映画『嘘八百 なにわ夢の陣』中井貴一とW主演、佐々木蔵之介が酒を飲む仕草が実に旨そうにみえる理由とは?

2023/1/13 18:40 龍女 龍女

佐々木蔵之介は、二条城の近くの酒蔵をもつ、佐々木酒造が実家である。
創業は1893年である。
酒屋の跡継ぎは農大で、酒の発酵を促す麹菌の理論を学ぶために入るらしい。
筆者は漫画『もやしもん』で知った。
佐々木蔵之介は神戸大学の農学部を卒業したそうだから、当初は後を継ぐつもりがあったようだ。
在学中から、宣伝の勉強を兼ねて演劇をするようになったが、そちら方にハマってしまい、社会人になってから、広告代理店「大広」に入社し、2年ほど勤務したが芝居の面白さが忘れられず、後を弟に譲った。
実は兄弟は3人いて、長男も後を継がず、3男の晃が現在の4代目当主だそうだ。

しかし、佐々木蔵之介が有名になればなるほど、佐々木酒造も有名になるので、ある意味跡継ぎの一部は担っている。
『ミヤコが京都にやってきた』で、20歳になった娘とお酒を飲むシーンがあった。
芦屋雁之助が歌った『娘よ』の歌詞に出てきそうな、オヤジが嬉しくなるような状況が自然にみえた。
佐々木蔵之介はたまたま、なりたい仕事が見つかって継がなかっただけで、実家が酒造なだけに普通の人よりは酒に愛着を持っているはずだ。
だから、酒を飲むのが旨そうに見えるのだろう。

その佐々木酒造のお酒を、筆者はなんと、オンラインショップで、購入しました!
実は、BS日テレで放送されている『ぶらぶら美術・博物館』の新春スペシャルを観て決めた。

酒の神社、京都嵐山にある松尾(まつのお)大社
佐々木酒造の酒聚楽第の樽酒が奉納されているのを観たからだ。

「聚楽第が飲みたい!」
これを実現するのは、佐々木酒造で直接購入するのが一番安上がりだ。
検索してみたら、オンラインショップを発見。
送料は880円だが、5500円以上購入すると、送料がかからないので、組み合わせを考えてこうなった。



筆者は、千利休の切腹の原因になった木像がある大徳寺の山門が近い、京都烏丸北大路にある大谷大学の卒業生である。
在学中、近所の町屋を改造して居酒屋にした店で底冷えする京都の寒さから体を温めるために、熱燗の日本酒が美味しかった思い出がある。
大好きな日本酒の条件は、お燗にして美味しいが優先される。
佐々木酒造の商品のオプションから、燗をオススメしている
まるたけえびすを選んだ。
写真の右に映っている瓶のお酒だ。
京都の通りの名前を覚える童歌から引用した銘柄の酒が、一升瓶(1800ml)サイズで一番安い。

真ん中が、佐々木酒造で買いたいと思った動機の銘柄『聚楽第』の720mlだ。
聚楽第は映画の題材になった豊臣秀吉の京都の拠点になった建造物である。
今なら、首相官邸と言いたいところだが、私邸に近いだろう。
現在の京都御所と二条城の中間にあった。
1586年から1595年とわずか9年間しか存在しなかった幻の屋敷である。
その広い敷地の西の端の上に佐々木酒造は建っている。
聚楽第とはそういう由来の銘柄である。

左が川端康成(1899~1972)の小説『古都』から頂いた銘柄の一升瓶である。
川端康成の字で揮毫されたラベルだそうだ。
佐々木蔵之介は1968年生れなので、おそらく川端康成とは面識はなさそうだ。
先代か先々代の話なのだろう。
小説『古都』は生き別れた双子の姉妹を描きながら京都の四季も描いた内容である。
筆者も新潮文庫で持っている。
有名なのは、2度の映画化だ。
1963年には岩下志麻(1941年1月3日生れ)主演。
監督は中村登(1913~1981)で松竹製作。
1980年には山口百恵(1959年1月17日生れ)の引退記念の最後の主演映画として作られた。
監督は市川崑(1915~2008)で、東宝製作。

川端康成は大阪出身で、鎌倉に住み、日本美術のコレクターとしても有名である。
川端家はそれなりの素封家であったので、実家には古くからのお宝もあって引っ越す度に持ち出していた様だ。
川端康成は10代半ばで孤児になってしまったので、そのお宝が淋しい心を癒していた面もあったようだ。
川端コレクションには、国宝級のお宝もあるそうである。
こちらも『嘘八百』のネタになりそうである。
川端が住んだ鎌倉には佐々木蔵之介を陶芸指導したもう一人のプロット協力者
檀上尚亮がいるらしいので、非常に楽しみにしている。

佐々木酒造の酒が届いた夜、筆者は「まるたけえびす」のお燗を一合、自宅にある梅の描かれた徳利で温めて、飲んだ。
味は、辛口でクリアで飲みやすい。
ああ、冬の京都の町屋で熱燗飲みたいなあ!


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