『Arcアーク』出演の「寺島しのぶ」に演じてもらいたいのは、特撮映画の〇〇役?

2021/6/30 22:00 龍女 龍女

②演劇界で「天才」とよばれるが…
父・七代目尾上菊五郎の友人とは、太地喜和子(1943~1992)である。


(太地喜和子 イラストby龍女)

青山学院大学在学中に勧められ俳優を志すようになった。
前回のコラムの主人公、内野聖陽と同期に養成所に入った。
1992年に文学座に入る。


(杉村春子 イラストby龍女)

文学座は新劇を代表する劇団の一つである。
太地喜和子は、文学座を代表する看板俳優の杉村春子(1906~1997)の後継者と言われた。
特に周囲は杉村春子の当たり役の一つ『欲望という名の電車』のブランチ役を演じさせたがっていた。
1992年10月12日の事故死でそれは実現しなかった。

寺島しのぶは太地喜和子が出た伝説の舞台の再演に出演した。

1995年、蜷川幸雄演出の『近松心中物語』である。
初演は1972年で平幹二朗の忠兵衛、太地喜和子の梅川、菅野菜保之の与兵衛、市原悦子のお亀であった。
1995年版は、板東八十助(後の坂東三津五郎。1956~2015)の忠兵衛、樋口可南子の梅川、勝村政信の与兵衛。
寺島しのぶは、お亀役であった。
この舞台はNHKのBSでも放送されて、筆者は初めて舞台俳優・寺島しのぶの存在を知った。
この時のお亀の印象が強烈で、一緒にテレビを観た母と
「寺島しのぶ、凄かったねえ」
と言い合ったのを覚えている。
この舞台は評判だったようだ。
1996年の演劇賞を数多く受賞した。
読売演劇大賞最優秀演出家賞 - 蜷川幸雄
読売演劇大賞優秀女優賞 - 寺島しのぶ
松尾芸能賞演劇新人賞 - 寺島しのぶ
名古屋演劇ペンクラブ奨励賞 - 寺島しのぶ・勝村政信
2004年に『新・近松心中物語』で阿部寛の忠兵衛、寺島しのぶの梅川、田辺誠一の与兵衛、須藤理彩のお亀で再演された。
太地喜和子が演じた梅川を継承したことになる。

1996年に寺島しのぶは文学座を退団する。
杉村春子に退団の相談した時、快く送り出されたという。

舞台俳優として数多くの名演をしているが、映画俳優としても評価を受けているので、今度は映画での活躍を観ていこう。

    次へ

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5
  6. 6