【今も現役】実は昭和20年代の新語・流行語だった言葉まとめ

2015/10/10 23:59 服部淳 服部淳


どうも服部です。昭和時代をさまざまな形で振り返っていくシリーズ記事、今回は現在の日本で普通に使われている言葉で、実は昭和20年代の新語・流行語だったというものをまとめてみたいと思います。


※昭和23年(1948年)から毎年、新語・流行語を紹介し続けている「現代用語基礎知識(自由国民社)」の2008年版を参考にしています。



・昭和23年(1948年)

ノルマ
すっかりビジネス用語として溶け込んでいますが、もともとは社会主義国のソ連で使われていた「一日の労働時間でやりとげなくてはならない生産責任量」という意味のロシア語でした。



・昭和24年(1949年)

ワンマン
今でも「ワンマン社長」など、一人でなんでも決めてしまうタイプの人を呼ぶのに使われますが、もともとは昭和24年当時内閣総理大臣だった吉田茂が、政党内での独裁ぶりから「ワンマン」と呼ばれるようになったのが始まりのようです。



・昭和25年(1950年)

チラリズム
女性の下着や体の一部が堂々と見えるよりも、瞬時にチラリと見えてしまう方が性的興奮度が高いという意味の「チラリズム」。実はこれ、「女優の浅香光代が剣劇芝居の立ち回りを行う際にチラリと見える太ももが醸し出すエロティシズムを新聞記者が表現(Wikipediaより)」したのが始まりだったそうです。

一辺倒
何かひとつのものだけに心を傾けてしまうことをいう「一辺倒」。古くから一般に使われているような言葉ですが、goo辞書の補足によると「第二次大戦後、(中国の最高指導者だった=著者注)毛沢東の論文で使われ流行した語」だったそうです。



・昭和26年(1951年)

ノー・コメント
昭和26年9月に開催された米国・サンフランシスコでの対日講和会議で、ソ連(現ロシア)のグロムイコソ連主席全権が記者団からの質問に対して「ノー・コメント」という返答の一辺倒だったことから。今でも、記者会見などで都合の悪いときの返答に使われていますね。



・昭和27年(1952年)

ポンコツ屋
「ぽんこつ」という言葉自体は、明治時代頃からあったとされますが、「げんこつで殴ること。また、殴り殺すこと(goo辞書)」という意味で使われていました。

現在使われている「使い古したり壊れたりしたもの(goo辞書)」の意味になるのは、昭和27年の新語・流行語になっている「ポンコツ屋」という職種から来るものでした。「ポンコツ屋」とは、廃車になった自動車を解体する職種のことで、ハンマーを振り下ろす「ぽん、こつ」という音から「ポンコツ屋」と呼ばれるようになったといわれています。

その後、物資が豊かになってきたことやスクラップ機の登場により「ポンコツ屋」自体は廃れていきますが、「壊れかかった自動車」としての「ポンコツ」という言葉は生き延び、自動車以外の機械にも使われるようになりました(最近ではゲームやアニメの「おっちょこちょいで天然ボケ」キャラという意味にも)。

エッチ
以前公開した記事「【銀ブラは「銀座をブラブラ」じゃない!?】目からウロコの語源まとめ」で、「語源については諸説あるようですが、変態(HENTAI)の頭文字である「H」から来ているというのが主流のようです。発祥は古く、明治20年(1887年)頃に女学生たちの間で性的な隠語として生まれたのだとか」とエッチの語源について紹介していますが、現在のように「いやらしい」という意味で一般に知られるようになるのは、昭和27年(1952年)より朝日新聞で掲載された舟橋聖一による小説「白い魔魚」で主人公の女子大生がいやらしい男をそう呼んだのが始まりだったそうです。

(服部淳@編集ライター、脚本家)



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