宮崎駿と庵野秀明、アニメ界巨匠2人が選んだ松任谷由実(荒井由実)の50周年ベストアルバム『ユーミン万歳』にも収録されたあの2曲とは?

2022/10/7 17:00龍女龍女

今回のコラムの主役はシンガー・ソングライターの
松任谷由実(1954年1月19日生れ)である。

今回取り上げたのは、10月4日に50周年ベストアルバム
『ユーミン万歳』が発売されたからである。


このアルバムはファン投票で選ばれたベスト50曲が収録されている。

51曲目として、AI荒井由実と松任谷由実がデュエットする
『Call me back』が新曲として発表された。

作者のクレジットは、作詞・松任谷由実 作曲・呉田軽穂と異例の表記がしてある。
これは10枚目のアルバム『SURF&SNOW』(1980年12月1日)録音時に曲だけ作って収録されなかった楽曲のマスターテープが40年ぶりに発見されたのがきっかけである。
更に後になって、分かったことだが
この曲は白石まるみ(1962年11月27日生れ)に提供した。
別の詞がついたシングル『恋人がいても』(1982年1月21日)である。
この作詞作曲が松任谷由実が他の歌手に提供する時の名義、呉田軽穂である。
2022年になって自分用に作詞し直したので、異例の表記が完成した。


そこで筆者はベストアルバムにも収録されている楽曲を自らの監督作品に主題歌或いは挿入歌として選んだアニメ界の巨匠二人とその2曲についても語りたくなった。

それは宮崎駿(1941年1月5日生れ)と
庵野秀明(1960年5月22日生れ)である。


(『風立ちぬ』の完成披露会の写真から引用。左から庵野秀明・宮崎駿・松任谷由実 イラストby龍女)

19歳離れている師弟関係でもある2人は、自らの監督作品で選んだ曲の傾向の違いが面白い。
そこに顕著な作家性の違いが見られる。

しかも選ばれた曲は、実に興味深い。
宮崎駿が荒井由実(1972~76)時代を選んだ。
庵野秀明は松任谷由実になってからの作品を選んだ。
キーボディストでアレンジャーで音楽プロデューサーの
松任谷正隆(1951年11月19日生れ)と結婚して名字を変更した。
荒井由実時代の楽曲は初期ほど私小説的側面が強い。
荒井由実の後期から松任谷由実になって職業作家としての作風が進んで、第三者の視点が強くなった。

そこでまず、次のページで宮崎駿が商業ベースでは実質引退作と思われる
『風立ちぬ』(2013年)の主題歌に選んだ
『ひこうき雲』について語っていきたい。

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