『おかえりモネ』『シェフは名探偵』出演の西島秀俊は「油断していたら、好きになっていた」そんな役が似合う?

2021/6/9 22:00 龍女 龍女

②ビートたけしと映画が好きなオタク少年

西島秀俊は、東京都八王子市出身。
私立の名門桐朋高校から横浜国立大学工学部にすすんだので、元々成績は良かったようだ。
映画関係の仕事がしたくて、19歳の頃に俳優のオーディションを受け渡辺プロダクションに入った。
フジテレビのドラマ『悪魔のキッス』(1993年7~9月)あたりから売れ始めた。
忙しくなって大学を中退したようだ。
ラジオ番組『ビートたけしのオールナイトニッポン』(1981~1990年ニッポン放送)を録音するヘビーリスナーであった。
『悪魔のキッス』の撮影が始まった頃の1993年の6月、ある映画が公開され、西島秀俊は早速観に行った。
ビートたけしこと北野武監督の4作目『ソナチネ』である。
興業成績は振るわず、2週間ほどで上映が打ち切られた。
西島秀俊はドラマが続き、大好きな映画に出るスケジュールが取れない。97年に事務所を移籍して、映画出演に専念した。
2002年まで12本の映画に出演し、念願の北野武監督作に出た。



(映画の1シーンより引用 イラストby龍女)

『Dolls』である。
イラストを描いていて、気づいたが、『Dolls』では不健康な役柄のため太り二重顎になっている。

北野武の祖母は若い頃に娘義太夫をしていた。
義太夫とは、人形劇である文楽の物語と台詞を語る浄瑠璃節の語り手だ。
それを大成させた江戸時代の竹本義太夫の名前が由来である。
義太夫は男性だが、女性の浄瑠璃節の遣い手は娘義太夫と呼ばれた。
明治の頃まではアイドル的人気があったそうだ。

『Dolls』は、人形浄瑠璃が描く男女の恋愛をモチーフにした作品だ。
興行収入は大ヒットとは言えないが、制作費は回収できたようだ。

映画俳優としては初主演の1999年の『ニンゲン合格』から評価された。
2002年が分岐点になり、その後はドラマも出るようになった。

「あの映画館のレイトショーに西島秀俊がきていたよ」、学生時代から現在に至っても暇さえあれば映画館に行くそうだ。
そんな噂は業界内で広まり、映画の造詣が深いことで知られるようになった。
2005年~2017年の国際映画祭東京フィルメックスの審査員を務めている。

それ以降の西島秀俊の活躍、まずは時代劇を観ていこう。

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