【戦後8ヵ月】神戸大空襲で破壊し尽くされた街並みが衝撃的
どうも服部です。昭和の動画を紐解いていくシリーズ、今回はこの記事を配信する日が、1945年(昭和20年)3月17日の神戸大空襲の日に重なることもあり、その翌年、1946年4月に米軍によって撮影された神戸の映像を取り上げました。
神戸とその周辺地域は128回にわたって空襲を受け(東京は130回、大阪は33回なのでいかに多いかが分かります)、そのうち1945年3月17日、5月11日、6月5日の3回が三大空襲とされています。3月17日は夜間に空襲され、神戸の西半分が焼失、5月11日は航空機の製作所が目標に、6月5日は神戸への最大の空襲で、神戸の東半分が焼失しました。ちなみに、2015年に亡くなった作家・野坂昭如氏の直木賞受章作「火垂るの墓」は、この6月5日の空襲によってもたらされる悲劇を描いたものです。
映像は、日本における空爆の被害状況を調査したUSSBS(米国戦略爆撃調査団)によって撮影されたカラーフィルムです。約22分ほどの映像のうち、ほとんどが被災物件をただただ撮影したものとなります。※映像はページ下部にあります。
焼け残った、山手地区の神戸ムスリムモスク(回教教会)のようです。
撮影メモによると、こちらは阪急三宮駅です。
同駅をアップにして見ると、上の方の階は焼けて窓もなくなった状態のようです。
無事焼け残った民家でしょうか。右の民家の前には子供たちの姿も。
ほとんどが空き地になったまま。戦後8ヵ月経ってもこのような状態だったのですね。
ぽつんと土蔵が1軒残っているのが印象的です。
鉄道の高架以外はほぼ焼き尽くされています。
破壊された3階建ての建物と、その内部を映したものです。
この映像で一番はっきり映るカチンコがこちら。場所はKOBE、年数は入っていませんが、4月22日となっています。
撮影メモによると「Meishin Grade School」とのこと。「神戸市立 明親小学校」でしょうか。
ゴム工場跡が映されると、カメラの前を一人の男性が通り過ぎていきいます。建物ばかりが映る中、人が登場するとなごみます。
「劇場地区」と取材メモで紹介されているエリアです。昭和30年代半ばにおいて神戸の中心的市街地だった「新開地」でしょうか。
ややボヤけていますが、アップにすると大勢の人で賑わっているのが見えます。
街中を走る米軍のトラックと思われる自動車。
屋根がなくなっている建物の前で大八車を引く男性の姿。
前面だけが残る建物まえを歩く人々。一番右の女性は大きなリュックを背負ってます。
四大財閥の1つ、住友の「井桁マーク」が付いた建物があります。工場でしょうか。手前には朽ちたドラム缶のようなものが見えます。
男性が大きなゴムタイヤの付いた荷車を引いてます。
こちらは撮影メモによると、新開地にあった劇場、「聚楽館(しゅうらっかん)」のようです。戦後は進駐軍専用の劇場として利用されていたそう。1978年(昭和53年)に閉館。
「神戸の歓楽街」と撮影メモに記載されている場面です。新開地でしょうか。建物はまだまだ崩壊状態が続きますが、人々の活気は戻って来ているようです。
高台から撮影された港の様子。船が一隻見えます。
港の手前を蒸気機関車が黒煙を吐き出し走行していきます。
続いては港に移動。アメリカの船から小麦を荷下ろししているところだそうです。
その小麦をトラックの荷台に載せ替えています。
ラストは、未成年と思われる男性が測量をしているシーン。
このフィルムでは一番鮮明に映っています。測量者を中心に捉えていますが、その周囲をゆく歩行者たちに目が行きます。
前出の人通りの多い道に比べると、身なりが奇麗な人が目立ちます。
引き続き、歴史の1ページを紐解いていければと思います。
(服部淳@編集ライター、脚本家)
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