ラジカセにカーステレオ…「ファンシー絵みやげ」で振り返るカセットテープ(2/2)

2017/4/7 12:00 山下メロ 山下メロ


■ カセットインデックスとインレタ

カセットテープの関連商品といえば、カセットインデックスが挙げられます。カセットテープを入れるプラスチックのケースにはカセットの下に紙を敷いて、収録曲やタイトルを書けるようになっているのですが、そこにあらかじめデザインされた罫線が引かれていたたり、イラストが大きくプリントされていたりするものです。単体で市販される他、イラストレーター鈴木英人さんの表紙で有名な『FM STATION』をはじめとする雑誌の付録でも定番でした。ファンシー絵みやげにはカセットインデックスもあります。


↑観光地で売られていたファンシー絵みやげであり、土産店にカセットケースとインデックスが置いてあったのです!こちらはMOTHER GOOSE NO MORI(マザーグースの森)というメーカーのMACHIZOHという猫のキャラクター。

このようにインデックスの他に、カセットケースにあらかじめキャラクターがプリントされているという商品もありました。


↑裏側には、このように収録曲を書くための罫線が引いてある。

カセットインデックスで欠かせないのがインスタントレタリングことインレタです。カセットインデックスとセットで売られていることもありました。これを使うと簡単にキレイなレタリング文字をインデックスに転写することができるのです。簡単にとは言っても、非常に根気のいる作業なのですが、当時は頑張ってキレイなインデックスを作っていました。


↑これがインレタである。こんなに小さな文字を1つずつ、同じ高さで等間隔に並べていくのはとても大変な作業だった。

特に大好きな人のために「MERO’s SELECTION FOR 〇〇CHAN☆」みたいな恥ずかしいタイトルのテープを編集して渡す場合には気合いを入れてインデックスを選び、字が下手なのを隠すためにインレタで体裁よく仕上げたものでした。


↑裏側に使用方法が書かれている。

■ カセットテープの変化

ファンシー絵みやげの時代には陳腐化していたカセットテープですが、インデックスやインレタで各自がカスタマイズする以外にも変化がありました。片側だけ透明だったケースは全体が透明になり、さらにスリムケースが登場しました。カセットも、最初は真ん中の窓だけが透明だったところから少しずつ透明の部分が増えていき、そして全体が透明になり、広範囲にデザインを印刷したものが登場するなど、こちらも変化してきました。この柔軟さこそが長きに渡り愛されている原因ではないでしょうか。

中でも私は、後期に出てきた全体が半透明で乳白色のカセットテープを重点的に保護しておりますので、不要品をお持ちの方はご連絡くださいませ。


↑こんな感じで、ちょっとだけ透けているというファンシー文具にも通じるカセットテープ。

最後に私が一番キてると思うカセットテープを紹介します。


↑ケースも本体も蛍光色でラベルはキツめのピンクというぶっ飛んだデザイン。

では、また次回。

(文と写真:山下メロ“院長”)

■ 保護のお願い

私は全国の観光地で保護活動を行っていますが、現地から消滅したファンシー絵みやげについては、皆様の家に残されたものが頼りです。もしご実家などの学習机の引き出しの中に眠っているものなどが見つかりましたら、是非ともご一報ください。ハッシュタグ #ファンシー絵みやげ での報告も待ってます。

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