【気軽に楽しめる!】現代アート鑑賞ポイント+注目展覧会ピックアップ

2019/6/26 20:10 KIN KIN

現代アートってむつかしい……そう思っている人も多いのではないでしょうか?



興味がない人にとっては、子どもの絵の様だったり、意味不明のものに見える作品もあるでしょう。テーマが判らないと理解しにくい作品もあります。

ただ、現代アートとは今まさにこの時代を生きている人の作品なのです。これらを真っ直ぐに受け止めることができるのは同じ時代を生きる私達だけなのかもしれません。


以前のKAAT神奈川芸術劇場「塩田千春 | 鍵のかかった部屋」展(サムネイルも同様)

今年は現代アートの展覧会の当たり年。そこで開催中、そしてこれから開催される注目の現代アート展をその楽しみ方と共にご紹介します。これらの展覧会が現代アートへの扉を開く鍵になると思います。



現代アート鑑賞のポイント1:同時代ならではの共感


まずは現代アートの展覧会を多く開催している六本木の森美術館。こちらで現在開催されている塩田千春の展覧会をオススメします。


塩田千春展:魂がふるえる
https://www.mori.art.museum/jp/exhibitions/shiotachiharu/index.html
森美術館
2019/6/20-10/27

生と死、記憶、存在などの形のないものを美しい作品として表現している作家です。ただし、単純に美しいだけではない、多くの人が抱えている不安をヒリヒリと感じるような作品です。

この展覧会に関してはいまトピアート部 虹さんの展覧会レビューが詳しいのでこちらを参照ください。


不在の中の存在を見る 塩田千春展:魂がふるえる
https://ima.goo.ne.jp/column/article/7233.html

糸を張り巡らせた作品に代表されるインスタレーションは、現代の私達の感情を揺さぶります。この様な現代ならでは悩みや問題を、今を生きる我々だからこそ直感的に感じることの出来るのが現代アートの良いところ。

現在、銀座のギンザ シックスでも塩田千春作品を見ることが出来ます。


ART INSATLLATION 塩田千春《6つの船》
https://ginza6.tokyo/art
ギンザ シックス 2F中央吹き抜け
2019/2/27-10/31 (予定)



現代アート鑑賞のポイント2:事前知識がなくても大丈夫


同じく六本木にある国立新美術館も現代アートの展覧会を多く開催しています。こちらで現在開催されているクリスチャン・ボルタンスキーの展覧会もオススメ。


クリスチャン・ボルタンスキー - Lifetime
http://www.nact.jp/exhibition_special/2019/boltanski2019/
国立新美術館
2019/6/12-9/2

この展覧会も記憶や存在などについての作品が多いです。最初はむつかしく考えず、作家の創り上げた世界を感じてみて欲しい展覧会。感じてみて、そして気になるものがあったら更に深く楽しむために調べれば良いのです。


エスパスルイヴィトン東京(表参道)でのクリスチャン・ボルタンスキー展

古い芸術品を鑑賞するには歴史背景などを知っている必要もありますが、現代アートの場合はまずは知識が無くても楽しめるものも多いです。気軽な気持ちで楽しむ事ができるのが現代アートの良いところ。現代アートの展覧会は撮影可能なことも多いので記念にもなりますし、SNSでも話題に出来ます。ただし、撮影可能作品を楽しむ場合は周りの人に迷惑をかけないように気をつけましょう。



現代アート鑑賞のポイント3:現代の技法を楽しむ


初台の東京オペラシティ アートギャラリーでは少し前まで人気の現代アート展「トム・サックス ティーセレモニー(2019/4/20-6/23)」を開催していました。この館の今年のラインナップが現代アートファンには堪らない内容です。その中でも注目なのが次回開催のジュリアン・オピーの展覧会です。


ジュリアン・オピー
https://www.operacity.jp/ag/exh223/
東京オペラシティ アートギャラリー
2019/7/10-9/23

アートやイラストレーション、映像など様々なジャンルを融合した現代ならではのアーティストがこのジュリアン・オピー。グラフィック、立体、ビデオ、電飾と様々な手法を駆使した作品を作る作家です。


高松築港駅付近にあるジュリアン・オピーの立体作品

現代的な新しい手法が産む新しい体感や楽しみ方が出来るのも現代アートの良いところ。今回の展覧会の内容はまだ明らかになっていませんが、現代ならではのアート鑑賞の楽しみを味わえる展覧会になると思います。



