【貴重すぎる】リアル版「Always 3丁目の夕日」昭和31年の日本のカラー映像
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どうも服部です。昭和の動画を紐解いていくシリーズ、今回は昭和30年代のカラー映像を取り上げました。
紹介するのは、「Public Resource Org」という、著作権放棄された米国政府所有の映像を公開している団体がYouTubeにアップしている「PARTNERS IN FREEDOM, 06/06/1956」とタイトル付けされた映像です。米国空軍が撮影した、カラーで無音声、未編集の映像で、タイトルにある日付(06/06/1956)から【昭和31年6月6日】ごろ撮影されたのだと思われます。
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米国空軍のフィルムということで、全編で34分ほどの尺がありますが、その半分以上は軍用航空機の映像となっています。それもまた貴重な映像には変わりませんが、当記事ではそれらはほぼ割愛し、日本の当時の街並みが収められたシーンを中心に紹介していきます。
ちなみに、冒頭部分で航空機の離着陸が行われているのは、現在の東京国際空港(羽田空港)のようです。羽田空港は、1958年(昭和33年)に全面返還されるまでアメリカ軍の管理下にあり、連合国の軍用機と民間機のみが発着を許されていました。では、早速見ていきましょう。
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街のシーンが始まるのは、開始7:25のこのカチンコからです。
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ガード下をくぐり終えると、左手には「大和銀行(2003年にあさひ銀行と合併、現・りそな銀行)」があります。
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右前方には建設中の建物があり、「いすゞ BX352」型の都営バスと思われるボンネットバスが走っています。
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そして、建設中の建物をズームします。……と、映像は再びガード下に戻ってしまいます。前述の通り、映像は未編集で、何テイクか取り直しているようです。このフィルムでは各所で同じシーンが繰り返されます。
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突如、場面は草原の中のドーム状の建造物が映ります。燃料タンクのようです。
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そして、レーダーのような施設。この映像では度々登場します。
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再び東京に戻り、2010年に惜しまれながら立て替えされた第4期の「歌舞伎座」です。この第4期は1951年(昭和26年)開館なので、築5年のまだまだ新しい時代です。前には都電が通っています。
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場面が切り替わると、皇居前の日比谷通りから撮影しているようです。奥には東京駅が見えています。
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皇居のお堀の前にピンクのフォルクスワーゲン「ビートル」発見。1台だけ浮いてます。
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今度はお祭りに遭遇したようです。6月だと浅草周辺でいくつか開催があるようです。
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再びオフィス街に戻ります。「東京ガス」の建物のようです。呉服橋のあたりです。
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並びには「三和銀行(2002年に東海銀行と合併しUFJ銀行に、現・東京三菱UFJ銀行」や「安田信託銀行(現・みずほ信託銀行)」があります。こうして当時の銀行名を取り上げていくと、現在そのままの名前で営業している銀行がほとんどないことに改めて気付かされます。
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当昭和まとめ記事でたびたび登場する、屋上に「銀座の地球儀」と呼ばれていた球状の看板がある「不二越ビル」が左手奥に見えます。銀座4丁目の交差点です。ピンク色の風船を持った女の子がいる辺りは、都電乗り場のようです。
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乗り場の案内表示(右端)もありました。
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都電が到着して、乗り込む人たち。正面に見える白色の円形の建物は、「日本劇場(日劇)」です。
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この交差点で長いことフィルムが回されますが、銀座周辺は本当に絵になりますね。
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このショットは、同じく銀座4丁目交差点を90度、角度を変えて見たところです。右手奥のほうに「松屋銀座」の看板が見えます。一番右手前が「三越」です。
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祭のシーンが再登場。「タイヤ-修理」という店名が郷愁を誘います。右手前に歩いているのは、現在とは制服のカラーが違いますが、警察官です。
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オフィス街、またお祭り、そして飛行機と、秩序なく登場してきますが、ややこしいので割愛します。そして、場面は先ほど出てきた燃料タンクが遠くに見える風景に。その他に見えるのは、通過してく電柱の数々だけ。
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どうやら鉄道車両からの眺めだったようです。駅に到着します。プラットホームに駅員さんらしき姿があります。
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手前の支柱が邪魔で駅名表示が全貌できませんが、「ねむろ(根室)駅」のようです。いきなり北海道です。
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北海道南部を中心とした地図が貼ってあります。
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米国軍人らしき人々。なにやら真剣にミーティングでもしているのかと思いきや、トランプをしているようです。
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しかも、実際に楽しんでいるのではなく、カチンコが入って撮り直しまであります。
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次のシーンでは、慌てて建物から飛び出してくる米国軍人たちの姿が。
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先に走っている人がF-86戦闘機に乗り込みます。北海道だけに、ソ連(現・ロシア)軍の襲撃を想定した訓練の様子でしょうか。
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しばし、不明なシーンや繰り返しのシーンが続くので飛ばして……、場面は国会議事堂を俯瞰で捉えた映像に。こうして眺めると、高い建物が本当に少なかったですね。
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続いてのシーンのメインイベントは……、偶然にも重なったおそば屋さんの出前(手前と、傘を差す人の前と2人います)。現在では、ほとんど見ることのできない風景かと思います。何重にも重ねたそばの器を片手で担ぎながら自転車をこぐという、いわば曲芸(現代なら道路交通法違反かも?)に、米国空軍カメラ陣も釘付けのようです。
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再びカメラは、歌舞伎座前に戻って来ます。歌舞伎座より少し手前に「コロムビアレコード」の看板もありました。現在では考えられない、銀座の昭和通りの交通量です。悠々と車道を横断している人たちがいます。
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再び、銀座辺りが映り込み、映像は開始19:58で街並み紹介のものは終了、残り15分ほどは航空機紹介オンパレードとなります(ソ連軍機を模した模型などが出てきて興味深いです)。
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いかがでしたか? 米国空軍の航空機紹介映像に挟まれて映っていたため、あまり脚光を浴びることがなかった昭和30年代初期の東京銀座・呉服橋・大手町・浅草、それと北海道の根室のカラー映像をお送りしました。約60年前の時代ですが、カラーとなるとそれほど古さを感じさせないのが不思議ですね。引き続き、歴史の1ページを紐解いていければと思います。
(服部淳@編集ライター、脚本家)
【動画】「PARTNERS IN FREEDOM, 06/06/1956 」
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