【アートファンもびっくり!】切手の浮世絵が立体になった!?
歌川広重は知らなくても《月に雁》は知っていた
子どものころ切手のコレクションに夢中になった人なら誰でも知っている《月に雁》。
当時は、わずかな小遣いではとても手が出ないほどプレミアムがついていたので、カタログや雑誌で眺めるだけでしたが、まん丸のお月さんを背景に空から降ってくるような二羽の雁の絵は強く印象に残っていました。
歌川広重《月に雁》東京国立博物館
これが歌川広重の名作であることは後になって知ったのですが、先日ようやく東京国立博物館で実物にめぐり会うことができました。切手で知っていた絵に出会えた喜びなのでしょうか、妙に懐かしさも感じられたから不思議です。
切手の題材になった作品はいつまでも印象に残っているものですが、最近では今年(2020年)に入って「美術の世界シリーズ」の第1集と第2集が発売されているので、すでに購入された切手ファンやアートファンの方もいらっしゃるのでは。
第1集(3月発売)のテーマは「青の世界」。青を基調とした作品が題材に選ばれています。
そして、第2集(10月発売)のテーマは「赤の世界」。
題材に選ばれた作品はすべて国内の美術館・博物館が所蔵するものなので、こまめに展示スケジュールを確認すればいつかは実物が見られるかもしれません。その上、日本の美術作品だけでなく、国内で人気のモネはじめ海外の作品も選ばれているのもうれしいです。
切手の浮世絵が立体になった!?
美術作品が題材になっている切手は見た目にもきれいですし、切手を通して気軽に美術作品の魅力にふれることができるいい機会にもなります。
しかし、今回紹介するのは、なんと平面から飛び出して立体になった切手!
海洋堂 カプセルQミュージアム「日本切手立体図録」
ご覧のとおり、ラインナップは豪華5点。
歌川広重《月に雁》(所蔵元:東京国立博物館ほか)は、立体になったので背景の月は丸みを帯びてます。
いつも横顔しか見えない菱川師宣の肉筆画《見返り美人図》(所蔵元:東京国立博物館)には、今回特別にこちらを向いてもらいました。素敵な笑顔です。
葛飾北斎《冨嶽三十六景》の中でも「神奈川沖浪裏」「山下白雨」と並んで人気作の「凱風快晴」(所蔵元:東京国立博物館ほか)。
羽田空港から飛行機で西に向かうと富士山をこの角度で見ることができますが、さすがの北斎もこの構図の富士山は描けなかったことでしょう。
役者の顔を大きく描いた「大首絵」を得意とした東洲斎写楽の代表作《市川鰕蔵の竹村定之進》(所蔵元:東京国立博物館ほか)。
※「日本切手立体図録」では郵便は送れませんのでご注意ください。
唯一絵巻物からは国宝《鳥獣戯画》(所蔵元:京都・高山寺)。ウサギとカエルが相撲を取って、カエルが投げ飛ばされて仰向けになった場面です。
来春に東京国立博物館で開催が予定されている特別展「国宝 鳥獣戯画のすべて」も楽しみですが、開会までの予習には『もっと知りたい鳥獣戯画』がおススメです。
監修・著 土屋貴裕 三戸信惠 著 板倉聖哲 ABC アート・ビギナーズ・コレクション『もっと知りたい鳥獣戯画』(東京美術 2020年)
立体版「洛中洛外図」も夢ではない!
先月、京都に行ったときに宿泊したホテルのロビーで「京都フィギュアみやげ」のガチャガチャを見つけました。
以前、清水寺を紹介しましたが、今回はなんと金閣と銀閣がラインナップに加わり、さらに金閣はスペシャルカラーの雪化粧もあるパワーアップバージョン。
説明書きも裏面(右側)は英語なので、外国人観光客も楽しめそうです。
京都フィギュアみやげ
2回試してみたのですが、ゲットしたのは伊藤若冲《向日葵雄鶏図》の鶏と京野菜。若冲は青物問屋の長男だったのでどちらも若冲にちなんだフィギュアでした。
背景は「戦国の茶器」シリーズの「洛中洛外図屛風」、畳はセリアの「ミニ畳(一畳)」。
金閣、銀閣はゲットできませんでしたが、ご興味のある方はトライしてみてはいかがでしょうか。
立体版「洛中洛外図」も夢ではありません!
(※ただし、ガチャガチャはほどほどに。)
フィギュアの清水寺を紹介したコラムはこちらです。
【お正月はこれで決まり!】自宅でアート、始めてみませんか?
戦国の茶器はこちらのコラムで紹介しています。
【#麒麟を待つ】麒麟ロスは〇〇で乗り切ろう!
「カプセルQミュージアム 日本切手立体図録 全5種セット」