初夏のヨコハマ、おススメ散策&美術展ガイド~近代日本画の足跡を訪ねて五浦から横浜へ~
こんにちは、yamasanです。
あっという間に過ぎてしまったゴールデンウィーク、みなさんはどのように過ごされましたでしょうか。
私は特に遠出はしませんでしたが、GW前半も後半も美術展めぐりをして、美術三昧の日々を送っていました。
そこで今回は、GWに行った美術展の中から、近代日本画とのかかわりを中心にセレクトして、初夏のヨコハマをご案内したいと思います。
はじめに訪れたのは横浜の実業家・原三溪(本名 富太郎)が造った横浜・本牧の三溪園。
原三溪は、岡倉天心の推薦もあって明治末期ごろから近代日本画の若手画家を支援しました。
天心は大正2年(1913年)に50歳でその生涯を閉じているので、まるで天心から引き継ぐかのように原三溪は若手画家を支援しはじめたのです。
(横山大観、菱田春草、下村観山、木村武山が岡倉天心とともに北茨城の五浦に移り住んだところまでは前々回のコラム「日本美術の聖地・五浦へ」をご参照ください。今回はこの続編です。)
原三溪の支援の様子は、「近代日本画の聖地・五浦」で紹介した古田亮さんの著書『俵屋宗達』(2010年 平凡社新書)で、こう紹介されています。
「・・・三溪は経済的な援助とともに、紫紅ら若手画家に対しては自分の収集した古美術品を惜しみなく供覧していた。三溪が紫紅を知ったのは一九一一年(明治四十四)、第五回文展出品の《護花鈴》に心奪われた三溪がこれを購入したことによる。この前後、天心の推薦もあり、院展の下村観山、安田靫彦、小林古径、前田青邨らを次々と迎え入れていた三溪は、毎月のように彼らを自邸に招き、収集品を鑑賞しながら徹夜で議論したという。」(前掲書P177)
下村観山 重要文化財「弱法師」1915年 東京国立博物館蔵
さらに三溪のコレクションについての記述が続きます。
「三溪のコレクションは、仏画、古絵巻、中国画など多岐にわたったが、そのなかには光琳の《禊図》《孔雀・立葵図屏風》、また宗達の《月に萩下絵巻物》《夕顔扇面》《蓮池水禽図》《佐野渡り》《雨中山水》《二福神》などがあったことがわかっている。」(前掲書P177)
信じられないくらい豪華なコレクション!そして夢のような夜の鑑画会!
五浦組の下村観山、そして観山や大観の次の世代の今村紫紅、安田靫彦、小林古径、前田青邨が、三溪園にあった三溪の自宅でコレクションを鑑賞しながら日本美術について語り明かしていたのです。
しかし、こんな牧歌的な日々は長くは続きませんでした。 大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災で横浜が壊滅的な打撃を受けると、三溪は若手画家たちへの支援を断念し、横浜の復興に全力を注ぐことになります。
それでも三溪の支援は無駄ではありませんでした。
「・・・三溪の院展画家たちへの援助は関東大震災(一九二三年)によって終焉を迎えたが、このことはやがて昭和に入って大きく実を結ぶことに」(前掲書P178)なりました。
関東大震災後、貴重な三溪コレクションも多くは散逸してしまいましたが、残されたコレクションは園内の三溪記念館で定期的に公開されています。
現在展示されている所蔵品展は5月22日(火)までで、原三溪自身の書画、ゆかりの作家、前田青邨《中国所見》、児島一谿《三溪園》、伝海北友松《竹図》(月華殿障壁画)、下村観山《筍》などが展示されています。
また、展示室内には原三溪の略歴や功績などのパネルも展示されているので、こちらもぜひご覧ください。
三溪園は緑が豊かで、京都などから移築された建物もあるので、散策しているだけでも心地よい気分になります。
そしておなかが空いたら茶屋で一休み。
さて、何時間散策していても飽きることのない三溪園ですが、次の目的地、横浜美術館に向かわなくてはなりません。
三溪園からは来た時と同じバスに乗り、桜木町駅で降りて徒歩約10分。途中動く歩道もあります。
横浜駅や桜木町駅と三溪園の位置関係はこういう感じです。左上が横浜駅、右下が三溪園です。
横浜美術館では、現在、コレクション展が開催されていて、原三溪とゆかりの画家の作品が展示されています。
