木村拓哉主演『レジェンド&バタフライ』で織田信長の妻・濃姫を演じる綾瀬はるかが、最後まで老けないメイクをしているのには理由があった?

2023/2/3 17:00 龍女 龍女

『ICHI』(2008)


(『ICHI』の1シーンから引用 イラストby龍女)

原作は小説家の子母澤寛(1892~1968)である。
『ふところ手帖』の中の10頁ほどの短編『座頭市物語』が元になっているが、実際には原作というより原案だ。
キャラクターは大映の専属俳優だった勝新太郎(1931~1997)が作ったオリジナルに近い。
盲目の侠客である座頭の市は、居合いの達人で按摩をしながら行く先々でトラブルに巻き込まれていく。
勝新太郎が一代で築き上げた当たり役だったために、彼の死後しばらく他に演じる者はいなかった。
2003年に北野武が監督主演で『座頭市』を製作したのをきっかけに、他の俳優にも演じる機会が出来た。
そこで、女性版座頭市として、按摩でなく、盲目の女性が三味線を弾いて門付で芸を披露する瞽女に職業を変えて、企画されたのがこの作品である。

脚色したのは、浅野妙子(1961年10月4日生れ)である。
キムタク主演の月9『ラブジェネレーション』(1997年10月~12月)
断続的な時代劇シリーズ『大奥』(2003~2019)
朝ドラ『純情きらり』(2006)
などが代表作である。


(浅野妙子 イラストby龍女)

映画自体は興行的に当たらなかったが、綾瀬はるかはアクション俳優のスキルが高いことを証明した作品である。


『おっぱいバレー』(2009)

原作は放送作家出身の小説家水野宗徳(1972年8月1日生れ)である。

監督は『海猿』シリーズの羽住英一郎である。
羽住監督作品の常連の青木崇高は、綾瀬はるかが演じる国語教師の同僚教師として出ている。

脚色は岡田惠和(1959年2月11日生れ)である。


(岡田惠和 イラストby龍女)

原作から時代設定を1979年の北九州に変更した。
お陰で細部に綾瀬はるかがデビューのきっかけになった
ホリプロスカウトキャラバン初代グランプリの榊原郁恵のポスターを使えた。
榊原郁恵はグラマーだったのでグラビアでも人気だった。


(『おっぱいバレー』の1シーンから引用 イラストby龍女)

エロしか頭にない男子中学生をバレーボール部員としてやる気を起こさせるために
「おっぱいを見せてください」
と言う頼みを断れなくなってしまった臨時の国語教師寺嶋美香子を演じている。

この役は、俳優になる前に芸能活動の初期にグラビアにも出ていた経歴が生かされた役柄であった。


いよいよ、今回のコラムのメインである『レジェンド&バタフライ』の濃姫について考察を交えての紹介をしていこう。

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