【秋のおススメ近代日本画展】3つの美術館でたどる巨匠たちの軌跡

2018/10/2 21:00 yamasan yamasan
今年は明治150年、そして明治元年に生まれた横山大観の生誕150年。 生誕150年を記念して開催された「横山大観展」(東京と京都の国立近代美術館で開催)はじめ、近代日本画の展覧会が数多く開催されて、近代日本画ファンにとってとてもうれしい1年でした。

今年も残すところあと3ヶ月ですが、この秋にも近代日本画の展覧会がいくつも開催されるので、楽しみはまだまだ続きます。

私の横山大観コレクション。
横山大観といえば富士。そこで家のリビングには横山大観の富士を飾っています。(もちろん複製です 笑)


そこで今回はこの秋おススメの展覧会を紹介して、みなさまを近代日本画の世界にご案内したいと思います。
どの展覧会もとても素晴らしい内容です。こんなに恵まれた年もこれからしばらくはないかもしれません。

今まで近代日本画とはあまり縁がなかったアートファンの方も、この機会に近代日本画の世界を訪れてみてはいかがでしょうか。

1 泉屋博古館分館「狩野芳崖と四天王~近代日本画、もうひとつの水脈」
会  期   9月15日(土)~10月28日(日)
休館日   月曜日(ただし10月8日(月・祝)は開館、10月9日(火)は休館)
開館時間  10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料 一般 800円、大高生600円、中学生以下無料 他
ギャラリートークやロビー・コンサートも開催されます。詳細は同館ホームページでご確認ください。→泉屋博古館分館



明治維新のあと、日本の近代化が進む中、西洋の遠近法を取り入れるなど日本画の近代化に取り組んでいた画家の中でも、明治前期に中心的な存在だったのは狩野芳崖橋本雅邦

この2人は、フェノロサや岡倉天心とともに新たな日本画をめざした東京美術学校(現 東京藝術大学)の設立に尽力しました(東京美術学校の設立は明治20(1887)年、開校は明治22(1889)年)。

展覧会のタイトルは「狩野芳崖と四天王」ですが、狩野芳崖と橋本雅邦の作品が5~6点ほど、ほぼ同数が並んで展示されているので、明治前期の2人のスーパースターの競演が楽しめます。

続いて、狩野芳崖の4人の弟子、さらには彼らと同じく東京美術学校で学んだ横山大観下村観山菱田春草西郷弧月木村武山の作品が展示されています。彼らは明治後期以後のスターたちです。

詳しくは内覧会の様子をブログにアップしていますので、こちらもご覧になっていただければと思います→泉屋博古館分館「狩野芳崖と四天王」ブロガー内覧会

会期は10月28日(日)までですが、展示替えがあって、前期は10月8日(月)までです。横山大観の作品2点は前期のみの展示になるのでお早めに!

後期は10月10日(水)から28日(日)まで。後期には狩野芳崖の三大名画《悲母観音》、《不動明王》(以上、重要文化財 東京藝術大学)、《仁王捉鬼図》(東京国立近代美術館)が一挙公開されます。
後期も楽しみです!

2 山種美術館「[企画展]日本美術院創立120年記念 日本画の挑戦者たち-大観・春草・古径・御舟-」
会  期   9月15日(土)~11月11日(日)
休館日   月曜日(ただし10月8日(月・祝)は開館、10月9日(火)は休館)
開館時間  10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料 一般 1000円、大高生800円、中学生以下無料 きもの・ゆかた割引あり 他
ギャラリートークが開催されます。詳細は同館ホームページでご確認ください。→山種美術館



この展覧会では、狩野芳崖、橋本雅邦の作品にはじまり、岡倉天心の日本美術院設立(明治31(1898)年)に参加した横山大観、下村観山、菱田春草、木村武山、そして、大観らの次の世代、今村紫紅小林古径速水御舟、さらには現代でも活躍している画家まで、山種美術館のコレクションで日本美術院120年の軌跡をたどることができます。

こちらも展覧会の様子をブログにアップしています→山種美術館「日本画の挑戦者たち」特別内覧会

3 講談社野間記念館
「野間コレクションの白眉 横山大観と再興院展の仲間たち展」

会  期  9月8日(土)~10月21日(日)
休館日  月・火曜日(祝休日の場合は水曜日以降に振替) 10月10日(水)は休館
開館時間  10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料 一般 500円、学生 300円、小学生以下無料 

「季節を映す、生命への称揚。 近代日本の花鳥画展」
会  期   10月27日(土)~12月16日(日)
休館日   月・火曜日(祝休日の場合は水曜日以降に振替)
開館時間  10:00~17:00(入館は16:30まで)
入館料 一般 500円、学生 300円、小学生以下無料 

詳細は同館ホームページでご確認ください。→講談社野間記念館



岡倉天心が逝去した翌年の大正3(1914)年、横山大観らは休眠状態だった日本美術院を再興して日本美術院再興記念展覧会を開催しました。それが再興院展の第1回で、途中、戦争による中断を経て、今年には第103回を迎えました。
今回の展覧会では、横山大観の作品と、再興院展で大観と同時代に活躍した画家の作品が展示されています。

チラシの表面(下の写真)にある横山大観《千与四郎》に描かれた若き日の千利休のふっくらとした顔がかわいいです。


チラシの裏面の作品はすべて横山大観!


その次の展覧会が「近代日本の花鳥画展」。こちらも楽しみです。




さて、かけ足でこの秋おススメの近代日本画展を紹介してきましたが、いかがだったでしょうか。
この3つの美術館を回れば、明治維新以降の近代日本画の軌跡をほぼ年代順にたどることができます。
ぜひ訪れていただいて、名品の数々をご覧になっていただければと思います。
そしてみんなで近代日本画を盛り上げていきましょう!

(関連コラムのご紹介)
この秋はアートファンにとってはうれしい悲鳴をあげたくなるくらい、行きたい展覧会が盛りだくさん。
西洋絵画や仏像展のレビューはこちらが参考になります。いまトピアート部 KINさんのコラムです。

芸術の秋、何を観たら良い?東京のオススメ展覧会12選。殿堂入り?仏像展が凄い?
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6280.html

京都・奈良のこの秋おススメの展覧会はこちらで紹介しています。私のコラムです。

京都・奈良 この秋、気になる美術展めぐり
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6184.html

近代日本画についてもコラムを書いています。

近代日本画三部作

近代日本画の世界へようこそ
https://ima.goo.ne.jp/column/article/5696.html

日本美術の聖地・五浦へ
https://ima.goo.ne.jp/column/article/5715.html

初夏のヨコハマ、おススメ散策&美術展ガイド~近代日本画の足跡を訪ねて五浦から横浜へ~
https://ima.goo.ne.jp/column/article/5839.html