「プリンプリン物語」作家が生んだ妖精&絶景「あじさい山」…おとぎの世界すぎる東京の町がスゴい

2017/7/14 22:00 スージー小江戸 スージー小江戸



残存しないと思われた当時の映像が発掘され、7月から奇跡の再放送が始まった「プリンプリン物語」を知っていますか?

NHKで1979年から3年間、全656話が放送されたこの伝説の人形劇。人形をデザインした造形作家の友永詔三さんは、近年、東京のはずれのとある町で大量の森の妖精の生みの親になっているらしいのです。

しかも同じ町のすぐ近くには、 “平成の花咲か爺さん”あるいは “リアル版・木を植えた男”こと南澤忠一さんが、47年間一人で1万株の紫陽花を植え続けた絶景・南沢あじさい山が。

「何なの、そのファンタジー設定!」と思いつつ実際、現地に行ってみると…
おとぎ話の世界と現実が混然一体!!
となっちゃってました。

さらに、同じエリアには癒やしの巨樹「山抱きの大カシ」恋愛パワースポット「千年の契杉」という、これまたおとぎ話のような見所もあったので併せてご紹介します。

今年は遅めの開花の紫陽花、7月23日までは「あじさい山」で切り花プレゼントやライトアップなんかもあるようなので、行かれる方はぜひご参考に!

地図中の番号とコースの色分けは、下記と対応しています。

①深沢 小さな美術館:武蔵五日市駅から徒歩45分

②南沢あじさい山:武蔵五日市駅から徒歩40分
→紹介ページは こちら

③山抱きの大カシ:入口から片道10分(往復20分)
④千年の契杉:入口から片道20分(往復40分)
→紹介ページは こちら


① 妖精たちのふる里「深沢 小さな美術館」へ
まずはJR中央線の終点の一つ、いや“おとぎの世界への入口”である武蔵五日市駅へ。



改札を出て右手の「インフォメーションコーナー」横を「北口」方向へ曲がります。



階段を上がって地上に出ると、目の前に案内サインが。



写真の左上あたりに見えているひょろりとノッポの3人…



彼らこそが、森の妖精ZiZi(ジィージィー)
この町のそこかしこに100人以上も佇んでいて、南沢あじさい山へ、深沢小さな美術館への案内役にもなってくれています。



道端にも、曲がり角にも、分岐点にもいてくれるので迷う心配ナシ。



住宅街をぬって進む間も、道端には色々な紫陽花が。





ZiZiにも色々いるようで、顔がくたびれてしまっているとてつもない長老さんや、





民家の庭先に立って「その家の子」になっている人も。

しばらく行くと、畑の中に真っ白な紫陽花「アナベル」の見事な群生が!





直径20㎝ほどの大ぶりの花が互いにくっつき合って一つに。まるで泡みたい。





行く手の道沿いにも紫陽花がたくさん。ZiZiも次々とリレーをするかのように現れて先へ先へといざないます。





道のりのちょうど半ばくらいで、雨上がりの森から上空に幻想的な白いもやが…





と思いきや、「自然人村」というキャンプ場からの自炊の煙でした。



紫陽花が咲く道はまだ続き、ZiZiの表情はみな緑や紫陽花の中で活き活き!







背丈も太さも顔つきも十人十色、でも皆そろって癒やし系なZiZi。

普通、アート作品を町の中に設置すると、少なからず違和感があって浮いて見えがち。なのに、完全に風景に溶け込んで、むしろZiZiたちが先にいたところに町ができたくらいの感覚に…。



おとぎの世界に踏み込んで30分ほどで、あじさい山との分岐点に到着。ここで右側の道を行けばZiZiの故郷「深沢小さな美術館」です。



ここにも、トリオ・ザ・ZiZiがいてしっかり案内してくれるので、見落とす心配ナシ。



そのうち沢が出てきて、両岸には紫陽花がいっぱい。



この紫陽花はガクの縁どりのカットがかわいらしくて女子力高め!それにしても紫陽花は種類が多すぎて名前の判別にトライするも…ムリでした。



向こう岸にはアイドルばりにグループで登場。

さらに、この先は個性派のオンパレード。お家の洗濯物を隠そうとしていたり



完全にきのこに寄生されていたり



「ご迷惑をおかけします」…そんな顔して言われたら許すしかありません。



あじさい山への分岐点から10分ほどで、左手には「山抱きの大カシ」への入口が、



並びには「千年の契杉」への案内板も出てきます。



それらを過ぎて5分くらい歩くと、いよいよ深沢小さな美術館に到着!



ここのZiZiは帽子が黄色いなあ~なんて思いながらアプローチの坂を上り、



美術館入口に着いて、ふと左手を見ると…



!!!

出荷前…いや、故郷で休んでいるZiZiたちがたくさん!しかも傍らにはドすっぴんの子たちもワンサカ。



(モザイクなしの顔は……現地でお確かめください)

さて、気を取り直して美術館へ。前庭にはたくさんの池が作られていて、立派な鯉が無数に泳いでいるんだけど



中には全く違う魚も!鼻の頭が白い!後で聞いたらこの魚はチョウザメだそう。キャビアの親は見た目こんなコミカルなんですね…。



突き当りが美術館。やはりどう見てもおとぎ話の世界!建物は何と友永詔三さんが全部ご自身で建てたもの。参考にするためにガウディまで見に行ったんだそうですよ。



こちらが併設されたカフェの入口。



中に入ってみると



もう、おとぎの世界にいる気しかしません。



テラスの眺めもとびきりかわいくて、池の鯉を見ながらお茶できます。



メニューはコーヒーと紅茶の2種類でどちらも500円。葉っぱのマットがかわいらしい!友永さんお奥様がカフェをやっていらっしゃるのですが、この日はスイートポテトをおまけにつけてくれて、とても美味しゅうございました。



奥のショップにはミニZiZiがたくさん!
なぜでしょう、最初はそうでもなかったのに、ここに来るまでに完全にZiZiの虜。連れて帰りたくてしょうがない…。(売り物です)

しかし、あまりにのんびりしちゃったので、もう次の目的地「南沢あじさい山」へ行かねば!ということで出発することに。美術館の窓からは「プリンプリン物語」の主人公、麗しのプリンセス・プリンプリンが!!



筆者はうっすらと記憶がある程度なのですが、知らない人が見ても人形造形の美しさに目を奪われます。「プリンプリン物語」がどんな人形劇だったかというと…


あとは毎週水曜日のNHK-BSの奇跡の再放送をチェックですね!

■深沢 小さな美術館
http://art-avenue.jp/avenue19.html

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