『レンアイ漫画家』の鈴木亮平の体が心配?日本では彼が実践する「デ・ニーロ・アプローチ」とは?

2021/5/5 22:00 龍女 龍女

③トム・ハンクスがデ・ニーロ・アプローチをした結果

昨年、3月にオーストラリアで映画を撮影中、妻のリタ・ウィルソンと共にコロナウィルスに感染したトム・ハンクス。
2013年にトム・ハンクスは、糖尿病であると公表した。
コロナに感染して重症化しやすいのは、基礎疾患がある人だという知識はすでに出回っていた。
筆者は個人的にも心配していたのだが、未だに健在で安心している。

彼が糖尿病になった原因は、トム・ハンクスが一番仕事をしていた時期にある。
1990年代半ばに次々と名作映画に引っ張りだこで、



1993年に『プリティ・リーグ(筆者が最悪だと思った邦題。A League There Ownを直訳すれば良かった)』で演じた第二次大戦下に実在した女性プロ野球リーグの監督役は大幅な体重増。



同じ年に公開された『フィラデルフィア』では、エイズを発症したゲイの弁護士役では体重を減らした。



翌年の『フォレストガンプ』では、体重を増やしたがおそらく標準に戻した。
特に『フィラデルフィア』『フォレストガンプ』の演技で、二年連続オスカーの主演男優賞を獲得したことは成功の証である。
しかしその代償は大きかった。
トム・ハンクスは糖尿病を発症してしまった。

実はロバート・デ・ニーロ本人も今はデ・ニーロ・アプローチを止めた。


④西郷どん・西郷隆盛の人生に合わせてどう体型を変えていったか?

鈴木亮平のデ・ニーロ・アプローチの集大成的役が西郷隆盛(1828~1877)である。
西郷隆盛は晩年の太った姿が最も有名だ。
実際はその一生の中で太っていたのは晩年の10年間くらいだった。

若い頃はむしろ痩せていた。

薩摩藩の下級役人の郡方書役の頃は田んぼを廻って、色黒で健康的だった。
西郷隆盛が君主である島津斉彬(渡辺謙)にお目見えするために相撲を披露するシーンがある。
鈴木亮平は、大相撲で言うところのそっぷ型の力士の体型に仕上げている。
千代の富士や白鵬のような体型だ。
藩内の政争に巻き込まれて、徳之島・沖永良部島に流された頃のシーンは最も体重を下げている。
まともな食事を与えられず、牢に閉じ込められていたので、病的な痩せ方に見えるようにした。

1868年に明治維新が始まった。
参議として、様々な改革に取り組んだが、その間にだんだん太りだした。
明治政府での仕事のストレスが主な原因だったらしい。

そこで医師に勧められて、ダイエット両方として実践したのが犬の散歩だ。

それが、上野公園の西郷隆盛の銅像で犬を連れている姿を再現した形になった理由である。
晩年の西郷に合わせるために体重を増やした。
2015年公開の映画『俺物語!!』で高校生役で太っているが、筋肉太りである。
西郷隆盛は40代後半の中年男性なので、腹に脂肪がたまった太り方に仕上げている。
そのニュアンスも計算した体作りをしている点が、鈴木亮平の凄いところである。

さて、最新作『レンアイ漫画家』では、どんな役作りをしたのか?

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