木村拓哉主演『レジェンド&バタフライ』で織田信長の妻・濃姫を演じる綾瀬はるかが、最後まで老けないメイクをしているのには理由があった?

2023/2/3 17:00 龍女 龍女

綾瀬はるかは、2000年の第25回のホリプロタレントスカウトキャラバンの審査員特別賞を受賞して、芸能界デビューしている。
オーディションを受けたきっかけは、親しかった双子の友達が2度目の挑戦をするので、それについて行ったら、こっちの方が受かってしまったそうだ。
(TOKYO-FM『木村拓哉のFlow』の1月マンスリーゲスト出演、1月14日放送から)

この頁では、綾瀬はるかの現代劇の連続TVドラマを中心に紹介する。


『世界の中心で愛を叫ぶ』 (2004年7月、TBS)


(『世界の中心で愛を叫ぶ』の1シーンから引用 イラストby龍女) 

このドラマのオーディションを受けるとき、たまたま原作の片山恭三の小説を読んでいた。
今まで何となく受けていたオーディションだったが、初めて積極的に参加したと言う。

映画版の『世界の中心で愛を叫ぶ』は2004年の5月に公開され、TVドラマは2ヶ月後の7月に金曜ドラマとして放送開始した。

映画版は、長澤まさみ(1987年6月3日生れ)と森山未來(1984年8月20日生れ)の出世作になった。

ドラマ版も、山田孝之(1983年10月20日生れ)が主役級に躍り出た。
難病モノであり、学園モノでもあったので若手俳優(本仮屋ユイカ・柄本佑など)の登竜門的作品の一つになった。

綾瀬はるかは、得意の陸上を生かした。
足が速く明るくはつらつだったが白血病に倒れ17歳の若さで死んだ廣瀬亜紀を熱演した。

このドラマが大ヒットした理由としては、女性に受けただけではない。
高校時代に白血病で死んだ同級生の思い出がよみがえった中年男性が何人もいた。
このドラマが中年男性の高校時代の思い出を刺激したのは、広瀬亜紀の父親・真を
三浦友和(1952年1月28日生れ)が演じたことにある。
三浦友和と言えば、綾瀬はるかの事務所の大先輩である
山口百恵(1959年1月17日生れ)とのゴールデンコンビだ。
特に赤いシリーズの第2弾の『赤い疑惑』(1975年10月~1976年4月)だ。
白血病に冒されるヒロインの相手役を演じている。

いっぽうで、プロデューサーの石丸彰彦(1974年6月9日生れ)


(石丸彰彦 イラストby龍女)

脚本家の森下佳子(1971年1月24日生れ)


(森下佳子 イラストby龍女)

2010年代までのTBSの大ヒットドラマのコンビが誕生するきっかけにもなった。
筆者は以前、脚本家の養成所であるシナリオセンターで石丸彰彦の講演を聴いている。
それによると、ドラマを企画するのにあたって、TVプロデューサーはお抱えの脚本家を数人持っているそうだ。
石丸彰彦の場合は、三人いて、それが前述した森下佳子以外では
野島伸司(1963年3月4日生れ)
いずみ吉紘(1968年12月21日生れ)
だそうだ。

石丸彰彦本人の話によると、
内容が王道のドラマの場合は、森下佳子。
熱い内容の場合は、いずみ吉紘。
エッジが効いた内容は、野島伸司。
と使い分けているそうだ。
この中で、綾瀬はるかも出演している作品は
森下佳子は『白夜行』(2006)
いずみ吉紘は『南極大陸』(2011)
野島伸司は『あいくるしい』(2005)
がある。

筆者は以前月9を取り上げたコラムの後半に指摘した
1980年代生まれの俳優、レベル高すぎる問題がある。
これは2000年代に邦画が復活して、欲しい人材の若手俳優の年代が80年代生れとピッタリ一致したからである。
そこで、最も多く制作されたのが漫画・アニメ原作の実写化である。


『義母と娘のブルース』(2018年7月~9月)
これも桜沢鈴の漫画が原作である。
プロデューサーは違うが、再び森下佳子と組んだTBSの火曜ドラマである。
30代を迎えた綾瀬はるかが光友金属のキャリアウーマンだった岩木亜希子を演じている。


(『義母と娘のブルース』の岩木亜希子 イラストby龍女)

岩木亜希子は、ライバルの櫻金属工業に勤務するバツイチの宮本良一(竹野内豊)の再婚相手になる。
しかし、一年あまりで良一はスキルス胃ガンで他界。
遺された一人娘みゆき(上白石萌歌)が成長するまでの10年間を描くホームドラマである。

ここでの綾瀬はるかは、日テレで放送された『ホタルノヒカリ』の雨宮蛍とは違って喋り口調が固い私生活も真面目なキャリアウーマンを演じている。

綾瀬はるかは天然と言われるが、集中力が凄く仕事熱心なあまり人の話を聞いていない性格が見て取れる。


彼女が現在国民的俳優となったきっかけの大ヒット作の時代劇の作品群では、綾瀬はるかが女性も男性にも好かれる希な性格について触れながら、紹介していこう。

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