現在開催中のコレクション展は、3つの章立てになっています。
最初の章は「コレクションをつくる。未来へつなぐ-近年の収蔵品より」。
そのうちの一つが「2 原三溪とゆかりの画家」
三溪自身も筆をとって書画を楽しみました。
下の写真の左が原三溪《桃源》。そして右のケースの中は三溪が集めた古美術の名品を編纂集成した画集などを製作した木版画家・川面義雄に送った三溪の書簡。
ケースの上には書簡の要旨や手紙の本文を活字にした展示パネルがあるので、書簡の内容もよくわかるようになっています。ケース内手前の手紙は、小林古径、速水御舟、前田青邨、安田靫彦を箱根・強羅の茶室に誘う内容です。
そして、下村観山《辻説法》。これは観山が東京美術学校在学中の作品です。
三溪は観山を特に気に入り、大正2年(1913年)、三溪園の近くに邸宅を用意して観山を招きました。(実は私も、これでもかというくらい精緻な筆遣いの観山の大ファンです。)
観山は昭和5年(1930年)に58歳で亡くなるまでそこに住み、制作を続けました。
こちらは、観山の弟子たちや観山の子息たちが記した《下村観山画房日記》。
観山の晩年の日常がわかって面白そうです。活字になって出版されたらぜひ読んでみたいです。
二つめの章は「人を描く-日本の絵画を中心に」。
この中で「5 歴史人物画」のコーナーには、三溪ゆかりの今村紫紅、安田靫彦らの作品が展示されています。
そして岡倉天心の薫陶を受けた彫刻家・平櫛田中の《陶淵明(帰去来)》。
一瞬、岡倉天心像かな、と思いましたが、この昭和21年の作品は天心へのオマージュなのでしょうか。同じく平櫛田中作の東京藝術大学の岡倉天心像と顔がよく似ています。
次が「6 物語・説話の人物」
下村観山《弱法師》(上の写真左)は、同名の屏風作品(重要文化財、東京国立博物館所蔵)が好評だったので、それを受けて制作されたと考えられています。
同じく観山の《闍維(じゃい)》。闍維とは僧侶を荼毘に付すことで、ここで荼毘に付されたのは釈迦本人。観山が東京美術学校を追われた師・岡倉天心の失脚をなぞらえたとも指摘されているとの説明があります。
他にもNUDE展との連動企画で裸体画のコーナーや、三章めの「イサム・ノグチと近代彫刻」にはダリやデ・キリコの彫刻もあります。
横浜美術館はコレクション展もとても充実しているので、これからも要チェックです。
現在開催中の展示は6月24日(日)までです。
そしてもう一つ見どころを忘れてはいけません。
そうです、岡倉天心生誕の地です。
現在では横浜市開港記念会館になっていますが、幕末の開港期から明治初年までは、ここに天心の父勘右衛門が支配人をしていた石川屋(越前藩の生糸売込店)があり、文久2年(1863年)天心はここで生まれました。
天心の父は生糸商、原三溪も生糸商、「生糸」が近代日本画の新たな舞台を五浦から横浜に引き寄せたのでしょうか。
横浜開港50周年を記念して大正6年(1917年)に竣工した横浜市開港記念会館は、現在でも公会堂として使用されているため、部屋の内部は見学できませんが、廊下や階段、ステンドグラス等は見学可能時間内(10:00-16:00)に見学することができます。毎月一回の一般公開日もあるので、詳細はこちらをご覧ください。
横浜市開港記念会館は桜木町駅から三溪園に向かうバスの車窓から見ることができます。
三溪園入口からは、市バス8系統に乗って「本町一丁目」バス停で降りて徒歩1分。148系統は急行なので「本町一丁目」バス停は通過してしまうので要注意。
渋谷方面から直接お越しの場合は、みなとみらい線(東急東横線直通)「日本大通り」駅から徒歩1分です。
他にも、約2年間の休館後に再開した神奈川県立歴史博物館 に行ってきました。
5人の若手学芸員が企画した特別展「つなぐ、神奈川県博」。
いろいろなジャンルの館蔵品が展示されていて、楽しい展覧会です。
桜木町駅から徒歩8分、みなとみらい線(東急東横線直通)馬車道駅から徒歩1分ですので、こちらもぜひお立ち寄りください。
さて、初夏のヨコハマの散策&美術展はいかがだったでしょうか。
