『科捜研の女 劇場版』榊マリコの相棒、土門薫を演じる内藤剛志は、〇〇〇〇〇の帝王!?

2021/9/8 22:00 龍女 龍女

③あの有名なキャラクターを引き継ぐ!
それは東映京都撮影所が大きな鍵を握っている。
遡ること2007年の水戸黄門第37部から内藤剛志はある大役の2代目を引き継ぐことになった。


(中谷一郎演じる風車の弥七 イラストby龍女)
中谷一郎(1930~2004)演じた風車の弥七である。


(内藤剛志演じる風車の弥七 イラストby龍女)

水戸黄門が地上波でのシリーズ終了した第43部(2011年後半)と2015年のスペシャルまで演じた。


(TBS版西村京太郎サスペンス十津川警部シリーズから。
左から伊東四朗演じる亀井警部補と渡瀬恒彦演じる十津川警部 イラストby龍女)

2017年の3月14日に俳優の渡瀬恒彦が亡くなった。
俳優デビューから死去まで東映所属であり、元々映画俳優として東映京都撮影所でキャリアを始めてアクション映画で名をなしたが、1985年の大ヒット映画『南極物語』以降はTVドラマに軸足を移した。
最晩年まで売れっ子で、連続ドラマ主演の『警視庁捜査一課9係 season12』を控えていたが、撮影には間に合わなかった。
結果的に遺作になったのは、2017年の2月12日まで撮影されたアガサ・クリスティの名作ミステリーを日本に置き換えて翻案した『そして誰もいなくなった』(同年3月25・26日放送テレビ朝日。主役・仲間由紀恵)である。
1992年から2015年まで54回演じた『西村京太郎サスペンス 十津川警部シリーズ』の主役の座を2016年に胆嚢(たんのう)癌のために降板した。


(西村京太郎サスペンス新・十津川警部シリーズから
左から内藤剛志演じる十津川警部と石丸謙二郎演じる亀井警部補 イラストby龍女)

2017年1月の放送で『西村京太郎サスペンス 新・十津川警部シリーズ』となった。
十津川警部と亀井警部補のコンビは渡瀬恒彦と伊東四朗から、内藤剛志と石丸謙二郎に、世代交代することになった。

2時間ドラマに関しては、どうしても2時間ドラマをきっかけにスター俳優になった船越英一郎を中心になって語られがちだ。
2時間ドラマを支えたスター俳優としての、渡瀬恒彦の存在を忘れてはならない。
特に1992年から2016年と十津川警部シリーズとほぼ同じ期間続いたTV朝日の土曜ワイド劇場の『タクシードライバーの推理日誌』シリーズや他にも複数のシリーズもの主役を抱えていた。

内藤剛志は、2000年代2時間ドラマの主役の仕事は多くなったが、実はシリーズとして旨く繋がらなかった時期がある。
共演したときに飲みの席で渡瀬恒彦に
「僕、主役いっぱいあるんですけど、すぐ終わってしまうんです。どうしたらいいですか?」 尋ねたことがあったという。
「それお前、台本読むとき自分のところから読んでない? まず周りの出ていただける俳優の人が
『ここ俺のええとこあるわ、ええセリフあるわ』
と感じてるところを見てるか?」
と答えた。
(TBSトーク番組A-Studio出演時から。2017年12月30日付けFLASHの記事より抜粋)
内藤剛志は主役が回った頃、自分のことでいっぱいいっぱいだったのだ。
周囲の俳優やスタッフの様子がみえていないことに気付いた。
反省してからはシリーズが続くようになったようだ。

2017年以降、渡瀬恒彦が晩年達した性格俳優という渋い立ち位置の座が、内藤剛志の元に渡った。
内藤剛志は既に『刑事ドラマの帝王』といえる地位を築いている。


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