知ってるようで知らない「午後の紅茶」伝説!貴婦人のマークが消えていた時期も!?

2017/11/1 11:01 satomin satomin


こんにちは。365日毎日お茶を飲むsatominです。

11月1日は「紅茶の日」。
皆さん、紅茶飲んでますか?



紅茶と言えば、多くの人が飲んだことであろう「午後の紅茶」。
いまを遡ること約30年前、1986年に日本初のペットボトル入り本格紅茶として誕生しました。
当初は1.5Lペットボトルでの発売でした。


紅茶飲料カテゴリーのブランド別シェアでNo.1。(食品マーケティング研究所調べ)
30年間の累計販売数は、9億3,000万ケース。その数を500mlペットボトル換算にして縦に並べると、地球から月まで約6往復分の距離と同じというから驚きです。


30年前の日本では家でティーバッグでホットティーを入れるのが主流。自動販売機で売られていた缶の紅茶飲料は糖度の高い甘い紅茶でした。
そんな中、「茶葉から淹れた本物の紅茶、アイスティーを作りたい」という想いから「午後の紅茶」は出発しました。


▲1986年発売当時のパッケージ。懐かしい!


開発当初は紅茶特有の白く濁ってしまうクリームダウンに技術開発者たちは悩み、濁るアイスティーを透明にしたいと試行錯誤の結果、「クリアアイスティー製法」が確立。いま現在、普通に飲んでいる「午後の紅茶」のクリアな水色は、開発技術の結晶により生まれたのです。



■驚き!!ブランドシンボル「アンナ・マリア」のマークが消えていた時期がある!?

「午後の紅茶午前に飲んでしまった」
「午後の紅茶を午前に飲みました。ごめんなさい」
「午後の紅茶を午前中に飲むやつなんなの」

よくTwitterなどで上記のような投稿を見かけますが、なぜ午前でなく午後の紅茶なのか?


キリンビバレッジの公式アカウントでもネタにするほど。


この名前はイギリスの「アフタヌーンティー」に由来します。
アフタヌーンティーとは、朝食と夕食の1日2食で生活をしていたイギリス貴族の空腹時間を満たすため、午後3時から夕方までに焼き菓子やサンドイッチと一緒に紅茶を楽しむ習慣のこと。
「日本にも紅茶の本場イギリスの習慣を根付かせたい」という思いが込められて名づけられたとか。


そして、「午後の紅茶」と言えば、ペットボトルラベルに印刷された貴婦人のマークが印象的です。




Twiiterでも「パッケージの、この貴婦人みたいなマークは誰なんだろうか」といった声もあり、誰なんだろうな?とは思っていた方もいるのでは?

このイラストの女性は、アフタヌーンティーの習慣を始めたと言われる7代目ベッドフォード公爵の夫人アンナ・マリア(1788~1861年)。


アンナ・マリアのマークは、発売当初は今のように正面ではなく側面に印刷されていました。「午後の紅茶」のヒットとともにブランドシンボルとしてラベルの正面に印刷されるようになったのだとか。アンナ・マリアの側面ラベルを見たことのある方、憶えている方はあまりいないのでは?


さらに、発売10周年の1996年、自主規制されていた小型PETが解禁され、ストレートティに500mlのペットボトルが登場します。レモンティーとミルクティーの500mlは1997年に発売。持ち運べる手軽さで売上げが急増。1997年の売上げ箱数は4,300万箱を突破します。


右肩上がりで成長を続けていましたが、2000年前後に無糖茶ブームが起こり低迷…。

2000年にはアンナ・マリアのマークが消えてしまいます!!!
替わりにラベルに描かれたのは、心の羽マーク!?(なぜ??)


▲このラベルもまたある意味、貴重かもしれません。


アンナ・マリアのマークの復活を願う声が多かったのか、2003年に復活します。
そして、いま現在目にする、正面にアンナ・マリアのマークがあるラベルになります。

その後、発売20周年の2006年には、「実はヘルシー」キャンペーンで、それまでの紅茶の「甘い、高カロリー」というイメージから「ヘルシー、ナチュラル」へ転換しV字回復を果たします。
2010年には「100%リーフ茶葉のおいしいとこだけ」をテーマにリニューアル。以降、紅茶カテゴリーNo.1ブランドとして、飲用シーンの拡大などで市場を牽引していくことに。


■商品ごとに最適な茶葉の使い分けをしているって知ってた?

