公開中の映画『リスペクト』の主人公で「ソウルの女王」ことアレサ・フランクリンを、アカデミー賞女優のジェニファー・ハドソンが演じることになった理由とは?
(アレサ・フランクリンを演じるジェニファー・ハドソン イラストby龍女)
11月5日から公開中の音楽伝記映画『リスペクト』は、筆者待望の作品だった。
コロナ禍で映画業界全体が延期になっている中、余計渇望が増した。
主人公を演じるジェニファー・ハドソン(1981年9月12日生れ)は、アメリカの人気オーディション番組、『アメリカンアイドル』シーズン3(2004年)でファイナリストに残ったことで名前を知られることになった。
その後ミュージカル映画『ドリームガールズ』のオーディションでは、『アメリカンアイドル』では優勝したライバルのファンテイジア・バリーノを破り、エフィー・ホワイト役を勝ちとった。
主役のディーナ・ジョーンズ役のビヨンセ・ノウルズ(1981年9月4日生れ)を食う演技で、第79回のアカデミー賞で助演女優賞を獲得した。
これによって、ジェニファー・ハドソンはスターとして認められた。
その直後から、次なる大きな役が指名された。
(『リスペクト』の頃のアレサ・フランクリン イラストby龍女)
それがアレサ・フランクリン(1942~2018)の伝記映画を主演することである。
今から20年以上前からアレサ本人が構想していた伝記映画にふさわしい人材を見つけた。
つまり、ジェニファー・ハドソンにとっては15年かけて取り組んだプロジェクトである。
アメリカンアイドルの中では、残った13人の中で課題がソウル・ミュージックとなった回で、アレサ・フランクリンの『ベイビー・アイ・ラヴ・ユー』を選曲している。
映画出演の後も、アレサ・フランクリンのコンサートの前座を務める等、交流が進んだ。
アレサ・フランクリンの伝記映画の企画は、2018年に本人が亡くなった直後にようやく進み、2019年の9月から撮影が始まり、2020年の2月15日に終わった。
全米公開の2021年の8月13日に決まるまでに1年公開が延期された。
日本公開日11月5日が情報解禁されたのが、命日に当たる8月16日であった。
筆者は、世の中で一番好きな音楽のジャンルはソウル・ミュージックだ。
『ソウルの女王』アレサ・フランクリンの生涯を知りたかった。
公開当日に観に行った。
それでは、『リスペクト』のネタバレを含む物語の筋を紹介しよう。