【駅前に世界遺産?】大聖堂の高さを体感してきた!

2020/12/19 21:39 yamasan yamasan

日本でドイツのクリスマス

本場ドイツではコロナウィルス感染症の拡大を受けて、年末恒例のクリスマスマーケットはどの街でも中止になっていますが、遠く離れた日本ではドイツのクリスマスの雰囲気を味わえる場所がオープンしています。


それは、横浜港新港地区にある赤レンガ倉庫で開催中の「クリスマスマーケット2020」。
今年はオクトーバーフェストも中止になったので、クリスマスマーケットも中止かなと思っていたら、開催するとのうれしいお知らせが飛び込んできたので、さっそく行ってきました。


開催期間は12月4日(金)から12月25日(金)まで。
今年は事前予約制ですので、密を避けてぜひお楽しみください。
詳細は公式HPでご覧いただけます⇒横浜赤レンガ倉庫Christmas Market2020

車窓から見るドイツの世界遺産

クリスマスマーケットの雰囲気を楽しんでいると頭の中に思い浮かんでくるのが、ドイツの街の光景。
今はとても観光で行かれる状況ではなく、また、行かれないからこそかもしれませんが、今まで行った街がとても懐かしく感じられるのです。

そこで今回は、ドイツの「駅前にある世界遺産」ケルン大聖堂を紹介したいと思います。

ヨーロッパの玄関口、フランクフルト空港からはICEで1時間ほどでケルンに到着する直線ルートがあるのですが、せっかくの機会なので、ライン川沿いを通る迂回ルートで約2時間半かけてケルンに向かうことにしました。

フランクフルト空港駅を出て20分ほどで着くマインツからコブレンツまでの約30分の間、列車は世界遺産のライン渓谷沿いを走ります。


途中、車窓からライン川の向こうに見えてくるのは、斜面にブドウ畑が広がる丘と、丘の上にそびえる古城。

ここは絶対に撮り損ねてはいけないと緊張してカメラを構えていると、大きな岩のかたまりが見えてきました。


これがかの有名なライン川右岸にそびえる巨岩、ローレライ
ご覧のとおり、ライン川は右に大きく曲がり、水の流れも急で、このあたりは航行の難所として知られていました。
ここが岩の上に妖精が立って舟人を誘惑するというローレライ伝説の舞台なのです。

ひと仕事を終えてやれやれと席でくつろいでいるうちにケルン中央駅に到着。


ケルン大聖堂はやっぱり大きい!

広々としたホームを出ると、目の前に立つ大きな建物はカトリック・ケルン大司教区の中心、ケルン大聖堂
現在の大聖堂は、1248年に着工されて、1500年代から300年以上の工事の中断を経て、1880年になってようやく完成したものです。

駅側から写真を撮ろうとしたのですが、カメラに収まりきらなかったため、大聖堂の周囲をぐるっと回ってようやく駅の反対側から撮ったのがこの写真。

翌朝には線路を超えて少し離れた場所から撮ったのですが、ここからだと特徴ある二つの尖塔がよく見えてきます。
この時は曇り空だったのですが、カメラを構えていると雲の合間からちょうど朝日が出てきて、二つの尖塔の手前にある黄金の十字架が神々しく輝き始めました。



高さではドイツ南部の街ウルムにある大聖堂の約161mにはわずかに及びませんが、高さ157mもある尖塔のうち一般に開放されているのは上の写真左の南塔。地上から100mの位置にある展望室まで533段のらせん階段をひたすら上っていきます。


しばらく上り続けていると、大きな空間が広がってきて、巨大な鐘が見えてきました。
全部で11つある鐘のうち、中央にある一番大きな鐘は、開口部の直径がゆうに3mはありそう。重さは24tもあるそうです。


これが今鳴ったらものすごい音になるのでは、と不安に思いながらさらにらせん階段を上り、ようやく展望室のレベルまでたどり着くと、何とそこには絵葉書や小物などを売っている小さな売店がありました。

店の男性に話を聞いてみました。
「塔の中央にある鐘はいつ鳴らすのですか。」
「クリスマスやイースターのときなど特別な時に鳴らします。」
塔に上っていない時に、塔の下からぜひ荘厳な鐘の音を聞いてみたいものです。

売店で購入した絵葉書は第二次世界大戦直後のケルン大聖堂。


第二次世界大戦時の空襲でケルンの街は壊滅的な打撃を受けましたが、爆弾の被害は被ったものの、ケルン大聖堂はかろうじてその姿をとどめたのです。

展望室は回廊のようになっていて、一周するとケルンの街を360度のパノラマで楽しむことができます。


高いところに上ると試したくなるのが、カメラのミニチュアライズ機能。こちらはライン川沿いの景色です。



今度は階段をひたすら降りて、大聖堂の中に入りました。
大聖堂の中でも飛び切り大きなケルン大聖堂なので、中も広々としていしてます。
祭壇では、ちょうど神父さんが礼拝の準備をしているところでした。


第二次世界大戦で破損したものもありましたが、今も残る荘厳なステンドグラスは必見。


このステンドグラスはバイエルン王国のルートヴィヒ1世(1786-1868 在位1825-48)が寄進したものなので「バイエルンの窓」と呼ばれています。


芸術を愛好したルートヴィヒ1世は、ヴィッテルスバッハ家によって蒐集された14世紀から18世紀までの西洋絵画の名品を所蔵するアルテ・ピナコテークをオープンさせたことで知られています。⇒いまトピ「バイエルン美術紀行2

そして、1810年、当時の王子ルートヴィヒ(のちのルートヴィヒ1世)とザクセン王女ルイーゼとの結婚式の宴が、今では日本でもすっかり定着したオクトーバーフェストの始まりなのです。⇒いまトピ「バイエルン美術紀行3

ビールはやっぱりケルシュに限る

オクトーバーフェストといえばビールですが、話をケルンに戻すと、ミュンヘンとはちょっと飲み方が違います。


ミュンヘンでは大ジョッキで飲みますが、ケルンでは地元の「ケルシュ」を200mlの小さなグラスに注ぐのです。
200mlではすぐに飲み終えてしまうのですが、店内ではウェーターさんが取っ手のついたお盆にビールの入ったグラスをいくつも乗せて歩いていて、グラスが空になった人のところにスッと置いていくのでビールが途切れることはありません。


そして、グラスを置くたびにウェイターさんはコースターにボールペンで印をつけていきます(上の写真のコースターの右上)。
グラスが空になると次から次へと新しいグラスを置いていくので、まるで「わんこそば」ならぬ「わんこビール」。

3杯飲んだところで「もういいです。」と言った時のウェイターさんの悲しそうな表情が今でも忘れられません。
今度行ったら、もっとたくさん飲まなくては!

(もうお気づきの方もいらっしゃるかと思いますが、ケルンのビールがyamasanのアイコンです。)