ワーケーションって実際どうなの?東京⇒金沢で仕事した体験記

2020/11/27 09:00 明菜 明菜

①国立工芸館


国立工芸館は2020年10月25日にオープンしたばかりの、工芸作品を展示する美術館です。東京国立近代美術館工芸館が移転し、金沢で開館しました。

『国立工芸館石川移転開館記念展Ⅰ 工の芸術― 素材・わざ・風土』には、明治から現代までの多様な工芸作品が展示されていました。蒔絵や螺鈿など、自分の肉眼の視力では追い付かないくらい細かいところまで作り込まれた作品は、いつまででも見ていられます。


松田権六《蒔絵槇柏文手箱》1955年

中でも、金沢出身の漆芸家で人間国宝の松田権六(まつだごんろく)の作品が良かったです。漆だけでなく、真珠や貝殻も使った華やかな作品で、装飾を超えた世界観が表現されていました。

国立工芸館
https://www.momat.go.jp/cg/

『国立工芸館石川移転開館記念展Ⅰ 工の芸術― 素材・わざ・風土』
会期:2020年10月25日~2021年1月11日

②金沢21世紀美術館


金沢21世紀美術館は、現代アートを展示している美術館です。現代アートって絵画や彫刻だけでなく、映像や光を使った作品もあるし、空間全体を使ったインスタレーション作品もあるんです。色々な刺激を受けられるので、アートを観るのは面白いですよ。

手前:田中信行《Inner side – Outer side》2005 (C) TANAKA Nobuyuki、奥:福本潮子《霞の幔幕》2002 (C) FUKUMOTO Shihoko 『コレクション展 スケールス』展示風景

私が訪れたときは『コレクション展 スケールス』が開催中でした。どんな作品が展示されているかSNSやホームページで見てから美術館を訪れる人が多いと思いますが、実物に出会うと想像と違うことに驚くことがありますよね。そんなギャップをテーマにした展覧会で、想像の材料となる個々の経験を問われているようでとても面白かったです。

金沢21世紀美術館
https://www.kanazawa21.jp/

『コレクション展 スケールス』
会期:2020年10月17日(土)~2021年5月9日(日)

③玉泉院丸庭園

玉泉院丸庭園

金沢城公園の中にある『玉泉院丸庭園』もおすすめです。小さな島々がぽこぽこ浮かんで橋で結ばれており、庭が1つの国であるように感じられました。

加賀藩三代藩主・前田利常(まえだ としつね)による1634年の作庭が始まりで、その後も手を加えられながら、廃藩まで金沢城内玉泉院丸にあった庭園です。広大な兼六園とは対照的で、持ち主が愛でるために作られたような私的な雰囲気に癒されます。



『玉泉庵』では、庭園を眺めながら抹茶と上生菓子をいただくことができます。平日の微妙な時間帯に行ったので、本格的な茶室も庭園も独り占めすることができ…仕事の疲れも吹き飛びました。ただし、正座による新たな疲労が発生しました。

また、玉泉院丸庭園を映し続けるライブカメラがありましてね(誰が見るんだろう、マニアックすぎて需要が分からない)。ご自宅でも庭園の雰囲気が味わえると思うので、ぜひご覧ください。

玉泉院丸庭園ライブカメラ
https://www.youtube.com/watch?v=JpLMmrxB_Tg

④にし茶屋街
『ひがし茶屋街』の方が規模が大きいのですが、観光客が多く賑やかすぎるんですよね…。風情を楽しむなら、『にし茶屋街』の方がおすすめです。


にし茶屋街

規模は小さく、休憩できるカフェも少ないですが、こちらの方が落ち着きました。『金沢市西茶屋資料館』にはお茶屋の再現展示もあり、一見さんお断りのお茶屋がどんな雰囲気なのか感じることができて良かったです。

⑤金沢三文豪の記念館
泉鏡花、徳田秋聲、室生犀星の3人を『金沢三文豪』と呼ぶことをご存じでしょうか?3人の記念館も金沢にあって、出版した本や直筆原稿、手紙、私物などが展示されています。


泉鏡花記念館

詳しくはこちらの記事で紹介したとおりで、3人の可愛い姿を知ることができました。こじんまり展示でサクッと見られる(ハマると長居するけど)ので、お仕事の息抜きにもピッタリだと思います!

文学ロマンに浸る。金沢三文豪のレトロな記念館めぐり

■金沢でワーケーションしてみた感想と課題
で、金沢でのワーケーションがどうだったのかと言うと、バケーション8、ワーク2でしたね。金沢、見どころ多すぎるよ…!

今回は2泊3日しか時間が取れなかったのですが、仕事と旅行を両立するなら、もう少し日数があった方が良かったです。私の場合、朝・昼は観光、夕方・夜は仕事と分けていたのですが、「今日は仕事、明日は観光」のように1日単位で分けた方が良いのではないかと思いました。


兼六園の雪吊り

主な観光スポットは昼間訪れる用にできていますが、仕事も昼間にやらないといけないし…と考えると、「今日は仕事、明日は観光」のように1日単位で分けた方が楽しめそうです。

ちなみに徳島県には、ワーケーション大歓迎の美術館もあるそうで…?
美術館でワーケーション!

■金沢ワーケーションまとめ
仕事と旅行の両立は、やればできます(キリッ)。

ゆとりを持ってスケジュールを立て、ホテルでWi-Fiが使えるかなどを確認しておけば、宿泊先でも問題なく仕事ができます。美術館や庭園など土日は混雑する場所も、平日で混んでいないときに楽しめますよ!

既にリモートワークができている方は、自宅でなくホテルや旅館に場所を移しても、特に問題なく仕事ができるのではないでしょうか?少なくとも私は、「やっぱり自宅じゃないとダメだ!」とは一度も思いませんでした。



家族でスケジュールを合わせる難しさや、そもそもテレワーク導入も難しい会社など、さまざまな事情があるのは確か。だからこそ、できる環境にいてやりたい人からワーケーションを試していくことで、密を避けながら地域経済に貢献できる社会に変わっていくのだろうと考えています。

美術ブロガーのKINさんも金沢の観光スポットを紹介した記事を書かれています。こちらもご参考ください~。
旅に出よう!アートを楽しむ(美味しい)金沢編
旅に出よう!建築好き(と喫茶店好き)のための金沢編
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