阿部寛はバブル世代の高倉健?最新主演映画『異動辞令は音楽隊!』は不器用な大男が困る姿がたまらない!?

2022/8/25 22:00 龍女 龍女

今回のコラムの主役は阿部寛(1964年6月22日生れ)である。

今や映画・ドラマのみならず日本を代表する主演俳優の一人である。
最新作『異動辞令は音楽隊!』(8月26日公開)を記念して、取り上げてみた。
予告編を観ただけで、非常に面白そうな内容ではある。


(『異動辞令は音楽隊!』のベテラン刑事役の阿部寛 イラストby龍女)

今年の7月23日、米国で開催されたニューヨーク・アジアン映画祭で、スター・アジア賞を日本人として初受賞した。
この映画祭でプレミア上映されたのが今回の作品だそうだ。
シナリオの構造としては、過去の阿部寛のある作品と類似しているので、後で詳しく解説する。

さて今回のメインテーマである。
筆者は「阿部寛はバブル世代の高倉健?」じゃないかという仮説をたててみた。
どういうことか?
厳密に言うと、 バラエティ番組の興隆期だったバブル世代の高倉健的存在が阿部寛ではないか?という問いを証明してみせようという主旨である。

もちろん、高倉健が唯一無二の存在である事は承知だし、たった一度だけ生の高倉健を観られた事(2021年11月24日付コラム参照)は筆者の大切な思い出になっている。


それは承知で筆者は、最近の阿部寛の出演作を観ていると、どうしても仮定してみたくなる。

もし健さんが映画スターではなく、俳優活動の始まりがテレビ最盛期だとしたら、一番近い存在なのが阿部寛なのでは?
と思ってしまう。
そこで、まずは阿部寛の経歴に観ていきながら高倉健との共通点と違いを探っていこう。

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