松本潤主演『どうする家康』でアノ役はどの俳優が演じるのか?役所広司や夏目雅子も出演した1983年の大河ドラマ『徳川家康』から予想してみた
(明智光秀を演じる寺田農 イラストby龍女)
明智光秀(?~1582)を演じたのは、
寺田農(1942年11月7日生れ)である。
当初は岸田森が演じる予定だったが、撮影前の1982年12月28日に食道ガンで亡くなった。43歳の若さである。
代役として、文学座養成所の同期だった寺田農に白羽の矢が立った。
当初の脚本ではもっと光秀の出番があったそうである。
今では『天空の城ラピュタ』(1986)の悪役、ムスカの声優としてが一番有名だ。
映画俳優としてはおもしろい経歴を踏んでいる。
日活ロマンポルノから特撮、B級作品から超メジャーまで出演基準がよく分らない。
大河ドラマでは他にも『炎立つ』(1993年7月~1994年3月)ではナレーションを務めている。
映画の最新主演作は、武田信玄の父・武田信虎(1494~1574)の最晩年を演じた
『信虎』(2021)である。
信虎の晩年の姿は、信玄の弟の武田信廉(1532~1582)が描いた肖像画が有名である。
寺田農はそれに寄せて演じている。
寺田農の父・寺田政明(1912~1989)は洋画家である。
成田三樹夫とは異なるインテリジェンスを感じさせる悪役俳優である。
『どうする家康』では、酒向芳(1958年11月15日生れ)が演じる。
明智光秀の出生地と思われる岐阜出身の俳優である。
(豊臣秀吉を演じる武田鉄矢 イラストby龍女)
豊臣秀吉(1537~1598)を演じたのは武田鉄矢(1949年4月11日生れ)だった。
『徳川家康』の脚本家、小山内美江子の代表作『3年B組金八先生』の主演俳優である。
80年代に入って、他の大河ドラマでも秀吉役の候補に入っていたそうだが、その時に金八先生の撮影が入っていた。
メインの脚本家である小山内美江子が大河ドラマに取りかかるので、金八先生はしばらく撮影されないので、秀吉役に武田鉄矢がなれたと言う事情と、小山内美江子もやって欲しかったそうである。
筆者の考えでは、武田鉄矢は、俳優の素質として彼自身が大好きな坂本龍馬が似合うかどうかが疑問である。
坂本龍馬にもハングリー精神はあったかもしれないが、武田鉄矢が抱えている強烈な劣等感や負けん気は豊臣秀吉の方が合っている。
坂本龍馬は身分はともかく裕福な商人の息子で経済的な飢えは経験していないはずだ。
『どうする家康』ではムロツヨシ(1976年1月23日生れ)が演じる。
(石田三成を演じる鹿賀丈史 イラストby龍女)
石田三成を演じたのは、鹿賀丈史(1950年10月12日生れ)である。
家康の天下取りのライバルとして登場するのは、滝田栄と同じ頃に劇団四季に在籍していた鹿賀丈史というのは興味深い配役である。
後にもこの二人は縁が深く、ミュージカル『レ・ミゼラブル』の日本版初演で、ジャン・バルジャンとジャベール警部のダブルキャストを演じている。
石田三成は、歴女と呼ばれる層には人気が高いそうだが、21世紀になってから石田三成の再評価はめざましい。
これは日本が不景気になって敗軍の将に対して興味を持ちだしたからではないかと考えられる。
なんで勝ったかを考えるのも大事だが、なんで負けたのか?
失敗から学ぶ事も多いからだ。
石田三成の評価でよく言われるのは、非常事態よりも平和なときに役に立つ官僚的性格の持ち主で、生きた時代を間違えたのでは?と惜しまれている。
まるで、遅れてきた戦国武士と言われる宮本武蔵と正反対の評価である。
鹿賀丈史は、小山内美江子脚本の第2作目の大河ドラマ『翔ぶが如く』では西郷隆盛(西田敏行)の親友でライバルになる大久保利通(1830~1878)を演じた。
同じ時代の大河ドラマ『西郷どん』(2018)では、島津斉興(1791~1859)を演じた。
『どうする家康』では石田三成は当然登場するだろうが、誰が演じるかまだ発表されていない。
母の於大が、松本潤の代表作『花より男子』の姉役の松嶋菜々子なので、大河ドラマ文脈だと同じ『花より男子』にも出ていた石田三成と言えば小栗旬だが、主役をしたばかりなので無理にしても友情出演はあるかもしれない。
次の候補として考えるとしても、主役との相性を考えて、F4の残り二人のうち、松田翔太か阿部力を選んだらドラマファンの間ではかなり盛り上がる筈だ。