松本潤主演『どうする家康』でアノ役はどの俳優が演じるのか?役所広司や夏目雅子も出演した1983年の大河ドラマ『徳川家康』から予想してみた

2023/1/6 17:30 龍女 龍女





(織田信長を演じる役所広司 イラストby龍女)

織田信長(1534~1582)を演じたのは
役所広司(1956年1月1日生れ)である。
大河ドラマは、『獅子の時代』(1980)、『おんな太閤記』(1981)に続く3作目だが、主人公に多大な影響を与える役で、大抜擢であった。

役所広司は大河ドラマでの大きな役は、6回目の『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(2019)の嘉納治五郎(1860~1938)が、主人公金栗四三(1891~1983。演じたのは六代目中村勘九郎)に大きな影響を与える意味では久しぶりであった。
これは、脚本の宮藤官九郎(1970年7月19日生まれ)が『徳川家康』が放送された頃、中学生でよく覚えていたせいではないかと推測している。

役所広司に関しては2022年6月23日付のコラムで言及しているので参考にして欲しい。

『どうする家康』では、織田信長は岡田准一(1980年11月18日生れ)が演じる。


(本多作左衛門を演じる長門裕之 イラストby龍女)

本多作左衛門こと本多重次を演じたのは、
長門裕之(1934~2011)である。
日本映画の父と呼ばれる牧野省三(1878~1929)が母方の祖父で、父は歌舞伎俳優から映画俳優に転向した四代目沢村國太郎(1905~1974)である。
6歳の頃から沢村アキヲ(本名の加藤晃夫の名と父の芸名を苗字にした)として活動を開始。
その時代の代表作が映画『無法松の一生』(1943)である。

この時、母親役で共演した園井恵子(1913~1945)は1945年の8月6日に広島で被爆した。
爆心地に近い旅館に宿泊していた劇団桜隊の一員だった。同月21日に亡くなった。
筆者の推測ではあるが、1979年に公開された『東京大空襲 ガラスのうさぎ』で機銃掃射で主人公の少女の目の前で殺される父親役を演じる動機に繋がっているのではないかと考えている。
新藤兼人監督が手がけたドラマとドキュメンタリーを組み合わせた映画
『さくら隊散る』(1988)では園井恵子の共演者として、撮影当時の彼女について証言している。

立命大学中退後、長門裕之に改名して、最初の代表作になったのは石原慎太郎(1932~2022)が一橋大学在学中に芥川賞を受賞した『太陽の季節』(1955)の主人公である。
この時に相手役として共演した南田洋子(1933~2009)と1961年に結婚する。

若手俳優時代の長門裕之は、痩せていた。
桑田佳祐が登場したときに、
「若い頃の長門裕之にそっくりだ!」
と評判になっていたので、演出家の久世光彦(1935~2006)はエッセイの中で、親子役で共演させたいと書いていたほどだ。

筆者が幼少期の80年代で長門裕之出演作品で一番印象が残っているのは
大ヒットTVドラマ『池中玄太80キロ』のカメラマン池中玄太(西田敏行)の上司で編集長の楠英政である。
とにかく、池中玄太との喧嘩シーンが面白かった。

ただこうしたけんか腰のしゃべり方は、半分地のような所があり、著書『洋子へ』が舌禍事件としてしばらく業界全体の信用をなくすトラブルを起こしてしまう。

『徳川家康』でも本多作左衛門は、家康に諫言する年上の家臣として振る舞う役である。
実弟の津川雅彦(1940~2018)は、『徳川家康』の後半に大久保長安役として登場するが、一緒のシーンはあった記憶が無い。
まだ仲が悪かった時機だったかもしれない。
晩年は、弟がマキノ雅彦名義で監督した『寝ずの番』(2006)では落語家の大師匠を演じている。

『どうする家康』では同じ役の俳優は今のところ発表されていない。


(井伊直政を演じる豊原功補 イラストby龍女)

家康を支えた有力家臣の中でも四天王と呼ばれた中で最も若かった
井伊直政(1561~1602)の少年時代を演じたのは豊原功補(1965年9月25日生れ)だった。
成長してからは、平泉成(1944年6月2日生れ)が演じた。

井伊直政は駿河と三河に挟まれた遠江の井伊谷の領主であった。
幼い頃に父・井伊直親(1536~1963)を今川氏真の手の者に暗殺された。
成長するまでに親類に当たる井伊直虎が活躍した話は
大河ドラマ『おんな城主直虎』(2017)に詳しく描かれた。
この時の井伊直政は、菅田将暉が演じている。

イラストを描くに当たり、この写真を母に見せたところ、
「キムタクかと思った」
と言った。

井伊直政は美少年としても有名で、14歳で家康の小姓として仕えている。
それが大人になって、『徳川家康』では平泉成という、オッサン俳優として有名な人に変わる。
よく考えてみると、木村拓哉は平泉成のものまねがそっくりなので、骨格が近いのかもしれない。

豊原功補は筆者の大好きなドラマ『のだめカンタービレ』(2006)ではハリセンとあだ名されるピアノ科教授江藤耕造を演じた。
『時効警察』シリーズでは、十文字疾風という残念なイケオジ刑事を演じている。
木村拓哉も平泉成も豊原功補もハスキーでありながら甘い声質の持ち主である。

『どうする家康』では板垣李光人(2002年1月28日生れ)が演じる。

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