【これは見逃せない!】アニメでしか描けない世界に挑戦したクリエイター達

2019/7/11 20:15 KIN KIN

さて、まだまだ、凄いクリエイターや伝説のアニメーションの紹介は続きます。

四大タイトルを制覇した日本人監督



頭山 Mt. Head

こちらの短編アニメーションの名手、山村浩二監督の代表作でもある『頭山』(2002年)も素晴らしい作品です。世界四大アニメーション映画祭のうち3つでグランプリを受賞し、アカデミー賞短編アニメーション賞ノミネートした作品(残念ながら受賞は逃しましたが短編アニメーション賞ノミネートは日本人初)。


「頭山」山村浩二作品集 [DVD]
山村浩二 (出演), 国本武春 (出演)


落語の演目である「頭山」をアニメーションにしたというアイデアです。山村浩二監督はその後もフランツ・カフカ原作の『カフカ 田舎医者』(2007年)と言う作品で世界四大アニメーション映画祭のグランプリ未受賞だった最後の一つを受賞し、一人で国際アニメーション映画協会公認の四大アニメーション映画祭すべてでグランプリを獲得しています。


これが伝説のカルトアニメーション



Blu-ray『ファンタスティック・プラネット』1分CM

次にご紹介するのがフランス産まれのルネ・ラルー監督作品『ファンタスティック・プラネット』(1973年)。とある惑星を舞台にした二つの種族の争いを描いた伝説的なカルトアニメーション映画です。結末にも注目の作品。


ファンタスティック・プラネット [Blu-ray]
ルネ・ラルー (監督)


夢に出てきそうなほどの奇妙な世界や生き物たちを描くこのアニメーションはまるでヒエロニムス・ボスの描く絵が動いているようです。この不思議な世界観は宮崎駿の漫画・アニメ『風の谷のナウシカ』に影響を与えたとも言われています。

上記CMは間違いなく『進撃の巨人』の漫画/アニメを意識していますが、確かにあの作品も影響を受けていそうな気もしますね。



進撃の巨人展FINAL
https://www.kyojinten.jp/
森アーツセンターギャラリー
2019/7/5-2019/9/8


日本アニメ界に大きな影響を与えた監督



『霧の中のハリネズミ』(『霧につつまれたハリネズミ』)

おそらく今回ご紹介した中では最も有名な作品なのではないでしょうか?ソ連/ロシア国籍のユーリ・ノルシュテイン監督作品『霧の中のハリネズミ』(1975年)です。先に紹介した高畑勲とも深い交流がある人です。


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ユーリー・ノルシュテイン (監督)


切り絵を使ったコマ撮りで霧の表現をしているという手のかかった作品です。漫画家である手塚治虫もユーリ・ノルシュテイン監督のサインを部屋に飾っていた、スタジオジブリの宮崎駿もユーリ・ノルシュテイン監督を意識していたなど、のエピソードがあり日本のアニメーションの世界にも様々な影響を与えている人です。


あの漫画の神さまが手がけた実験的作品



「ジャンピング」手塚治虫

そして最後に漫画家である手塚治虫が監督したアニメーション作品『ジャンピング』(1984年)をご紹介します。スキップからジャンプへ、どんどん高いところへ飛び上がていくその視点だけで作品を構成しています。全体を俯瞰するマクロな点と地面や空での細かな視点の双方が描かれた作品。


手塚治虫 実験アニメーション作品集 [DVD]
手塚治虫 (監督)


手塚治虫と言うと『鉄腕アトム』『リボンの騎士』などのテレビ放映されたアニメーション作品が有名ですが、アニメーションの様々な技法を常に探り続け、新しい表現を産み出している作家でもありました。漫画の神様が手がけた実験性の高いアニメーション表現は必見です。



今年はジブリの高畑勲展以外にも、児童小説、アニメ、絵本などファンタジー要素が強い展覧会がいくつも開催されています。映像と言えばミュージックビデオにも見逃せない作品があります。それらを紹介したコラムも是非見てみてください。また、芸術家が手がけた作家性の強いアニメーション作品を紹介したコラムをいまトピアート部の虹さんが書いていますのでこちらも必見です。


オトナだって夢を見る!ファンタジー系の展覧会オススメ5つ
https://ima.goo.ne.jp/column/article/7151.html


美しすぎる映像!アートな映像美が必見のミュージックビデオ8本
https://ima.goo.ne.jp/column/article/6545.html


一度見たら虜になる!【アーティストによるアニメの世界】
https://ima.goo.ne.jp/column/article/5991.html

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