ミュージシャンがメガネ作家に?作家ユニット「atelier kikiki」に会ってきた(2/5)
●atelier kikikiに30の質問●
フレネシ(以下フ):【質問その1】まず、自己紹介をお願いします。
小幡泰久(以下や):小幡泰久、小幡夕起子です。フレネシさんとは、古い付き合いですが、ネシ夫くんと、うちの息子が偶然にも同じ歳なのもあり、子連れでもよく遊んでもらっています。
フ:まさかの同い年で。うちは3月生まれで、同じ2歳といえど、小幡君のとこの子に比べてだいぶ幼いですが…。もうちょっと大きくなったら一緒に遊ぶようになるかな?
―――フ:【質問その2】atelier kikikiという名前の由来は?
夕起子(以下ゆ): 漢字にすると、「期」「喜」「貴」。ブランドコンセプトの「手にとったお気に入りのものたちが時がたつにつれ特別な存在になってゆく」というのを表しています。
、、、というのは後付けで(笑)。私(妻の方)がユキキというあだ名だったからです。
フ:ゆきちゃんのあだ名から来ていたとは。「ユキキ」って「あやや」とか「ぱるる」みたいでかわいいですね。
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―――フ:【質問その3】atelier kikikiを立ち上げたきっかけは?始める前は何をしていましたか?
ゆ:私は、WEBデザイナーです。デジタルの世界で完結する本業の捌け口じゃないですが、リアルなものを作りたい!という気持ちから彫金を始めました。
や:僕はずっと建築関連で住宅や店舗のリノベーションの仕事をしていましたがしばらくは働きながら終電までメガネとジュエリーを作るというダブルワーク状態になっていて…。今年の初めから思い切ってモノ作り一本となりました。
妻がやっていたkikiki Jewelryにのっかる形でメガネ部門のkikiki optiqueをはじめ、そして両ラインの総称としてatelier kikikiという名前をあらたにスタートさせました。
―――フ:【質問その4】なぜ、メガネ作りを始めたのでしょう?
や:実は僕の祖父が生前、時計と宝石、メガネなどの貴金属店をやっていて、父がメガネを継ぎ、今も地元でメガネ店を今もやっています。父の店は小売店で修理はしますが、一からメガネを作ることはしていませんでしたので、最初は自分がメガネに関わるとは思っていませんでした。
でも僕はずっとやっていた建築の仕事をする中で大勢で大きなものを作るよりも自分の手の平に納まる中で、もっと自由に自分の世界観を表現したいと考えるようになりました。
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そんな中、父にメガネ屋を閉めようかと思っていると聞き、なんとなく自分の中で代々続いてきたことに自分が何かできないだろうかと思い始めて。そのとき、たまたまハンドメイド眼鏡の聖地とよばれる福井県鯖江市に訪れる機会があり、そこでハンドメイドに触れた時に大学時代にやっていたモノづくりと父のメガネ業がリンクした気がしたんです。
そこから鯖江の職人さんや父と相談しながら見よう見まねではじめたのがきっかけです。
―――フ:【質問その5】他にはないデザインが人気のatelier kikikiのメガネ。こだわりポイントを教えてください。
や:メガネだけでなくアクセサリーにも共通していえることですが、kikikiのブランドコンセプトの「普段の生活の中に潜む魅力を拾い上げ形にする」とあるように、長く使える普遍性と遊び心、相反するように感じる2つのバランスをデザイン段階で丁寧に考えるようにしています。どちらかかが強すぎるとすぐ飽きてしまうと思うのです。ただのベーシックだけでなく、ちゃんと気持ちがワクワクするような感じ。
ゆ:どんな人ががどんな場所でどんな気持ちで身につけるかを想像しながらデザインするようにしています。シュチエーションや物語性が作品から見えるようなモノづくりを心掛けています。
―――フ:【質問その6】フレームのデザインはどんなタイプがありますか?
や:kikikiの特色であるジュエリーの貴金属と、メガネのプラスティックフレームの代表的な素材であるアセテート(綿が主材料の樹脂でセルロイドの次世代素材)の両方の素材を使ったコンビネーションフレームを得意としています。
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ゆ:装飾にもこだわっていて身につけた時に気持ちが上がるようなジュエリーのようなメガネが多いです。
フ:たしかにその通りで、細部のモチーフ一つをとっても、そのままペンダントトップにしたくなるようなかわいらしさがあるなあと思います。アセテートといえば服の裏地にも使われている素材ですね。肌触りが好きです。洗うとしわっしわになるけれど。その素材がメガネのフレームに使われていたとは。オドロキです。