ミュージシャンがメガネ作家に?作家ユニット「atelier kikiki」に会ってきた(3/5)

2017/6/6 11:00 フレネシ フレネシ


―――フ:【質問その7】メガネはフレームの色がたくさんあって、自分に合う色を探すのが楽しいですね。全部で何色ありますか?

や:現段階でメガネのフレームの型は4種類、型によりそれぞれ2~5色展開しています。また装飾を選んで変えることのできるものもあり、色と装飾の組み合わせでかなりのバリエーションになるので、自分たちも正確に数は把握してないですね(笑)。

―――フ:【質問その8】一番人気のメガネはどれですか?

や:最初に商品化したガーリーなメガネです。minneハンドメイド大賞の最終ノミネートされた作品でもあり、これをきっかけに知っていただいた方が多いですね。



―――フ:【質問その9】アクセサリーはどんなものを扱っていますか?

ゆ:リング、ネックレス、ピアス、バレッタ、バングルなど、一通り作っています。素材シルバーや真鍮を主として天然石を使ったものからメガネの生地を使ったものまで幅広くあります。

―――フ:【質問その10】イチオシのアクセサリーを教えてください。

ゆ:メガネ生地素材のアセテートと、真鍮や天然石を組み合わせてつくった、チョコレートケーキ風にしたピアスやネックレスです。

アセテートの独特な艶と模様が、チョコレートに通じていて、とっても美しいんです。




フ:これほんとおいしそうですよね。層になっているところが最大限に生かされたデザインというか。上に乗っかっているストーンも控えめで、アセテートの素材こそが主役という感じですね。

―――フ:【質問その11】ミュージシャンから転身するケースは珍しいのではないかと思います。音楽を作っていたときから、こうした「ものづくり」に興味はあったのですか?

や:音楽は幼少期から親の薦めでエレクトーンを習っていましたが、子供の頃から空き箱やレゴで何か作るのが好きで、大学ではデザイン科を専攻していました。それで20代はバンド活動に没頭することになるのですが、、どちらかというと一旦音楽に横道を反れて今またモノ作りに戻ってきたという感じなのかな。



どっちがどっちというわけではないのですが、作品を通して自分を知ってもらうという感覚は音楽もモノづくりも何も変わらないと思うし、今も大きく転身したという気はあまりしていません。


―――フ:【質問その12】どんな音楽を作っていましたか?

や:大学時代から30代の半ばまでいろんなバンドをやってきました。やはり世代的に90年代の音楽シーン、洋楽との架け橋となった渋谷系の影響が強いですね。後はご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、フレネシが活動休止する前の数年間ライブサポートで参加していました。サポートさせてもらう中でいろんな場でライブが出来きてどんどんお客さんが増えていったことはとても印象的でしたね。いろいろお世話になりました。

フ:リハのとき、小幡君の持ってくる機材は他で見たことがないような楽しさがあって。これどうやって音を出すんだろうとかいつも気になっていました。

大学時代、小幡君がやっていたflower bellcowというバンドのボーカルのさゆりちゃんと私が同じ大学で、私は当時naphthaline squallというソロユニットをやっていて、一緒にイベントに出たりしてましたね。

flower bellcow / Thing of Every Day

や:これは大学生の時レコーディングした音なのでちょっと恥ずかしいですね。。。

ゆ:4 bonjour’s partiesというバンドでトランペット、ホルンなど管楽器を担当していました。

4 bonjour's partie / Satellite


フ:2人の出会いは音楽が入り口で、今一緒にものづくりをしているというのはとても興味深いですね。音楽に限らず、モノへの関心の方向性が近いからこそ実現したのかなと思います。

―――フ:【質問その13】音楽は今後も続けていきますか?

や:数は少ないですが最近ありがたいことにラジオのテーマ曲やBGM また、モノづくりを通して知り合ったジュエリー作家さんの個展の会場BGMの制作など、面白い依頼をいただくことがあり、合間にいろいろ作ってはいました。


合間といえどトータルするとサウンドトラック3枚分くらいの曲数になったので結構なボリュームの楽曲を作りましたね。

ただ去年はいろいろ激動すぎてあまり音楽に手を出せずにいましたが、2人ともせっかく音楽をやっていたのだからブランドと音楽を絡ませた何かをやりたいと思っています。やっぱり影響を受けてきた音楽は特にファッションと音楽は密接な関係にあると思っているので。そこは大切にしていきたいと思っています。


フ:今後は、ぜひ作品と絡めた音源の公開をお願いします!



ゆ:4 bonjour’s partiesは一応育休中です(笑)メンバーが子育て世代になってきたので、かなりのプライベート時間を割く必要のあるバンド活動は、集まるのもなかなか難しいかもしれませんが、まあ、晩年になっても音楽はできますからね。子育てが落ち着いたらまたやりたいです。

フ:私も活動休止中ですが、子供が小さいうちは難しいところがありますね。ヘタに初めても中途半端になっちゃいそうだし…。現場に居ないと自分自身がどんどん何者でもなくなってしまいそうだけれど、ゆきちゃんの「晩年になってからも音楽はできる」って言葉に救われた気がします。

―――フ:【質問その14】最近気になる音楽のシーン・ミュージシャンなどは?

ゆ:子供が生まれてからほぼライブに行けてないのですが、唯一どうしても行きたくて来日ライブに足を運んだのは、Joanna Newsomとamerican footballです。あ、あと号泣したのは、関取花さんの「もしも僕に」という歌!フレネシさんもぜひ聴いてください。あの歌詞は、子供がいてもいなくても泣いちゃいます。

関取花 / もしも僕に


や:ここ数年はsoundcloudでGiraffageやMark Reditoなどのトラックメーカーのプレイリストを聴いて更に掘り下げるような聴き方をしていました。バンドものからは少し遠ざかっていましたが最近かつての渋谷系の人が新譜をリリースしたり復活ライブをしたりしているのをSNSでチェックして嬉しく思っていましたよ。

あとは曲単体で気になるというよりは、音楽が流れているシチュエーションみたいな空気感が気になることが多いです。例えばあるブランドが作ったファッションムービーとかで曲や効果音が流れてきて 音単体で聴くと地味な気がするんだけど映像の雰囲気とかモデルさんや場所、ブランドのバックグラウンドもすべてが一体となって感じる空気がなんか強烈に気になるみたいな(笑)


―――フ:【質問その15】お二人の出身大学は美大と伺っています。学生時代の専攻は?

や:僕は工芸とプロダクトデザインを専攻していました。授業の一環で彫金も半年ほどやりました。



ゆ:私は美大ではなく、工業大学の工業デザイン科というところでした。

―――フ:【質問その16】小幡くんとゆきちゃん、atelier kikikiでのそれぞれの役割は?

や:子供が小さいので主にアトリエでの制作は僕がやっています。

ゆ:私は家でできる、デザインアイデア、パッケージやグラフィック周り、写真撮影、最終的な組立てなどしています。

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