剣術まるでダメ!こんな時代劇ヒーロー観た事ない!?中村隼人演じる最弱の主人公が活躍する『大富豪同心2』は、なんで面白いのか

2021/7/14 22:00 龍女 龍女

③見せ場?これまでの時代劇と違うところ

同心や岡っ引きが活躍する時代劇のミステリーを捕物帳という。
『大富豪同心』も時代劇のジャンルで言うと、捕物帳にカテゴライズされる。
最大の見せ場は、主人公が決めぜりふを言って、十手を持ったチャンバラで下手人(犯人)を捕まえるアクションである。
しかしこの『大富豪同心』の主人公、八巻卯之吉は剣術なんぞ、そもそも出来ないのである。



(ウィークリーステラより引用 イラストby龍女)

肝心な捕まえるぞ!と言う場面になると、立ったまま気絶してしまうのである!
全く頼りにならないのだが、その代わり周りが手助けしてくれるのである。
時には、水谷弥五郎、悪友の梅本源之丞、女剣士・溝口美鈴、第2シリーズでは、卯之吉に瓜二つの幸千代である。

頼りにならないが故に、「これはそばにいてあげなくちゃ」と、ダメ人間の妙な人徳が発動される。

しかし、卯之吉は全く無能というわけでは無く、殺人現場で検分する段においては、医学の知識があるので、どう殺されたかわかる。
とにかく主人公の見せ場が地味なのである。

これまで、歌舞伎や時代劇に登場する若旦那は主人公になることはあっても、世話物(町人や庶民が主人公の劇)の主人公であって、ヒーローものの主人公になることは無かった。
この発想の転換が『大富豪同心』の面白さになっている。
基本的に若旦那に金の力はあっても腕力は無い。
キャラは変わっていない。ではどう捕物帖で生かすか?
その工夫に感心し、個性豊かな登場人物が主人公をどう助け主人公がどう答えてゆくのか?
チームワークがとにかく面白いのである。

第1シリーズは、NHKオンデマンドで月額払えば視聴できる。
おそらく、第2シリーズを無料で観るには、NHK総合では今年の10月頃に放送されるはずなので、見逃した人も是非視聴してほしい。


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写真:タレントデータバンク
中村隼人|1993/11/30生まれ|男性|東京都出身)

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