梅雨に入る前のすがすがしい季節にぜひヨコハマにお越しになってください。
【近代日本画の美術展情報】
東京藝術大学大学美術館で開催されていた「東西美人画の名作-上村松園《序の舞》への系譜」はご覧になられましたでしょうか。
修理後はじめて一般公開された《序の舞》は見事にきらめいていました。
「東西美人画の名作」は終わってしまいましたが、「西の上村松園」と双璧をなした「東の鏑木清方」の美人画は古都・鎌倉で見ることができます。
あっという間に過ぎてしまったゴールデンウィーク、みなさんはどのように過ごされましたでしょうか。
私は特に遠出はしませんでしたが、GW前半も後半も美術展めぐりをして、美術三昧の日々を送っていました。
そこで今回は、GWに行った美術展の中から、近代日本画とのかかわりを中心にセレクトして、初夏のヨコハマをご案内したいと思います。
はじめに訪れたのは横浜の実業家・原三溪(本名 富太郎)が造った横浜・本牧の三溪園。
三溪園
開園時間 9:00~17:00(入場は16:30まで)
入園料 大人(高校生以上)700円、こども(小中学生)200円ほか
休園日 12月29日、30日、31日
アクセス
横浜駅東口2番のりばから市バス8系統か148系統で約35分、三溪園入口
下車徒歩約5分、または土・日・祝日のみ運行の「ぶらり三溪園BUS」で約45
分、 三溪園下車(正門のすぐ横)。
上記のバスは桜木町駅も通るので、桜木町駅2番のりばから乗車することも
できます。
花暦や行事のご案内
四季折々の花やイベント等のご案内は三溪園ホームページでご確認くださ
い。
5月25日(金)~6月3日(日)までは「蛍の夕べ」が開催されて午後8時30分
まで入園できます(閉園午後9時)。
開園時間 9:00~17:00(入場は16:30まで)
入園料 大人(高校生以上)700円、こども(小中学生)200円ほか
休園日 12月29日、30日、31日
アクセス
横浜駅東口2番のりばから市バス8系統か148系統で約35分、三溪園入口
下車徒歩約5分、または土・日・祝日のみ運行の「ぶらり三溪園BUS」で約45
分、 三溪園下車(正門のすぐ横)。
上記のバスは桜木町駅も通るので、桜木町駅2番のりばから乗車することも
できます。
花暦や行事のご案内
四季折々の花やイベント等のご案内は三溪園ホームページでご確認くださ
い。
5月25日(金)~6月3日(日)までは「蛍の夕べ」が開催されて午後8時30分
まで入園できます(閉園午後9時)。
原三溪は、岡倉天心の推薦もあって明治末期ごろから近代日本画の若手画家を支援しました。
天心は大正2年(1913年)に50歳でその生涯を閉じているので、まるで天心から引き継ぐかのように原三溪は若手画家を支援しはじめたのです。
(横山大観、菱田春草、下村観山、木村武山が岡倉天心とともに北茨城の五浦に移り住んだところまでは前々回のコラム「日本美術の聖地・五浦へ」をご参照ください。今回はこの続編です。)
原三溪の支援の様子は、「近代日本画の聖地・五浦」で紹介した古田亮さんの著書『俵屋宗達』(2010年 平凡社新書)で、こう紹介されています。
「・・・三溪は経済的な援助とともに、紫紅ら若手画家に対しては自分の収集した古美術品を惜しみなく供覧していた。三溪が紫紅を知ったのは一九一一年(明治四十四)、第五回文展出品の《護花鈴》に心奪われた三溪がこれを購入したことによる。この前後、天心の推薦もあり、院展の下村観山、安田靫彦、小林古径、前田青邨らを次々と迎え入れていた三溪は、毎月のように彼らを自邸に招き、収集品を鑑賞しながら徹夜で議論したという。」(前掲書P177)
下村観山 重要文化財「弱法師」1915年 東京国立博物館蔵
さらに三溪のコレクションについての記述が続きます。
「三溪のコレクションは、仏画、古絵巻、中国画など多岐にわたったが、そのなかには光琳の《禊図》《孔雀・立葵図屏風》、また宗達の《月に萩下絵巻物》《夕顔扇面》《蓮池水禽図》《佐野渡り》《雨中山水》《二福神》などがあったことがわかっている。」(前掲書P177)
信じられないくらい豪華なコレクション!そして夢のような夜の鑑画会!