現代アート鑑賞のポイント4:美しさに浸る


今年リニューアルオープンした東京都現代美術館。名前の通り現代アートを楽しむことが出来る美術館です。現代アートファン注目の展覧会が目白押しではありますが、その中から少し先ですが来年3月に開催のオラファー・エリアソンの展覧会をオススメしたいです。


写真は金沢21世紀美術館のオラファー・エリアソン作品
オラファー・エリアソン
https://www.mot-art-museum.jp/exhibitions/olafur-eliasson/
東京都現代美術館
2020/3/14-6/14

自然、光などをテーマにしたオラファー・エリアソンの作品はとにかく美しく驚きがあります。もちろんその背景には様々なテーマやコンセプトがあり、一つ一つは考えさせられるものではありますが、取っ掛かりとして「美しい」や「驚き」から入るアートがあっても良いのではないでしょうか?


金沢21世紀美術館のオラファー・エリアソン作品

今回のインスタレーション作品がどの様なタイプのものかはまだわかりませんが、きっと何かしら目を引く物になっていると思います。感動や驚きを感じる、おとなしく絵画を見るだけではない現代アートならではの楽しみ方が出来る展覧会を期待しています。



現代アート鑑賞のポイント5:非日常を楽しむ


都内から少し足を伸ばして千葉市美術館で開催される年末の展覧会がとても興味深いものです。それが目【mé】というアートユニットによる展覧会。


目【mé】 非常にはっきりと わからない
http://www.ccma-net.jp/
千葉市美術館
2019/11/2-12/28

意外性の強い作品を数多く作るアートユニットの目【mé】。このユニットによる展覧会が発表された時はアートファンの中で話題になりました。今までもギャラリーやグループ展や芸術祭などで非日常感の強い驚きのある作品を発表してきたこのユニットのはじめての美術館規模での個展開催です。


銀座資生堂ギャラリーをホテルにしてしまった目【mé】の以前の展示

それらの作品は素直に驚くものばかりで、コレは何?とも、そうなのか!とも、騙された!とも取れる不思議な体験です。普段生活していたら味わえないような非日常の強い体験が出来るのも現代アートならではでしょう。



以上の展覧会の他にも都内で見ることの出来るオススメ展覧会はあります。

原美術館で開催される加藤泉の不思議な彫刻や絵画の展覧会や東京都美術館伊庭靖子のシズル感ある絵画の展覧会も楽しみです。


来年に閉館してしまう原美術館

加藤泉 - LIKE A ROLLING SNOWBALL
http://www.haramuseum.or.jp/jp/hara/exhibition/
原美術館 2019/8/10-2020/1/13
ハラ ミュージアム アーク 2019/7/13-2020/1/13

伊庭靖子展 まなざしのあわい
https://www.tobikan.jp/exhibition/2019_yasukoiba.html
東京都美術館
2019/7/20-10/9

都内から少し足を伸ばせば千葉の市原湖畔美術館では現代女性アーティスト中心の展覧会が現在開催されていますし、箱根のポーラ美術館で開催される現代アート作品とポーラ美術館の所蔵品を掛け合わせた展覧会も気になります。


温泉がてら寄りたいポーラ美術館

更級日記考―女性たちの、想像の部屋
http://lsm-ichihara.jp/exhibition/2019spring
市原湖畔美術館
2019/4/6-7/15

シンコペーション:世紀の巨匠たちと現代アート
https://www.polamuseum.or.jp/exhibition/20190810s01/
ポーラ美術館
2019/8/10-12/1

また、旅のついでに各地の芸術祭で現代アートを楽しんだり、銀座周辺で食事がてらギャラリーで現代アートを楽しむのも面白いです。下記、いまトピアート部 明菜さんが書いた瀬戸内国際芸術祭のコラムや銀座のアートスポットをまとめた私のコラムなどを参考にしてアート巡りを楽しんでみてください。あと、今年は他にもファンタジー系の展覧会も注目ですのでそちらもオススメです!


『めぎおぎ』知ってる?カボチャだけじゃない #瀬戸内国際芸術祭 の穴場!
https://ima.goo.ne.jp/column/article/7108.html


【全部無料】ギンザでアートを楽しむ7つのおすすめスポット
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6883.html


オトナだって夢を見る!ファンタジー系の展覧会オススメ5つ
https://ima.goo.ne.jp/column/article/7151.html