリー


プレートの内容を紹介しながら「全体的に乳脂肪、油脂分が入っているものが多いですが、紅茶はそれらとマッチする。紅茶をあわせると油がきれて美味しく感じられる。」と磯淵先生。
「逆に油分のないものには紅茶はあわない。例えば、大根おろしやトマトと飲んでも美味しくない。トマトにモッチャレラチーズを加えると紅茶はあう。」
なるほど、たしかに油分のないものと紅茶の食べ合わせをあまりやったことがありませんでしたが、潜在意識で避けていたのかもしれません。


説明の後、テーブルごとに自分たちでティーメイクをしていきますが、その前に見本として磯淵先生が見ティーメイクをするのを参加者全員で見ます。





淹れるお茶は世界三大銘茶のウバのティーウィズミルク。
使うミルクは低温殺菌牛乳。
このミルクがとっても大事だそう!

普通の牛乳の多くはUHT(超高温殺菌牛乳)で、130度で2秒間加熱し「卵で言うとゆで卵」と例える磯淵先生。低温殺菌は63~65度で30分間加熱し「卵で言うと生卵。サラッとしていて匂いがしない。」と言う。
ティーウィズミルクにすると飲んだ後、UHTは「牛乳が口から離れないでネバネバ」、低温殺菌は「重い乳脂肪がスーッと軽くなって舌の上から無くなり、また食べたくなる。」とその違いを説明する。

実際、低温殺菌牛乳だけを飲んでみましたが、ほんのり甘くてサラッとしていました。
牛乳を低温殺菌牛乳に替えるだけでも、それまでのミルクティーとは味わいが変わりそうです。


ティーウィズミルクにはUHTを使わず低温殺気牛乳を冷たいままで。
今回のカップ(140cc)には普段よりちょっと多めに20cc程いれます。
低温殺菌牛乳はサラサラしているのでたくさん入れるのが良いそうです。


ミルクを注いだ上から紅茶を入れます。

ここでポイント!

紅茶はカップの9分目まで注ぎます!




えっ?ちょっと多くない?と思ってしまいますが、
ティーウィズミルクは多めに入れるのだそう。


また、ティーウィズミルクの場合、カップはあらかじめ温めておきます。
冷たいミルクを入れないブラックティーの時はカップをあたためなくてもOK!



説明を聞いたあと、各テーブルのティーオーナーが紅茶を淹れていきます。



▲3度目の登場!キリンの梅澤さんもティーメイクに挑戦。



紅茶を美味しく淹れてもらったところで、食べ物と一緒にいただき、紅茶とのペアリングを楽しみました。






ここでは紹介しきれないほどの紅茶の話しをたっぷり聞くことができ、茶沼の住人には楽しいひとときでした。

ティースタンドに並べられた焼き菓子やケーキ、サンドイッチに、ポットで淹れられた温かい紅茶。
「アフターヌーンティー」や「ティーパーティー」という言葉に多くの人がときめいてしまうのは何故でしょうか?

たまには日ごろがんばっている自分へのご褒美に、ホテルでなくても自宅で丁寧に淹れた紅茶と好きなスイーツでゆったりとした時間を過ごしてみては。
その際には、ぜひ磯淵 猛先生直伝の美味しい淹れ方で紅茶を淹れてみてください。





(satomin@お茶ライター Teawriter)



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