五浦組の下村観山、そして観山や大観の次の世代の今村紫紅、安田靫彦、小林古径、前田青邨が、三溪園にあった三溪の自宅でコレクションを鑑賞しながら日本美術について語り明かしていたのです。
しかし、こんな牧歌的な日々は長くは続きませんでした。 大正12年(1923年)9月1日に発生した関東大震災で横浜が壊滅的な打撃を受けると、三溪は若手画家たちへの支援を断念し、横浜の復興に全力を注ぐことになります。
それでも三溪の支援は無駄ではありませんでした。
「・・・三溪の院展画家たちへの援助は関東大震災(一九二三年)によって終焉を迎えたが、このことはやがて昭和に入って大きく実を結ぶことに」(前掲書P178)なりました。
関東大震災後、貴重な三溪コレクションも多くは散逸してしまいましたが、残されたコレクションは園内の三溪記念館で定期的に公開されています。
現在展示されている所蔵品展は5月22日(火)までで、原三溪自身の書画、ゆかりの作家、前田青邨《中国所見》、児島一谿《三溪園》、伝海北友松《竹図》(月華殿障壁画)、下村観山《筍》などが展示されています。
また、展示室内には原三溪の略歴や功績などのパネルも展示されているので、こちらもぜひご覧ください。
三溪園は緑が豊かで、京都などから移築された建物もあるので、散策しているだけでも心地よい気分になります。
そしておなかが空いたら茶屋で一休み。
さて、何時間散策していても飽きることのない三溪園ですが、次の目的地、横浜美術館に向かわなくてはなりません。
三溪園からは来た時と同じバスに乗り、桜木町駅で降りて徒歩約10分。途中動く歩道もあります。
横浜駅や桜木町駅と三溪園の位置関係はこういう感じです。左上が横浜駅、右下が三溪園です。
横浜美術館では、現在、コレクション展が開催されていて、原三溪とゆかりの画家の作品が展示されています。
横浜美術館
開館時間 10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日 木曜日、年末年始
観覧料 企画展 展覧会ごとに異なります。
現在開催中の企画展はヌード NUDEです。
展覧会の様子は弐代目・青い日記帳「ヌード NUDE」
をご覧ください
コレクション展 一般500円、高校生・大学生300円、中学生100円
小学生以下無料ほか
アクセス
桜木町駅から〈動く歩道〉を利用して徒歩10分
渋谷方面から直接お越しの場合は、みなとみらい線(東急東横線直通)「みなと
みらい」駅から徒歩5分
開館時間 10:00~18:00(入館は閉館の30分前まで)
休館日 木曜日、年末年始
観覧料 企画展 展覧会ごとに異なります。
現在開催中の企画展はヌード NUDEです。
展覧会の様子は弐代目・青い日記帳「ヌード NUDE」
をご覧ください
コレクション展 一般500円、高校生・大学生300円、中学生100円
小学生以下無料ほか
アクセス
桜木町駅から〈動く歩道〉を利用して徒歩10分
渋谷方面から直接お越しの場合は、みなとみらい線(東急東横線直通)「みなと
みらい」駅から徒歩5分
現在開催中のコレクション展は、3つの章立てになっています。
最初の章は「コレクションをつくる。未来へつなぐ-近年の収蔵品より」。
そのうちの一つが「2 原三溪とゆかりの画家」
三溪自身も筆をとって書画を楽しみました。
下の写真の左が原三溪《桃源》。そして右のケースの中は三溪が集めた古美術の名品を編纂集成した画集などを製作した木版画家・川面義雄に送った三溪の書簡。
ケースの上には書簡の要旨や手紙の本文を活字にした展示パネルがあるので、書簡の内容もよくわかるようになっています。ケース内手前の手紙は、小林古径、速水御舟、前田青邨、安田靫彦を箱根・強羅の茶室に誘う内容です。
そして、下村観山《辻説法》。これは観山が東京美術学校在学中の作品です。
三溪は観山を特に気に入り、大正2年(1913年)、三溪園の近くに邸宅を用意して観山を招きました。(実は私も、これでもかというくらい精緻な筆遣いの観山の大ファンです。)
観山は昭和5年(1930年)に58歳で亡くなるまでそこに住み、制作を続けました。
こちらは、観山の弟子たちや観山の子息たちが記した《下村観山画房日記》。
観山の晩年の日常がわかって面白そうです。活字になって出版されたらぜひ読んでみたいです。
