映画『嘘八百 なにわ夢の陣』中井貴一とW主演、佐々木蔵之介が酒を飲む仕草が実に旨そうにみえる理由とは?

2023/1/13 18:40 龍女 龍女

ヒントは、佐々木蔵之介の最初のW主演映画『間宮兄弟』(2006) で、弟役を演じた
塚地武雅(1971年11月25日生れ)である。

『嘘八百』シリーズで塚地が演じている職業の人がいる場所である。


(田中四郎を演じる塚地武雅 イラストby龍女)

塚地武雅演じる田中四郎とは何者なのか?
職業は学芸員である。
博物館や美術館に勤務して、展示品の調査研究と、更に展示の企画を立てる。
筆者は、高校までずっと図書委員をして、大学生活の前半は図書館司書の資格の授業を受けていた。
図書館司書の資格はほぼ学芸員の資格と同じだ。
学芸員は、骨董品の由来を知るためにお宝の目録が書かれる古文書を解読する訓練を受けなければならない。
くずし字辞典や古典中国語の授業を受けて、文献解読の勉強を続ける。
学芸員の基盤となる技能である。
図書館の職員も、公立私立問わず図書館が所蔵している地元の古地図を始めとする郷土の古文書の保管解読が仕事の一部となっている。
学芸員と仕事が重なる。

しかし筆者は、図書館司書の仕事が狭き門と知って、諦めてしまった。
だから、学芸員は憧れの職業なのである。

実は田中四郎には実在のモデルがいる。
堺市博物館の学芸員矢内一磨である。
彼は田中四郎のモデルと言うだけでなく、映画のシナリオの台詞にする前の骨組み、あらすじより少し詳しいプロットの協力もしている。


(矢内一磨 イラストby龍女)

そして、役名の田中四郎とは堺が誇る日本史上の偉人、茶聖千利休(1522~1591)の本名田中与四郎から来ている。

田中四郎は、千利休への愛が溢れすぎて「よ」が無くなったとの洒落だろう。


では東京では、『嘘八百』シリーズに登場するお宝のヒントになった抹茶茶碗はどこで観られるだろう?
東京には入場料1000円を払えば事前予約無しに観賞できるところがある。
その名を東京国立博物館と言う施設だ。



この写真の中央にみえる本館を始め別料金の特別展以外の常設展示が観られる
総合文化展のチケットを購入すれば1000円で一日過ごせる空間がある。

さて、筆者は、昼食を食べた後、上野にある東京国立博物館にやってきた。
『嘘八百 なにわ夢の陣』をTOHOシネマズ新宿で夕方の回で観る前だった。
予習のために常設展示室にある抹茶茶碗を見学することにした。

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