フェルメール!モネ!この夏、ヨコハマでアートを楽しもう!

2018/8/11 11:50 yamasan yamasan
この秋、東京・上野の森美術館で開催されるフェルメール展は、来日する8点の作品が発表されて盛り上がりを見せていますが、その前にぜひご覧になっていただきたいのが、横浜のそごう美術館で開催されている「フェルメール 光の王国展2018」。

フェルメール 光の王国展2018




この展覧会の特徴は、なんといっても現存するフェルメール全37点(※)のリ・クリエイト作品が年代順に展示されていること。
リ・クリエイト作品といっても単なる複製画ではありません。
作品を所蔵する美術館からデジタル画像を借り受け、コンピューターでフェルメールが描いた当時の色彩をできる限り再現して原寸大に印刷したもので、額縁も所蔵美術館と同じものにしています。
(※)このコラムでは、フェルメールの作品数を「フェルメール 光の王国展2018」にしたがって37点としました。

フェルメール 光の王国展2018
会   場 そごう美術館 (横浜駅東口 そごう横浜店6階
開催期間 7月28日(土)~9月2日(日)  (会期中無休)
開館時間 午前10時~午後8時(入館は閉館の30分前まで)
入館料   大人 1,000円、大学・高校生 800円 中学生以下 無料 他
※「フェルメール 光の王国展2018」のエリア内は撮影可です。


それではさっそく館内をご案内しましょう。作品は制作された年代順に展示されています。

入ってすぐの部屋は初期の作品。
フェルメールも最初は宗教画から入りました。
右はフェルメールのもっとも制作年の古い作品とされる《マルタとマリアの家のキリスト》。今回来日する作品ですね。



そして、宗教画から離れて同時代の人々の暮らしの一瞬をとらえた作品《取り持ち女》(右)、のちに「フェルメールの部屋」と言われるようになった部屋の中の作品第1号とされる《眠る女》(中央)、私の大好きな作品《窓辺で手紙を読む女》(左)。



《窓辺で手紙を読む女》は揺れる乙女心が伝わってきそうです。



続いて円熟期の作品群。



フランスの小説家マルセル・プルーストも絶賛した《デルフト眺望》のアップです。
近づいて見ると、画面中央の時計台の時計が朝の7時10分を指しているのがわかります。



円熟期の作品が続きます。


日本で大人気だった《真珠の耳飾りの少女》。





リ・クリエイト作品なので、盗難にあって所在不明の作品《合奏》も見ることができます。盗難前に撮影した写真が残っていたので再現できたとのことです。無事に戻ることを祈ります。



最後が後期の作品群。





展示されているのは、リ・クリエイト作品だけではありません。
フェルメールの作品に描かれたヴァージナル(オルガンの一種)、バロックギターなども展示されています。



ヴァージナル


そして展示されているだけでなく、ヴァージナルによるミニコンサートも開催されます。

フェルメールが描いたヴァージナルによるミニコンサート
 日時  会期中毎週土曜日
       第1回午後1時から(約30分)  第2回午後3時から(約30分)
 演奏者 流尾真衣(ヴァージナル)
 場所   そごう美術館展示室内
 参加費 無料(別途入館料が必要、中学生以下入館料無料)、事前申し込み不要

フェルメールが絵の中に描いているのは楽器だけでなく、手紙、鏡、果物、画中画など、いろいろな小道具が描かれていて、それぞれの持つ意味の謎解きをするのもフェルメール鑑賞の楽しみの一つです。
展示室内の通路には、こういった小道具の謎解きのパネルが展示されています。



そしてフェルメールといえばこの人、生物学者 福岡伸一さんの部屋もあります。



アメリカ・ニューヨークタイムズ紙が「稀代のフェルメール・ヲタク」と紹介したことがきっかけになって、2014年にリニューアルオープンした「フェルメールファンの聖地」マウリッツハイス美術館のCMに福岡伸一さんが起用されました。そのビデオクリップが流れていますので、ぜひこちらもご覧になってください。

そして、もう一つおススメなのが、福岡伸一さんがフェルメール作品37点を解説するDVD。
上映時間は82分で少し長いのですが、作品一つひとつを福岡さんがエピソードなどを交えながら丁寧に解説するので、ぜひお時間をとって見ていただければと思います。福岡伸一さんの部屋の隣の映像ルームで見ることができます。

