『レンアイ漫画家』の鈴木亮平の体が心配?日本では彼が実践する「デ・ニーロ・アプローチ」とは?

2021/5/5 22:00 龍女 龍女

①鈴木亮平は何故デ・ニーロ・アプローチをするのか?



鈴木亮平は中学生の頃から俳優になりたいと思っていたそうだ。

2006年に東京外国語大学外国語学部を卒業した。
直後に塩谷俊主宰の演技学校アクターズクリニックに所属したのが大きい。

塩谷俊(1956~2013)は、慶応大学在学中に、奈良橋陽子が総監督の英語劇団モデル・プロダクション(東京学生英語劇連盟)に在籍して演技を磨いた。
俳優としては主に脇役が多かった。若い頃は『おしん』にも出ている。
英語力を生かしてオーストラリア(『アンボンで何が裁かれたか』)やアメリカ映画(『ミスター・ベースボール』の通訳役)にも出演している。
映画監督としても6本の作品がある。
5本目が鈴木亮平が主演の『ふたたびSWING ME AGAIN』(2010年)である。

塩谷俊の師、奈良橋陽子(1947~)は、一般的にはゴダイゴの『モンキー・マジック』や『ガンダーラ』の作詞で有名だが、多くの俳優(中村雅俊、別所哲也、藤田朋子、今井雅之など)を育てたことでも業界内では有名である。

奈良橋陽子はアメリカの有名な演劇学校の一つ、ネイバーフッド・プレイハウスで学んだ。
それがスタニフラフスキー・システムを基礎とした演技法、メソッド演技である。
ロバート・デ・ニーロが学んだアクターズスタジオと同じ方法である。
源流をロシアの演出家コンスタンチン・スタニフラフスキーの方法とする分派である。

ロバート・デ・ニーロの役作り、デ・ニーロ・アプローチはメソッド演技の極北と言っても過言ではない。
短期間ではあるが役の職業を体験してみて自分の体に覚えさせるやり方だ。
『タクシードライバー』の時は、撮影前にタクシーの運転手を短期間やってみる。
『レイジング・ブル』の時は、ボクサーのトレーニングをみっちり受ける。

実は鈴木亮平の趣味はボクシングだ。
同じくボクシング愛好家の香川照之が『坂の上の雲』で、結核にかかった正岡子規の晩年を演じる際にボクシングで痩せたと公言していたので、近いことをしているのに違いない。


②天皇の料理番・主人公の兄秋山周太郎で狙ったこと。

昭和天皇の料理番を務めた秋山篤蔵(佐藤健)の物語だ。
鈴木亮平は優秀だったが当時の不治の病だった結核にかかってしまう兄の秋山周太郎を演じた。
この役のために、鈴木亮平は20㎏ほど減量したという。
筆者は絵の癖で横長に描いてしまうので再現し切れていないが、なんとか伝わっているとは思う。
ボクシングの減量テクニックを使用しただろうから日程も短期間に施した事は想像がつく。

鈴木亮平はこの時インタビューで、役柄も自分のやり方も二つの意味で
「体に良くないです」
と言っていた。どうしてそうなのか?

体を悪くしてしまった具体例がトム・ハンクスである。

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