小栗旬も心配な大河ドラマ後の仕事…『鎌倉殿の13人』和田義盛役の横田栄司が降板した舞台『欲望という名の電車』は多くの俳優が憧れた名作だった!!

2022/11/4 17:00 龍女 龍女

今回のコラムの主役は俳優の横田栄司(1971年10月11日生れ)である。


(文学座の宣材写真から引用。横田栄司 イラストby龍女)

今回取り上げるのは『鎌倉殿の13人』で演じている和田義盛(1147~1213)が第41回『義盛、お前に罪はない』で、和田合戦の末討ち死にして退場してしまったからである。


新劇の文学座に所属する51歳のベテラン俳優で、TVに親しんでいる人なら、CMで見た顔である。
TOTOのCMで、トランプのジョーカーのような格好をしたビックベンを演じて、寺田心と出演していた。
続編はビッグベンによく似たがたいの良いオジサンが風呂に入っている内容だ。
ソニー損保では、遊井亮子(1976年8月10日生れ)扮する妻に翻弄される夫を熱演している。

最近心配なニュースがあった。
大河ドラマ撮影終了後の初仕事
文学座の舞台『欲望という名の電車』の副主人公のスタンリー・コワルスキー役を、降板した。
文学座の公式発表はこうである。


文学座公演「欲望という名の電車」に出演を予定していた横田栄司は、心身の不調により降板させていただくことになりました。

舞台を心待ちにして下さっていた皆さま、作品に携わる全ての関係者の皆さまに心よりお詫び申し上げます。

横田は、微熱と極度の倦怠感のため受診したところ肝機能障害と慢性疲労症候群の診断を受け、またメンタルヘルスに於いても不調の診断を受けたため、双方の医師と相談の上、やむなく降板の判断に至りました。

これより暫しの休養をいただき、再び皆さまと舞台でお目にかかれるよう回復に努める所存です。

尚、スタンリー役は鍛治直人が務めます。

皆さまのご期待に添える作品となりますよう、キャスト・スタッフ一同精進してまいります。

とのことである。

筆者はふと疑問に思った。
実は『鎌倉殿の13人』の主役、小栗旬とは舞台俳優仲間として何度も共演した仲である。
新劇とは、このコラムでは何度も取り上げているが、外国語で書かれた戯曲つまり翻訳劇を上演する劇団で、古くはギリシャ悲劇からシェイクスピア、現代の翻訳物まで取り上げる。
小栗旬は舞台俳優としては劇団に所属していないが、新劇の俳優という側面を持っている。
当の小栗旬は、大河ドラマ最終回直後に上演されるシェイクスピアの舞台
『ジョン王』(演出吉田鋼太郎)の主演が決まっている。
じつはこれにも横田栄司がジョン王役で出演予定だったが、降板が決まった。
(代役は、東京公演は吉原光夫、その他の地方公演は吉田鋼太郎)

正直、大河ドラマの後の仕事というのは、主役或いはそれに準じる役柄の俳優にとって大変しんどいのではないか?
と素人ながら、心配になってしまった。
横田栄司は、『鎌倉殿の13人』に第1回から登場する人物として大活躍してドラマ全体の8割登場していた。
おそらく、横田栄司のTVドラマの代表作になりそうな大活躍ぶりだった。

大河ドラマの方はほぼ撮影が終わっているので、心配なかったが、こうした走り抜けた仕事の後は、主役級の出番の俳優ならば、半年以上休養をとった方が良い。
しかも、次に待ち構えていた仕事が、横田栄司が所属する文学座が満を持して35年ぶりに上演する舞台のスタンリー役である。

だが、筆者は偉そうなことを書いてきたが、肝心なことをすっかり忘れていたのである。

「ヤバい、私『欲望という名の電車』ちゃんと観たこと無いわ…」

と言うわけで、コラムの主役不在の文学座の舞台を観劇してみることにしたのである。

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