木村拓哉主演『レジェンド&バタフライ』で織田信長の妻・濃姫を演じる綾瀬はるかが、最後まで老けないメイクをしているのには理由があった?

2023/2/3 17:00 龍女 龍女

『JIN-仁-』(2009年10月から12月、2011年4月~6月)

原作は『六三四の剣』『龍-RONー』でもアニメ化・実写化された
村上もとか(1951年6月3日生れ)による同名の漫画である。
2000年~2010年まで、集英社のスーパージャンプに連載されていた。

TBSの日曜劇場で、セカチューのコンビ、石丸彰彦プロデューサー、森下佳子脚本で製作された。

現代の脳外科医である南方仁(大沢たかお)が謎の患者に導かれて幕末の江戸にタイムスリップする。
幕臣旗本の橘恭太郎(小出恵介)が攘夷派志士に襲われ前頭部に怪我したところを手術して治したことで、橘家に居候して暮らし始める。
綾瀬はるかの役は、恭太郎の妹で、仁との出逢いから看護婦から女医になる橘咲である。


(橘咲 イラストby龍女)

後半は特に坂本龍馬(内野聖陽)を救えるかどうかの話が中心になってくる。


(内野聖陽が演じる坂本龍馬 イラストby龍女)

南方仁は、現代にいた頃恋人の小児科医の友永未来(中谷美紀)を脳腫瘍手術をしたが、植物状態にしてしまって後悔している。
この問題が、坂本龍馬の救出と絡み合って、仁は親しい人たちを救えるのか?
幕末の志士たちとの交流を通して、実現できるかがドラマの面白さとなっている。
中谷美紀は江戸時代では、未来にそっくりな花魁の野風を演じている。

綾瀬はるかは、この共演をきっかけに中谷美紀と仲良くなって芸能界のお友達になったらしい。


大河ドラマ主演作『八重の桜』(2013)

いよいよ満を持して大河ドラマの主人公として演じた実在の人物は
山本(新島)八重(1845~1932)である。


(山本八重 イラストby龍女)

脚本は、『相棒』の脚本家陣の一人で、他に『トップセールス』(2008年、NHK)
朝ドラ『ゲゲゲの女房』(2010年)を手がけた
山本むつみである。
時代劇をやりたかったが、2000年代は特に時代劇は冬の時代だったので、ラジオドラマで時代劇の脚本を書いて応募してプロになった人物である。
今年のテレビ東京で1月6日に放送された正月時代劇『ホリデイ~江戸の休日~』が最新作である。


(山本むつみ イラストby龍女)

この『八重の桜』は2011年の東日本大震災で、津波による原発事故に巻き込まれ特に被害が大きかった福島県を舞台にすると言うことで企画された。
明治維新の頃、佐幕派として戊辰戦争の敗戦で苦汁をなめた会津藩の人々の群像劇である。
その代表者として、新島八重が選ばれた。
若い頃は戊辰戦争では兵士として参戦し、日本のジャンヌ・ダルクと呼ばれた。
維新後は新島襄(1843~1890 オダギリジョー)と結婚し、同志社を共に創設した。


(『八重の桜』の新島襄 イラストby龍女)

襄の死後は、赤十字社の看護婦等、ボランティア活動をした。
綾瀬はるかはその優れた身体能力を使って、女戦士として戦争のみならず、キリスト教の布教や看護教育など、女性の社会進出のパイオニアとして様々な困難と闘った人物を熱演した。
『レジェンド&バタフライ』の前半の濃姫はこの時の八重役とオーバーラップする。


大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』(2019)

1986年の『いのち』以来、昭和を戦後まで描いた近現代史の大河ドラマである。
脚本は宮藤官九郎(1970年7月19日生れ)である。


(宮藤官九郎 イラストby龍女)

東京オリンピックが行われる予定だった2020年の前年に企画された、1964年の東京オリンピックに至るまでの日本のスポーツ事情を描いた二部構成のドラマである。

綾瀬はるかは前半の主人公金栗四三(1891~1983 中村勘九郎)の妻になる池部スヤを演じた。



(『いだてん』 イラストby龍女)

この中で特に印象的なシーンは、四三が上京するときに、列車に揺られて旅立つ彼を追いかけて全力で自転車をこぐのだが、あまりにもスピードが速くてビックリした。

後半の主人公は、コーチとして日本の水泳全盛期を作り、新聞記者としても、東京オリンピック誘致に尽力した田畑政治(1898~1984 阿部サダヲ)である。
後半のラストでスヤは夫と1967年のストックホルムオリンピック開催55周年記念式典のイベントに登場している。

綾瀬はるかは幼少期に故郷の広島で男の子と野山を駆けまわって育ったそうだ。
それは、映画でも生かされる。

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