次のNHK朝ドラ『らんまん』は宮﨑あおいが担当!美輪明宏、内村光良、竹内まりやから『舞い上がれ!』のさだまさしまで、朝ドラのナレーターを振り返ってみた

2023/2/10 17:00 龍女 龍女

『ひまわり』(1996)の萩本欽一(1941年5月7日生れ)


(萩本欽一 イラストby龍女)

弟の不当逮捕をきっかけに、弁護士を目指す女性の物語である。
主役は、松嶋菜々子(1973年10月13日生れ)である。

萩本欽一は、主人公の実家で飼っている犬のリキの心の声という設定である。

70年代後半から80年代の前半まではゴールデンタイムのバラエティ番組の司会者として全盛期を誇った。
浅草で芸人としての腕を鍛え、1966年に坂上二郎(1934~2011)とコント55号を結成。
欽ちゃん、二郎さんの愛称で親しまれる。
今のお笑いの概念では、欽ちゃんがツッコミ、二郎さんがボケと思われている。
実際は欽ちゃんは振り、二郎さんはこなしと言う役割だそうである。
コンビ名に付けたことで、コントを一般的に広めた。


『ウェルかめ』(2009)の桂三枝(現・桂文枝)(1943年7月16日生れ)


(桂文枝 イラストby龍女)

地元の徳島で雑誌の編集者として務める中で、ウミガメの研究に出会う。
主役は倉科カナ(1987年12月23日生れ)である。

当時まだ桂三枝だった6代目桂文枝がナレーターをした。
桂文枝は、吉本興業が抱える数千人あまりの芸人の中でトップの存在である。
少なくとも、ダウンタウンが台頭する前は、西川きよしと共に二大看板であった。
関西大学在学中に落語研究会に属し、1966年に3代目桂小文枝(5代目桂文枝)に入門して大学を中退。
翌年ラジオ番組の『歌え! MBSヤングタウン』出演をきっかけに売れ始めた。
『新婚さんいらっしゃい』は、2022年3月まで51年間務めた。
同一番組の司会の長寿記録として、ギネス記録になっている。


『梅ちゃん先生』(2012)の9代目林家正蔵(1962年12月1日生れ)


(9代目林家正蔵 イラストby龍女)

大田区蒲田を舞台に町医者になる下田梅子が主人公だ。
梅ちゃん先生こと下田梅子を演じたのは、堀北真希(1988年10月6日生れ)である。

下町が舞台の朝ドラと言うことで、江戸落語の大名跡を継いだ林家正蔵が選ばれたのだろう。
筆者は、前名の林家こぶ平の方が馴染みがある。

9代目林家正蔵は、7代目林家正蔵(1894~1949)を祖父に、昭和の爆笑王と呼ばれた初代林家三平(1925~1980)を父に持つ。
1978年に入門、1988年に真打ちに昇格。
2005年3月に9代目林家正蔵を襲名した。

俳優や声優としても活躍しており、1984年の劇団ワハハ本舗の創立メンバーである。
代表作はアニメ『タッチ』の松平孝太郎、映画『家族はつらいよ』の金井泰蔵である。


『なつぞら』(2019)の内村光良(1964年7月22日生れ)


(内村光良 イラストby龍女)

東京で空襲に遭って戦災孤児になった奥原なつが北海道・十勝で育った後に、アニメーターになって、数々の名作に関わっていく物語だ。
モデルとなった実在の人物は奥山玲子(1936~2007)である。
奥原なつを広瀬すず(1998年6月19日生れ)が演じた。

内村光良の起用は「ヒロインの亡き父として彼女を天国から見守っている」設定なので、第68回の紅白歌合戦の司会の優しい雰囲気が好まれて選ばれたそうだ。

内村光良は横浜放送映画専門学院(現・日本映画大学)演劇科の同期生の南原清隆と1985年にウッチャンナンチャンを結成した。
『お笑いスター誕生』をきっかけにTVに出始めた。
ショートコントという形式を広めた。
とんねるず・ダウンタウンと共に「お笑い第3世代」の一角である。

筆者が大好きなウッチャンナンチャンのショートコントは、レンタルビデオショップシリーズで、倉本聰や山田太一がもしもレンタルショップのドラマを書いたらどうなるか?
と言う設定が面白い。


次の頁では、朝ドラのナレーターを複数務めた俳優を紹介する。
その理由についても考えてみよう。

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