芸術の秋、何を観たら良い?東京のオススメ展覧会12選。殿堂入り?仏像展が凄い?

2018/9/24 12:36 KIN KIN

芸術の秋ですね。秋は魚も美味しいし、野菜やきのこ、果物も旬の物が多いですね。日本酒もひやおろしが出てくる季節ですね。誰が何と言っても芸術の秋ですよね。

さて、この秋に開催される東京の展覧会を西洋美術、日本美術、現代アート・建築とジャンル別にオススメしてみます!素晴らしい展覧会ラッシュのこの秋、あなたは何を見ますか?




【西洋美術のオススメ展覧会】

西洋美術は以前より話題になっていた展覧会がこの秋に開催されます。なんと、上野でフェルメールとルーベンスとムンクを同じ時期に別の展覧会で見ることが出来るとは!この3つの展覧会が揃うのは今年の美術ネタ殿堂入り間違いなしです。それ以外にもオススメ展覧会はあります。以下には取り上げていませんが東京国立博物館で開催される「マルセル・デュシャンと日本美術」(2018/10/2-12/9)もデュシャンの作品と日本美術、利休や浮世絵や絵巻などとを比べる展覧会で楽しみです。




オルセー美術館特別企画 ピエール・ボナール展
http://bonnard2018.exhn.jp/
国立新美術館
2018/9/26-12/17

実は話題の3展よりもアート好きの中で注目を浴びているのがこのボナール展では無いでしょうか?最近話題のナビ派の画家たち。そのなかでも日本かぶれのナビ派と呼ばれた浮世絵大好きなボナールの作品がオルセー美術館から一挙来日。個人的には初期のポスターや挿絵などのデザイナーとしての作品が気になります。





フェルメール展
https://www.vermeer.jp/
上野の森美術館
2018/10/5-2019/2/3

とても話題になっているこのフェルメール展。現存作が35点と言われているフェルメール作品のうち東京展には8点+1点(←先日追加決定)来日します。注意は時期によって入れ換えもあるため1回でまとめて見ることが出来るのは東京では最大8点だということ。一つの部屋でフェルメール作品に囲まれる幸せ。日時指定入場制なので行列も避けられます。展覧会ナビゲーター女優 石原さとみの音声ガイドが無料で付いてくると言うのも嬉しいです。





ルーベンス展
http://www.tbs.co.jp/rubens2018/
国立西洋美術館
2018/10/16-2019/1/20

バロック様式の代表的な画家ルーベンスの展覧会。アニメ「フランダースの犬」で最終回ルーベンスの絵の前で永い眠りに付くネロとパトラッシュは有名です。その大聖堂の祭壇画が来日するわけではありませんが、後に「王の画家にして画家の王」と呼ばれたルーベンスと影響を受けたイタリアの芸術家たちを紹介する展覧会は必見です。





ムンク展
https://munch2018.jp/
東京都美術館
2018/10/27-2019/1/20

ムンク展、なんとあの≪叫び≫が来日です。フェルメール展が日時指定制をとって混雑回避しているのもあり、秋の展覧会のうちこれが一番混雑するかもしれません。知名度なども考えると早めに行く方が良いでしょう。版画も含めた100点全てがムンク作品の展覧会です。複数バージョンがある≪叫び≫のうち今回来日するのは油彩・テンペラによるもので初来日。一つ小ネタですが、この≪叫び≫、中央の人は叫んでいるのではなく、周りの自然環境の叫びから耳を塞いでいるのです。





フィリップス・コレクション展
https://mimt.jp/pc/
三菱一号館美術館
2018/10/17-2019/2/11

全部巨匠!と言うキャッチフレーズの通り、ピカソやゴッホ、モネなどの作品が並びます。フィリップスというコレクターの目で選ばれた作品たちは見応えあるものばかりでしょう。三菱一号館美術館の内装で観るコレクションの展示はきっとフィリップス邸に招かれているような気分で見ることが出来そうです。




【日本美術のオススメ展覧会】

さて、今年の秋は仏像関連の展覧会が目を惹きます。三井記念美術館・サントリー美術館・東京国立博物館の3館で質の高い仏像展が同じ時期に開催。これは今年の美術ネタ裏殿堂入りかもしれません!以下に取り上げていないものとしては出光美術館での「仙厓礼讃」(2018/9/15-10/28)、山種美術館で日本美術院創立120年を記念した「日本画の挑戦者たち ―大観・春草・古径・御舟―」(2018/9/15-11/11)、東京ステーションギャラリーでの「横山華山」展(2018/9/22-11/11)なども注目です。





仏像の姿(かたち)~微笑む・飾る・踊る~
http://www.mitsui-museum.jp/index.html
三井記念美術館
2018/9/15-11/25

仏像展、はじめにスタートを切ったのが仏像の「かたち」に注目したこの展覧会です。仏像のさまざまな表情や姿を分類して、動きやポーズに表わされた意味などを発見できる展示。やわらかな微笑み、ダイナミックな動き、様々な視点から仏像を観ることで、人が仏像に惹かれる理由がわかるかもしれまぜん。





