水木一郎、加山雄三からNight Tempo、藤井風まで2022年の日本の音楽シーンまとめ(40代以上向け)!

2022/12/23 17:00 龍女 龍女

アニメソングの帝王、力尽きる

12月12日、12月6日に水木一郎(1948年1月7日生れ)が肺がんのため亡くなった事が公表された。
享年74。


(水木一郎 イラストby龍女)

1968年の歌手デビューから1971年以降アニメソング中心の歌手活動へ移行した。
アニメソング2年目の1972年に主題歌を歌って、歌手水木一郎の代名詞になったのが
永井豪原作の『マジンガーZ』(作詞:東文彦、作曲・編曲:渡辺宙明)のオープニングテーマ曲である。
ロボットアニメや特撮ものが数多く量産された70年代という時代に恵まれたこともあったが、生涯で1000曲以上の主題歌挿入歌を歌った。

筆者は、コサキン(ピン芸人の小堺一機と関根勤のユニット名)の一連のラジオ番組のリスナーなので、番組内で『マジンガーZ』と『バロム1』は散々聴いた。
コサキンの番組では、絶叫系の歌手の歌う楽曲が『コサキンソング』として取り上げられることが多い。
実は、水木一郎が歌ったアニメソングを英語版で他の歌手に依頼したことがあったらしい。
同じく番組で取り上げられることが多かったトム・ジョーンズ(1940年6月7日生れ)だったのだが、あまりに歌い方が独特であったらしく断ったらしい。

しかしこのことに見られるように、アニメソングは日本で生れた音楽ジャンルである。
恐らくこの功績で、水木一郎は
世界で一番知られている日本人歌手になったようだ。
その証明はWikipediaの他の言語版の数で分る。
昭和の日本で国民的大歌手と言えば美空ひばり(1937~1989)である。
その美空ひばりが27、水木一郎が92とおよそ3倍の数である。
歌手としての技量はともかく、いかにアニメソングが世界中で聴かれたか?
その証明にはなると思う。

しかし、多量の飲酒が美空ひばりの歌手生命を縮めたと同様に、全盛期の70~80年代にあまりに数多くの楽曲を歌ったことは、晩年の水木一郎の喉をかれさせてしまったかもしれない。
特に90年代以降は後輩の歌手や同時期にアニメソングを歌った
ささきいさお(1942年5月16日生れ)
アニメソングの女王堀江美都子(1957年3月8日生れ)とのイベントなど、多忙を極めた。

今年の7月に肺がんを公表した。
11月27日のよみうり大手町ホールの堀江美都子とのジョイントコンサートが最後のステージになった。
実は12月2日に『マジンガーZ』の作曲者渡辺宙明(1925年8月19日~2022年6月23日)の追悼コンサートに出演予定があったが、かなわなかった。

後身を育てることにも積極的で、「アニキ」との愛称で呼ばれた偉大な歌手は、最後までステージにこだわったそうである。

ちなみに、筆者が一番好きな水木一郎の歌は『ルパン三世 愛のテーマ』(作詞:千家和也、作曲:大野雄二)である。

お疲れ様でした。
あらためてご冥福を祈ります。

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