『オレたちひょうきん族』から『ザ・マスクド・シンガー』まで!?海外から輸入された番組形式が日本で成功する秘訣とは?

2021/10/13 22:00 龍女 龍女

③クイズ・ダービー


(「巨泉のクイズダービー」と番組名を言って、オープニングトークをする大橋巨泉 イラストby龍女)

大橋巨泉(1934~2016)はジャズ評論家を振り出しに放送作家からテレビタレントとして司会者で有名になったマルチの才能を持った人物である。

出場者は2人で1組である。3組で争う。
出走馬に見立てた5人の解答者の中からクイズに正解すると思う人物1人に自分の持ち点を賭け、得点を増やしていく。
競馬方式のクイズ番組であった。

カナダで放送された『セレブリティー・ステークス』と言う番組が元になっているらしいが、資料になりそうな映像が見つからなかった。
諦めかけていたが、画像だけは見つかった。その画像によると、タイトルは『セレブリティ・スウィープステークス』と書かれていた。
1年ほどで終わった番組であるらしい。
画像を観ただけでも、最初は回答者の数が6人でしかもルールが複雑だったそうで、日本で改良を重ねた結果、ルールを単純化して長寿番組に繋がったことがよく分かる。

大橋巨泉の司会者としてのスタイルは、軽妙なアメリカンジョーク混じりの雑談が面白くない。
アメリカンジョークはつまらないと言うイメージは、デーブ・スペクターと大橋巨泉が植え付けたかもしれない。
彼の司会のスタイルはビビる大木に受け継がれている気がする。
しかし、大橋巨泉の口調をきくと、巨泉というタレントの名前が俳号から由来しているので、江戸の俳句が持っている諧謔がジャズなどのアメリカの音楽のリズムと結びついたモダンな下町の文化人の香りがする。
とんねるずの石橋貴明がよくモノマネしたクイズ番組でもある。
筆者も未だに
「はらたいらに全部」(出場者が最終問題の時に正解率の高い回答者の漫画家はらたいらに残りの持ち点を全て賭けるときの台詞)
「倍率ドン。更に倍」(最終問題の時の大橋巨泉のかけ声)
は日常では言わないが言いたくなる台詞に挙げたい。


これらの番組は、オリジナルの番組と比べると、日本オリジナルの細部の変更が可能であった。
しかし次に紹介する番組は、平成を代表するクイズ番組の一つと言っても過言では無い。
細部もそのままにする傾向に変わってきた。
その代表例を観ていこう。

    次へ

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6