京都・醍醐寺-真言密教の宇宙-
http://daigoji.exhn.jp/
サントリー美術館
2018/9/19-11/11

真言宗醍醐派の総本山である醍醐寺の仏像や仏画の展覧会です。伝えられた密教美術の数々、中でも国宝の《薬師如来および両脇侍像》は必見。前期に展示される俵屋宗達による屏風も気になります。会期中なんどかの展示換えをするので見たい作品がある場合は事前に要チェック。《薬師如来および両脇侍像》は全期間展示です。





京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ
https://artexhibition.jp/kaikei-jokei2018/
東京国立博物館
2018/10/2-12/9

大報恩寺に伝わる快慶をはじめとする慶派の名品を見ることが出来る展覧会です。昨年、奈良で開催されていた快慶展を見逃して残念な思いをした東京の人、今年のこれは見逃せません。快慶、定慶など慶派の造った仏像たち、昨年、この東京国立博物館で開催されていた運慶展を観た人は違いを比べてみるのも良いと思います。





生誕110年 東山魁夷展
http://kaii2018.exhn.jp/
国立新美術館
2018/10/24-12/3

秋の日本美術の展覧会で一番注目なのはこれではないでしょうか?東山魁夷の絵は私は何度も見ていますが、何度も観ても美しく、見るたびに好きになります。あの独特の青い色。湖畔の白い馬。魁夷の絵を好きな人は多いでしょう。今回の展覧会の見どころは何と言っても唐招提寺御影堂障壁画の再現展示。構想から10年かけて完成させたこの絵は、現在御影堂の修理によりあと数年は現地で見ることが出来ないということですので、今回の展覧会がチャンスです!




【現代アート・建築のオススメ展覧会】

現代アートや建築展のおすすめ3展ほど紹介します。また以下に挙げていないものでデザイン関連の展示ではありますが世田谷美術館の「ブルーノ・ムナーリ―役に立たない機械をつくった男」(2018/11/17-2019/1/27)も頭を柔らかくしたい人にオススメ。





リー・キット展
http://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/
原美術館
2018/9/16-12/24

日本の美術館では始めての個展になります。現代アート作家のリー・キットはこの建物に合せたインスタレーション作品を作り上げています。この建物を感じ、何を作り上げていくのか。ここでしか見ることの出来ない作品が生まれているのではないでしょうか?気づかずに通り過ぎそうになる、でも気づくと空間全体が作品として成り立っていた、そんな世界観を持つ作家です。





カタストロフと美術のちから展
https://www.mori.art.museum/jp/
森美術館
2018/10/6-2019/1/20

「カタストロフ(大惨事)」をテーマに様々な現代アート作家の作品が展示されます。震災を意識した作品を制作したChim↑Pom、トーマス・デマンド、池田学など。オノ・ヨーコや宮島達男に、畠山直哉などのベテラン作家だけでなく若手作家までを取り上げているようです。現代アートファン必見の展覧会です。





田根 剛 Archaeology of the Future
https://www.operacity.jp/ag/
東京オペラシティアートギャラリー
2018/10/19-12/24

建築ファン注目の展覧会です。フランスを拠点に活動をする建築家 田根剛の初個展。Dorell.Ghotmeh.Tane/Architectsとしてエストニア国立博物館の国際コンペに勝利し、最近では21_21 DESIGN SIGHT「建築家 フランク・ゲーリー "I Have an Idea"」展のディレクターも務めています。2014年に青山スパイラルで行われたシチズン「LIGHT is TIME」のインスタレーション(元はミラノサローネで発表したもの)、無数の時計の基盤を吊り下げた展示は話題になりました。この東京オペラシティアートギャラリーの展覧会と同時開催でギャラリー間でも同タイトルで田根 剛展(10/18-12/23)を実施しているので併せてみたいところです。




ちなみに、この秋の奈良・京都の展覧会案内はこちらが参考になります。

京都・奈良 この秋、気になる美術展めぐり
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6184.html


一部会期終了したものもありますが参加型ミュージアムで芸術の秋を楽しむのも。

もう体験した? 未知の世界を一気にひらく! 【参加型ミュージアム4選】
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6078.html


オススメ展の一つルーベンス展についてはこちらのコラムも参考になります。

大きなルーベンス、かわいいルーベンス、そして気になる「ルーベンス展」(バイエルン美術紀行2)
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6019.html

これはもう“事件”!?「ルーベンス展」開催で、あの名作アニメ「フランダースの犬」放送決定!
https://ima.goo.ne.jp/column/article/5804.html



東京に絞ってオススメ展覧会を12選してみました。もし気になる展覧会があれば芸術の秋を是非お楽しみ下さい。これ以外にも素敵な展覧会はたくさんありますし、東京近郊や他の地域に足をは運ぶのも良い季節。また、読書の秋、スポーツの秋や行楽の秋も良いですね。ついでに食欲の秋もセットで楽しみましょう!日本酒のひやおろしの季節……。