二つめの章は「人を描く-日本の絵画を中心に」。
この中で「5 歴史人物画」のコーナーには、三溪ゆかりの今村紫紅、安田靫彦らの作品が展示されています。
そして岡倉天心の薫陶を受けた彫刻家・平櫛田中の《陶淵明(帰去来)》。
一瞬、岡倉天心像かな、と思いましたが、この昭和21年の作品は天心へのオマージュなのでしょうか。同じく平櫛田中作の東京藝術大学の岡倉天心像と顔がよく似ています。
次が「6 物語・説話の人物」
下村観山《弱法師》(上の写真左)は、同名の屏風作品(重要文化財、東京国立博物館所蔵)が好評だったので、それを受けて制作されたと考えられています。
同じく観山の《闍維(じゃい)》。闍維とは僧侶を荼毘に付すことで、ここで荼毘に付されたのは釈迦本人。観山が東京美術学校を追われた師・岡倉天心の失脚をなぞらえたとも指摘されているとの説明があります。
他にもNUDE展との連動企画で裸体画のコーナーや、三章めの「イサム・ノグチと近代彫刻」にはダリやデ・キリコの彫刻もあります。
横浜美術館はコレクション展もとても充実しているので、これからも要チェックです。
現在開催中の展示は6月24日(日)までです。
そしてもう一つ見どころを忘れてはいけません。
そうです、岡倉天心生誕の地です。
現在では横浜市開港記念会館になっていますが、幕末の開港期から明治初年までは、ここに天心の父勘右衛門が支配人をしていた石川屋(越前藩の生糸売込店)があり、文久2年(1863年)天心はここで生まれました。
天心の父は生糸商、原三溪も生糸商、「生糸」が近代日本画の新たな舞台を五浦から横浜に引き寄せたのでしょうか。
横浜開港50周年を記念して大正6年(1917年)に竣工した横浜市開港記念会館は、現在でも公会堂として使用されているため、部屋の内部は見学できませんが、廊下や階段、ステンドグラス等は見学可能時間内(10:00-16:00)に見学することができます。毎月一回の一般公開日もあるので、詳細はこちらをご覧ください。
横浜市開港記念会館は桜木町駅から三溪園に向かうバスの車窓から見ることができます。
三溪園入口からは、市バス8系統に乗って「本町一丁目」バス停で降りて徒歩1分。148系統は急行なので「本町一丁目」バス停は通過してしまうので要注意。
渋谷方面から直接お越しの場合は、みなとみらい線(東急東横線直通)「日本大通り」駅から徒歩1分です。
他にも、約2年間の休館後に再開した神奈川県立歴史博物館 に行ってきました。
5人の若手学芸員が企画した特別展「つなぐ、神奈川県博」。
いろいろなジャンルの館蔵品が展示されていて、楽しい展覧会です。
桜木町駅から徒歩8分、みなとみらい線(東急東横線直通)馬車道駅から徒歩1分ですので、こちらもぜひお立ち寄りください。
さて、初夏のヨコハマの散策&美術展はいかがだったでしょうか。
梅雨に入る前のすがすがしい季節にぜひヨコハマにお越しになってください。
【近代日本画の美術展情報】
東京藝術大学大学美術館で開催されていた「東西美人画の名作-上村松園《序の舞》への系譜」はご覧になられましたでしょうか。
修理後はじめて一般公開された《序の舞》は見事にきらめいていました。
「東西美人画の名作」は終わってしまいましたが、「西の上村松園」と双璧をなした「東の鏑木清方」の美人画は古都・鎌倉で見ることができます。
鏑木清方記念美術館
「開館20周年記念 特別展 鏑木清方の芸術展」
会 期 4月20日(金)~5月23日(水) 休館日 毎週月曜日
「清らかに、うるわしく-清方の美人画-」
会 期 5月26日(土)~7月1日(日) 休館日 毎週月曜日 6月5日(火)
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧料 一般300円、小中学生150円ほか
アクセス JR鎌倉駅から小町通りを北に徒歩7分左折
「開館20周年記念 特別展 鏑木清方の芸術展」
会 期 4月20日(金)~5月23日(水) 休館日 毎週月曜日
「清らかに、うるわしく-清方の美人画-」
会 期 5月26日(土)~7月1日(日) 休館日 毎週月曜日 6月5日(火)
開館時間 9:00~17:00(入館は16:30まで)
観覧料 一般300円、小中学生150円ほか
アクセス JR鎌倉駅から小町通りを北に徒歩7分左折