「午後の紅茶」は紅茶の新しい魅力や、価値を提案するため、約30年の間にトータルで200以上の商品を開発しました。

午後の紅茶ストレートティ、レモンティー・ミルクティーはもちろん、エスプレッソティー、おいしい無糖、フレーバーティー、カフェインゼロ、おいしい無糖、こだわり素材シリーズ、デカフェなどなど。


2016年10月25日(火)には30周年記念商品「キリン 午後の紅茶 エスプレッソ ティーラテ」を発売しました!

エスプレッソ抽出した紅茶葉のしっかりとした香りと飲みごたえを感じられる紅茶です。


▲シックなネイビーにゴールドのマークが印象的なボトルです。



ここで突然ですがクイズです!

Q:「午後の紅茶」のベーシック商品であるストレートティ、レモンティー、ミルクティー、そして、おいしい無糖。それぞれの発売年と使っている茶葉は何?

紅茶好きなら答えられるのでは?



↓↓回答↓↓

茶葉ごとの特長もあわせてご紹介します。

◆ストレートティ

キリン 午後の紅茶 ストレートティー PET (500ml×24本)

発売年:1986年誕生
茶葉:Dimbula ディンブラ
地域:スリランカ中央山岳地帯南西部、標高1200~1600m

年間通じて、安定した品質が特長。フラットでマイルドな味わいで、さまざまな飲み方を楽しめる。クオリティーシーズンには、バラを思わせる香りと強い渋みももつ、高品質な茶葉が生まれる。


◆レモンティー

キリン 午後の紅茶 レモンティー PET (500ml×24本)

発売年:1991年誕生
茶葉:Nuwara Eliya ヌワラエリア
地域:スリランカ中~南部、標高1600~1800m

標高が高く、リゾート地としても知られる地域。朝昼夜の温度差による、特有の強い渋みをもつ。クオリティーシーズンには青々とした草を思わせる爽やかな香りを帯びる。渋みに負けないフルーティーな香りはブラックティーでも楽しめる。


◆ミルクティー

キリン 午後の紅茶 ミルクティー PET (500ml×24本)

発売年:1989年誕生
茶葉:Kandy キャンディ
地域:スリランカ中部、標高600~800m

標高が低く、気候の変化が少ない地域で栽培されるため、ほぼ同じ性質の茶葉が収穫される。スタンダードな風味をもち、ブレンドやバリエーション用に最適。タンニン量が少ないので、冷やしても濁りにくく、アイスティーにも向いている。


◆おいしい無糖

キリン 午後の紅茶 おいしい無糖 PET (500ml×24本)

発売年:2011年誕生
茶葉:Darjeeling ダージリン
地域:インド西ベンガル州最北部、標高300~2200m

ウバ・キーマンと並ぶ、世界三大銘茶の産地。険しい斜面と日中と朝夕の温度差で発生する霧、霧を晴らすヒマラヤの冷風のような独自の環境が「紅茶のシャンパン」と呼ばれるほどのフルーティーな香りと極上の渋み、深いコクを生む。



全て答えられなくても覚えておいて、次に「午後の紅茶」を飲むときに思い出してみてくださいね。


■5人にひとりが飲んでる!?「午後の紅茶」

日本に輸入される紅茶葉の約60%がスリランカの紅茶葉が占め、そのうち約3分の1が「午後の紅茶」に使用されています。
(出典:財務省2014年貿易統計 ※キリン調べ)




つまり、

60%の3分の1…20%。

日本に輸入される紅茶葉の約20%が「午後の紅茶」に使われているわけです。

改めて考えるとすごい数字です。


いかがでしたか?
いつも何気なく飲んでいる「午後の紅茶」でも、知らなかったことがあったのでは。

発売から約30年、開発からはじまり、シェアNo.1として紅茶のカテゴリーを牽引し、紅茶の新しい魅力や価値を提案してきた「午後の紅茶」。

これからも紅茶の楽しさやを伝えていってくれることを、紅茶好きのひとりとして期待しています。


(satomin@お茶ライター Teawriter)



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