まだコーヒー飲んでるの?世界的にいまお茶が熱い!全米で50店舗の日本茶カフェを展開
こんにちは。satominです。
「コーヒーはおっさんの飲み物」という日が来年には来るかも。
といっても、これはアメリカの話です。アメリカはもう若者の間ではお茶がコーヒーにせまる勢いです。
スタバのお茶専門店「ティーバナ(TEAVANA)」展開に象徴されるように、世界的にいまお茶が熱い!海外、特にアメリカの若者の間でお茶人気が高まっています。
スターバックスがお茶専門店「ティーバナ(TEAVANA)」を2012年に買収し、2013年以降全米で続々と出店。今年には日本に上陸すると以前のコラムでご紹介しました。スタバがお茶専門店の展開を始めた理由は、900億ドルとも言われるグローバルなお茶市場への参入が目的ですが、もう1つ、アメリカでのお茶への関心が上昇していることも理由の1つといえます。
⇒ 前回のコラム「日本上陸目前!スタバのお茶専門店「ティーバナ」ってどんなお店?」
さて、ここで興味深いデータがあります。年代別でコーヒーとお茶をどちらを好むかアメリカ人の2015年の統計です。
[ 出典:http://www.statista.com/ ]
30歳以下の若者の間では、コーヒーとお茶は各42%と同じぐらい好まれているのがわかります。
それが世代があがるたびにコーヒーを好む率が増え、お茶を好む率が減っていきます。65歳以上の世代では、コーヒーが70%、お茶が21%と、圧倒的にコーヒー強しです。
30歳~44歳で、コーヒーが50%、お茶が35%。
45歳~64歳で、コーヒーが62%、お茶が28%。
コーヒーはアメリカでは高齢者が好む飲み物であるといえます。
一方、若い世代で人気になってきている飲み物がお茶です。
なぜお茶がアメリカの若者の間で好まれるようになってきているのか?最も高い要因としてはお茶の健康上の利点があると言えるでしょう。緑茶はアメリカでは特に健康志向の高い消費者の間で人気があります。今後も徐々にコーヒーの人気が陰りを見せ、数年の間に飲み物の選択肢でお茶がコーヒーと肩を並べることになるでしょう。
そのうち「コーヒーはおっさんの飲み物」というイメージが、アメリカの若者の間では定着しているかもしれません。
◆全米に50店舗の日本茶カフェを展開
そんなトレンドにのって日本のお茶もアメリカでがんばってほしいところですが、1つ朗報が。
クールジャパン機構(海外需要開拓支援機構)が、長崎の「日本茶カフェ」事業に約2億6千万円を出資することを発表しました。
日本の商品や文化を海外へ売り込む官民ファンドであるクールジャパン機構が、日本茶の輸出事業を行う「マエタク」と、カステラの「文明堂総本店」など長崎県の企業を中心とする団体とともにアメリカにおける「日本茶カフェ」事業を展開します。
日本茶カフェの運営は共同で設立する「GREEN TEA WORLD USA, Inc」が行い、今年中に米国カリフォルニア州に1号店を出店し、今後10年間で50店舗の出店を目指すという実にアグレッシブ。
日本茶カフェ「グリーンティーテラス(仮)」は健康志向が高く、ライフスタイルのこだわりを持っている層をターゲットにしています。カフェでは日本産の良質な茶葉を使ったドリンクを長崎の茶器で提供し、テイクアウトにも対応。ドリンクのラインナップとしては、日本産茶葉を利用した煎茶、ほうじ茶、抹茶エスプレッソ、キャラメルほうじラテ、スパークリンググリーンティなどを予定。1ドリンク約3~4USドル、400円前後で販売ということで、これが高いのか安いのかは判断が難しいところ。サイドメニューはもちろん文明堂のカステラ!
茶葉や茶器は日本から空輸すると思いますが、ここで気になるのが実際店舗でお茶を淹れるスタッフのスキル。日本人でも最近ではちゃんとお茶を淹れられる人が少なくなっているのに、現地採用のスタッフが美味しいお茶が淹れられるのか?それとも、誰が淹れても美味しいお茶になる仕組みを作るのか…。1号店が楽しみです。
じつは日本茶が海の向こうで注目されるのはこれがはじめてではありません。明治から大正にかけて、生糸とならんでお茶は日本の主要な輸出品で、海外にたくさんの日本茶が渡っていったのです。国内生産量の過半数が輸出され、輸出先No.1がアメリカでした。しかし、アメリカでのインド・セイロン紅茶の人気や、戦争の影響により輸出は減っていきました。
輸出の減少により長らく国内市場へ目をむけていた日本茶でしたが、最近では欧米で健康飲料として注目され、輸出も増加傾向です。2012年の輸出額は5年前の1.5倍の50.5億円で、その約半分はアメリカが占め、次いで、シンガポール、ドイツ、台湾、カナダと続きます。さらに追い風になっているのが海外の「日本食レストラン」の店舗数の増加です。2013年は5万5千と7年前から約2.3倍の増加で、2013年12月に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録されたことからさらに増えていくでしょう。(農林水産省「茶の輸出戦略」より)
全米に50店舗の日本茶カフェを展開というのも、全米でのお茶のトレンドを見るとあながち無謀というわけでもなく、充分受け入れられる素地はありそうです。実際、米国では健康志向の高い消費者の間でお茶が人気で市場的には1兆円規模に到達し、今後もさらに成長を期待できるとか。
そのうちハリウッドセレブが日本茶を片手にもったお洒落なスナップがInstagramにUPされたりするかもしれません。
アメリカの若者の間で「Coolな日本茶ブーム」がくるのか、日本茶好きとしては成功してもらいたいところです。
(satomin@日本茶インストラクター)
⇒ コラム「日本上陸目前!スタバのお茶専門店「ティーバナ」ってどんなお店?」
⇒ コラム「ニューヨークにお茶ブーム?スタバがお茶専門店「ティーバナ」をOPEN!」
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