もちろん撮影コーナーもきちんと用意されています。フェルメールの絵の主人公になった気分で一枚いかがでしょうか。



子ども向けのイベントもあります。

福岡伸一による子どものためのギャラリーガイド「フェルメールを発見しよう!」
  日時 8月12日(日)午後4時から(約60分)
  場所 そごう美術館展示室内
  参加費 無料(別途入館料が必要、中学生以下入館料無料)、事前申し込み不要

子どもたちがジュニアガイド(下の写真)を記入したりするためのジュニアルームもあります(利用時間 午前10時~12時、午後 2時~4時)。 

中学生以下は入館料無料、作品の写真も撮れる、ジュニアガイドもある、今年の夏休みの自由課題はフェルメールで決まりだ!

ジュニアガイドは受付で配布しています。大人でももらえます。



横浜美術館 企画展「モネ それからの100年」とコレクション展


ヨコハマはフェルメールだけではありません。フェルメールと同じく日本で特に人気のあるモネの展覧会が開催されています。



モネ それからの100年
会   場 横浜美術館
開催期間 7月14日(土)~9月24日(月・休)
開館時間 午前10時~午後6時(9月14日(金)、15日(土)は午後8時30分まで)
       ※入館は閉館の30分前まで
入館料   一般 1,600円、大学・高校生 1,200円 中学生 600円
        小学生以下 無料 他
※企画展「モネ それからの100年」の会場内は撮影不可です。美術館入って正面の睡蓮のパネルは撮影できます(上の写真)。

企画展「モネ それからの100年」は、モネとモネの影響を受けた現代アートがテーマの展覧会。
見どころの一つが、国内コレクションを中心としたモネの作品25点(※)がほぼ年代順に展示されているので、「プチ・モネ回顧展」になっていること。
(※)25点のうち2点は前期と後期展示替えがあるので、一度に見ることができるのは24点。
そして、もう一つの見どころは、モネの影響を受けた現代アートの作品がモネの作品と同じ空間に展示されているので、モネと現代アートの接点を見つける楽しみ。

企画展「モネ それからの100年」は、夜間特別鑑賞会に参加してブログにレポートを書きましたので、こちらをご参照ください。
  「モネ それからの100年」夜間特別鑑賞会

同じ横浜美術館のコレクション展(常設展)でも、モネ展にちなんでモネ(1840-1926)と同時代の国内作家の作品や古典絵画などのイメージを自らの解釈で新しい表現をしている現代作家の同時代の作品、また写真展示室では、モネが生きた時代のフランス風景の写真が展示されています。
そして、近現代絵画のコーナーでは、次回企画展「駒井哲郎展」にちなんで「幻想へのいざない」というテーマで作品が展示されています。

それではコレクション展の中から私のおススメの作品を紹介しましょう。
※コレクション展の会場は撮影可です。

はじめに、モネ展でも作品が展示されている福田美蘭の《風神雷神図》(下の写真左)《山水図》(同右)。
《風神雷神図》はもちろん俵谷宗達《風神雷神図屏風》の抽象化、《山水図》は中国南宋の画家・夏珪の様式に倣ったようですが、右上にはジェット機が飛んでいるというユニークな作品。



そしてもう一点は、近代日本画では一番好きな画家の一人、下村観山(1873-1930)の《小倉山》。
絵師をめざして狩野派に入門して最初の一年は縦の線を描く練習、次の一年は横の線を描くという修業時代を経験した観山ならではの精緻な筆遣いの妙をじっくり味わってください。



下村観山をはじめ、近代日本画家については「いまトピ~すごい好奇心のサイト~」のコラムで書いているので、ぜひこちらもご覧になってください。

yamasanの近代日本画三部作

近代日本画の世界へようこそ

日本美術の聖地・五浦へ

初夏のヨコハマ、おススメ散策&美術展ガイド~近代日本画の足跡を訪ねて五浦から横浜へ~


フェルメールに始まって、モネ、現代アート、そして近代日本画と、とりとめのないアートの旅になりましたが、これも今なら全部ヨコハマで見ることができるのです。
猛暑が続きますが、暑さにめげずにぜひともこの機会にヨコハマにお越しになっていただければと思います。お待ちしています!