最新作が上映中のスピルバーグの代表作『ジュラシック・パーク』『ジュラシック・ワールド』シリーズは、実は恐竜好きにとっては好きとはなれない映画である理由が分かった
すでに、筆者の世代がバレているが
最新の想像図の第一印象は、ヴェロキラプトルはまるでシラケ鳥をリアルな感じにしたようにみえた。
今放送されている地上波のバラエティ番組のキャラクターに例えると、
江戸川の黒い鳥キョエちゃんをリアルにした感じにも見える。
恐竜はでかいイメージがあるかもしれないが、種の割合だけ観ると圧倒的に小さなサイズの方が多い。
ヴェロキラプトルは『ジュラシック・パーク』『ジュラシック・ワールド』シリーズにティラノサウルスと並び、全作に登場する。
『ジュラシック・パーク』のテーマである人間と恐竜の関係の変化を象徴するようなキャラクターの恐竜だ。
しかしそれはあくまでも作品の世界観の中での変化である。
ヴェロキラプトルは中国のモンゴル自治区のゴビ砂漠で発掘された比較的小型の肉食恐竜である。
中国のゴビ砂漠は、恐竜の発掘場所としてアメリカに次ぐ最大級の場所である。
筆者は行った事はないが、80年代にはすでに有名な発掘現場だったので、ゴビ砂漠は小学校の高学年で世界の地理の授業を受ける前から、知っていた名称である。
中国の経済発展と共に化石の発掘の資金が提供されるようになったお陰で、中国の恐竜の化石の新発見の数々で恐竜の生態の仮説が次々と塗り替えられている。
(ヴェラキラプトル。『ジュラシック・パーク』と最新研究の想像図の違い イラストby龍女)
映画としては『ジュラシック・パーク』、確かに面白かった。
しかし、高校生の頃にこの映画に出逢ったのが遅すぎもし、早すぎたとも言える。
『ジュラシック・パーク』に高校生位の年齢の登場人物は出てきたであろうか?
子役が二人いた。
『ジュラシック・パーク』を作ったジョン・ハモンド(リチャード・アッテンボロー)の孫の姉弟
アレクシス・マーフィ(アリアナ・リチャーズ 1979年生れ)
ティモシー・マーフィ(ジョゼフ・マゼロ 1983年生れ)
演じたアリアナ・リチャーズは公開年1993年当時14歳、ジョゼフ・マゼロは10歳である。
ジュラシック・パークの主人公のアラン・グラント(サム・ニール)は恐竜好きの子供がそのまま大人になった人物で、実は子供が苦手である。
現在の筆者は精神的には大人になったので今は子供に苦手意識は無い。
筆者が高校生だった時に観た『ジュラシック・パーク』で恐竜におびえまくっている子役や自分の欲望のせいで恐竜に襲われている大人の姿を見るのが苦痛だったのかもしれない。
せっかく大人になろうとしている年齢に観るのは不向きの作品だったのだ。
(世界一有名な古生物学者ジャック・ホーナーと、彼をモデルにしたサム・ニール演じるアラン・グラント イラストby龍女)
筆者は両親と共に小さな野獣である猫のブエナと同居している。
筆者の父はブエナに嫌われている。
その理由は自分の都合で大きな声で近づいて追いかけるからである。
こうした日常を送っていると、わざわざ動物に悪さをして襲われる人間を映画館で観に行きたいとは思わない。
襲われるのは当然で別に驚きもしない。
筆者は非日常を求めて恐竜をめでたいのに、人間と戦うところを見世物として喜ぶ気になれないのだ。
一番タチが悪いのは、争いを他者にさせて笑って喜んで高みの見物をしている権力者である。
『ジュラシック・パーク』シリーズにはその手の人物が繰り返し出てくる。
現実にそんな人間に被害にあった事がある筆者には、辛くて観れなかった事が今ようやく分かったのである。
参考文献:『恐竜 新版 学研の図鑑LIVE』(学研プラス)
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