『Arcアーク』出演の「寺島しのぶ」に演じてもらいたいのは、特撮映画の〇〇役?

2021/6/30 22:00 龍女 龍女

③ベルリン国際映画祭で日本人俳優3人目の快挙
映画デビューは、水野晴郎のカルト的人気シリーズ『シベリア超特急2』であった。

映画での役には恵まれず燻っていた時期に、直木賞を獲得した車谷長吉(1945~2015)の『赤目四十八瀧心中未遂』を読んだ。
小説を読んで感銘を受け、読者カードに
「自分は音羽屋(尾上菊五郎家の屋号)の娘だけど、『赤目四十八瀧心中未遂』が映像化されたら綾ちゃんの役をさせて下さい」
と書いて送ったそうだ。
鈴木清順監督の大正ロマン3部作の(『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』『夢二』)のプロデューサーとしても有名な荒戸源次郎が監督として映像化したときに、読者カードの内容を覚えていた車谷長吉が寺島しのぶを推薦したそうだ。

映画のポスターにも採用されたが、入れ墨を入れた背中が何か語っているようで凄みがある。
2003年に公開された映画は評判を呼び、日本アカデミー賞の最優秀主演女優賞を獲得した。
これ以降は主役脇役問わず映画界で欠かせない顔になっていく。

2010年の若松孝二監督の『キャタピラー』は撮影期間11日間の低予算作品である。
江戸川乱歩『芋虫』を戦時下の日本に置き換えたオリジナルストーリーで、ベルリン国際映画祭に出品された。


(銀熊賞を受け取った様子 イラストby龍女)

そこで銀熊賞の最優秀女優賞を獲得した。


(『飢餓海峡』の左幸子 イラストby龍女)

1964年の今村昌平監督の『ニッポン昆虫記』の左幸子


(映画の1シーンから イラストby龍女)

1975年の熊井啓監督の『サンダカン八番娼館 望郷』の田中絹代
以来の3人目の快挙であった。
(その後、2014年に山田洋次監督『小さなおうち』で黒木華が同じ賞を受賞している)

映画では、地上波のテレビでは出来ない性や暴力描写が描ける。
寺島しのぶと言えば脱ぎっぷりの良さが挙げられるが、
本編でそう描かれているからそうしているに過ぎない。
エネルギッシュな個性を表現する一手段である。

さて、テレビドラマでの寺島しのぶはまた違った個性を見せた作品があるので、それも紹介していこう。

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