三谷幸喜が『鎌倉殿の13人』で源実朝(柿澤勇人)暗殺事件をしつこく描きたい理由に、過去の大河ドラマで自ら演じた役にヒントがあった!

2022/11/25 17:45 龍女 龍女

今回のコラムのテーマは、『鎌倉殿の13人』
柿澤勇人(1987年10月12日生れ)が演じる 源実朝(1192~1219)である。


(源実朝を演じる柿澤勇人 イラストby龍女)

今回取り上げたのは、『鎌倉殿の13人』のクライマックスである承久の乱の引き金を引いた
実朝暗殺事件(1219年2月13日)を2週にわたって描いているからだ。

鎌倉幕府の3代将軍・源実朝が、甥の鶴岡八幡宮の別当・公暁(寛一郎)と彼が率いる数人の兵に、側近で御剣役を務めた源仲章(生田斗真)と共に暗殺された事件である。
この日は、実朝の右大臣任官の祝賀の拝賀の日に当たる。
鎌倉の中心地は源氏の氏神である八幡神をまつった鶴岡八幡宮である。
清和源氏の長者が過去で一番に出世したお礼の儀式だった。
そこで起こった悲劇的な大惨事だった。


(源仲章を演じる生田斗真 イラストby龍女)

公暁の狙いは、本当は実朝と北条義時(小栗旬)だった。
元々北条義時がいる配置は、官位は従四位下で陸奥守の北条義時よりは格上の従四位上で文書博士の源仲章に変わっていた。
殺人現場は、鶴岡八幡宮の階段を降りたところで襲われたとされる。
階段は降りたわけではなく、上の境内だったとも言われている。

さて、今回は脚本家の三谷幸喜(1961年7月8日生れ)がこのドラマの結末に関して、あるヒントを与えている。
アガサ・クリスティのある作品を参考にしたと。
その作品が何かは、あえて別の話として最終回を観てから書きたい。

実朝暗殺に関してはアガサ・クリスティではなく
横溝正史の『犬神家の一族』を始めとする金田一耕助シリーズのオマージュではないかと筆者は観ている。
厳密に言うと、1976年に公開された映画『犬神家の一族』が主なオマージュだろう。
その理由を歴代の大河ドラマで三谷幸喜が俳優として演じた役柄にヒントがあると仮定した。

次のページでは、まず三谷幸喜が過去の大河ドラマで演じた役について紹介しよう。

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