次のNHK朝ドラ『らんまん』は宮﨑あおいが担当!美輪明宏、内村光良、竹内まりやから『舞い上がれ!』のさだまさしまで、朝ドラのナレーターを振り返ってみた

2023/2/10 17:00 龍女 龍女

宝塚から映画・TVドラマの名作に最後まで出続けた国民的俳優八千草薫(1931~2019)


(八千草薫 イラストby龍女)

『風見鶏』(1977)、『ロマンス』(1984)、『君の名は』(1991)でナレーターを務めた。

筆者は出演しているイメージの方が多かったので、ナレーターをしていたことが意外であった。
筆者の幼少期は、『岸辺のアルバム』(1977)で不倫する主婦役など、奥様の役が多かった。
晩年で印象深い役柄は、倉本聰作品が多く、『拝啓、父上様』(2007)の料亭の女将・坂下夢子や、最晩年の『安らぎの郷』の九条摂子役など、主役ではないが重要な役を演じた。


元NHKアナウンサーの野際陽子(1936~2017)


(野際陽子 イラストby龍女)

『京、ふたり』(1990)、『ほんまもん』(2001)、『ゲゲゲの女房』(2010)でナレーターを務めた。
『ほんまもん』では主人公の師匠にあたる精進料理を作る尼僧役で出演もしている。

NHKの女子アナウンサーから俳優に転向した。
パリに一年留学した後、ミニスカートで帰国したので、日本におけるミニスカートをはいたタレントの走りと言われている。

『キイハンター』(1968~1973)で出逢った千葉真一(1939~2021)と結婚。
二人の間に生れたのが、俳優の真瀬樹里である。
(千葉真一とは、1994年に離婚)

1992年の『ずっとあなたが好きだった』の冬彦(佐野史郎)の母親役が強烈な印象を残したお陰で、着物姿の姑役として90年代はTBSのドラマで定着していった。
八千草薫と同じく、遺作は倉本聰脚本の『安らぎの郷』シリーズであった。


橋田壽賀子御用達の奈良岡朋子(1929年12月1日生れ)


(奈良岡朋子 イラストby龍女)

奈良岡朋子は、『おしん』(1983)と『おんなは度胸』(1992)と『春よ、来い』(1994)と3回朝ドラのナレーターを務めた。
いずれも橋田壽賀子(1925~2021)の作品である。
大河ドラマで橋田壽賀子が脚本を担当した作品の内、『いのち』(1986)と『春日局』(1989)のナレーターを務めた。
後に大河ドラマ『篤姫』(2008)のナレーターも担当するが、これは春日局へのオマージュだろう。

奈良岡朋子は、大河ドラマの第1作『花の生涯』にも出演している大ベテランである。
現在は新劇の大手、劇団民藝の代表を務めている。
民藝の俳優は多くが60年代まで日活の映画に出演していた関係で、石原裕次郎(1934~1987)と交流があり、たった12話の『太陽にほえろ!PART2』では後任のボスの篁朝子役で出演している。

『釣りバカ日誌』シリーズでは、スーさん(鈴木建設社長・鈴木一之助)の妻・久江を9から20まで演じた。

奈良岡朋子のナレーションは定評があり、テレビ東京の教養番組『極める』(1986~1995)は、大好きな番組であった。
父親の奈良岡正夫(1903~2004)は洋画家で、奈良岡朋子自身も女子美術大学洋画科を卒業している。


ホームドラマの松竹映画を代表する倍賞千恵子(1941年6月29日生れ)


(倍賞千恵子 イラストby龍女)

倍賞千恵子は、『わたしは海』(1977)、『ひらり』(1992)、『すずらん』(1999)でナレーターを務めた。
倍賞千恵子は、山田洋次監督の『男はつらいよ』で主人公・車寅次郎(渥美清)の妹・さくら役を長年勤めた。
それ以外でも、『幸せの黄色いハンカチ』(1977)、『小さなおうち』(2014)にも出演しており、山田洋次作品には欠かせない俳優の一人である。

歌手としても『下町の太陽』(1962)『さよならはダンスの後に』(1965)のヒット曲がある。
近年はジブリ映画『ハウルの動く城』の主題歌『世界の約束』(2004)が親しまれている。

平易でノビノビとした口跡からナレーターとして聞き取りやすい。


最後に、俳優・アナウンサー以外でナレーターを務めた人物を紹介しよう。

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